【感想・ネタバレ】ハルビンのレビュー

あらすじ

1909年10月26日、ハルビン駅。伊藤博文に凶弾を放った安重根――それは英雄でもテロリストでもない、悩める青年だった。大地主の家に生まれるも勉学よりも狩猟を好み、義兵部隊は日本人捕虜を解放したことでクビ。やり場のない怒りを抱え、凶行へと駆り立てられた青年の姿を描く、歴史小説の第一人者による話題作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

安重根と伊藤博文それぞれの人生を交互に描きながら、暗殺シーンの見せ場までに読者の気持ちをジワジワ高めていく手腕がお見事。
「暗殺はまだかな?」とドキドキワクワクしながら読み進めていました。
2人が少しずつハルビンに近づいてくるのを追いかけるのがまた楽しい。地図がついてたら嬉しかった。

乾いた硬質な文体で、どの人物にも特段肩入れすることなく淡々と描いているのだが、しかしどの人物にもやけに生々しい存在感があり、「実際こういう人間であったのだろう」と思わせるリアリティに満ちている。

ただ、個人的に、理想を掲げて突っ走る英雄タイプの歴史上人物が苦手なので、「奥さんと子ども置いて金も送らんと何してんねん…」というイライラはどうしてもぬぐえず。。
いや、でもおもしろかったです。
暗殺シーンが意外とはやく訪れて、その後の展開どうするんだろうとちょっと不安になったけど、最後まで緊張感を保ったまま見事に終結してました。
蓮池さんの翻訳もすごい!

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハルビンで日本の初代首相伊藤博文が暗殺されたことを、暗殺者安重根や韓国側からの目線で書いたノンフィクション(だと思う)。
とはいえ、私自身は日本側からの視点でのこの事件の詳細はよく知らない。
日本は韓国を併合しようとしていたのだから、当然多くの韓国人は日本に対して良く思っていなかっただろうと考えていたが、この本にはそのような韓国人の激しい感情はほとんど書かれていない。
伊藤が暗殺された後の韓国人、少なくとも上層部の人たちは、日本に謝罪し、喪に服し、伊藤の死を悼んでいた。
日本も同様、伊藤の暗殺に対して、激しい怒りに出ることもなく、裁判も当時の法律に則って静かにきちんと、安重根への取り調べを何度も行い進めている。
もちろん死刑にはなるのだが。
韓国で安重根は英雄視されていると聞いたので、この本には韓国人のもっと激しい感情が描かれているかと思ったが、そうではなかった。
私は歴史を知らなすぎるのだと思う。

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2025年05月20日

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