あらすじ
あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人(ゆきひと)を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見(ゆみ)から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上(はたがみ)村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし……。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。(解説・香山二三郎)
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Posted by ブクログ
今までで読んだ中で一番好きなミステリーです。ある程度予想しながら読んでいたのですが、完全に裏切られました。ミスリードに引っかかったのがこんなに嬉しいことはありません。早く続きを読みたいと思わせられました。お気に入りの作品です。
Posted by ブクログ
あー面白かった!
伏線回収の最後の謎解きまできたきた!となってわくわくした!
父親はともかく友達が30年間口を閉ざしたのが
ほんとに愛がすごいと思った。
それだけあの学生時代救われたんだと思うと2人の友情に泣けた。
最後はぬるっとしたイヤな感じで終わるのも嫌いではない
Posted by ブクログ
最高。
久し振りに移動時間や寝る前の時間が待ち遠しくなる本に出会えた。
30年前、心優しい姉が母親の仇を取るためにお祭りのキノコ鍋に毒を盛った。
事実を知った主人公の父は自らが罪をかぶり、娘が責められぬよう、娘の失った記憶が戻ることがないよう、一生を終える。
15年前、主人公の心優しい娘のささやかな心配りが原因で、妻が事故に遭い亡くなってしまう。
主人公もまた、その事実に娘が気付くことがないよう、秘密を胸に抱えて一生を終えると決意する。
2つの事件が絡み合い、さらなる凄惨な事件を引き起こす。
冬の雷の無慈悲さが心を打つ。
Posted by ブクログ
2本の線がどこに加わったのか、手紙を注意深く読んだが、すぐには気付きませんでした…
雷と雪の字が似ていることに加え、手書き文字の妙が活かされたトリックだと感じました。
最後の1行もそうですが、最後から2行目を読んだときにハッとさせられました。
Posted by ブクログ
とにかく切なく哀しい話。
全ては誤解と嘘と優しさが招いた事件。
皆、誰かを守ろうと口を噤む。
そして最低人間の登場。
神はいないのか?!?!
夕見には幸せになってほしいと、私も心から願う。
Posted by ブクログ
ミステリに騙されたくて本屋で選んだ。設定も話の運びもわかりやすく、飽きることなく最後まで一気に読めた。最後の展開はめちゃくちゃおもしろかった。
Posted by ブクログ
3.5くらい。
面白かったというか、面白くなりそう、面白くなりそう、がちょこちょこ続いたけど期待は超えなかったなあという感じ。
雷とキノコと祭りのミステリー。
ミスリードの嵐。
に、よる違和感いろいろ。
幸人に2本線を足して南人にしたのかと思ったら
雪に2本線を足して雷。Qサマって感じのクイズ。お父さんよく咄嗟にこんなこと思いつくな。
お父さんかと思ったらお姉ちゃんキノコ投入。
お姉ちゃん記憶なくしてないふり30年間するの強すぎ。そしてまた一気に記憶蘇って人殺しまくるの波瀾万丈すぎ。
おばあちゃん「死んじまっていいって言ってた」
しんじまっていい→しんでもいい→しなくてもよい
まさかの「死んでいい」ではなく「(手をさすったりなんだりを)しなくてもよい」
アンジャッシュのコントかよ。というようなすれちがい解釈・・・。
そもそも、南人が英に対して「死んでも良い」という感情を持つのは突拍子もなさすぎるし、読者を惑わしたかったんだと思うけど、余計な、いらんおばあちゃん情報だった。
篠林がアザミのこと知ってるからな、、と言ったのはお姉ちゃんが解毒剤として入れたアザミ。夕見が落としたアザミではない。ここも結構時系列のアンジャッシュなんだけど、アンジャッシュしすぎて↓
父(南人)が現れると思ったら若い男(幸人)が現れたもんで、それに対して「子供に話したのか」って言うのはおかしい。「親父から聞いたのか」だよね、自然にするなら。
あとは各々が村に行ったり埼玉に行ったり。埼玉にいるかと思ったら村に行ったり。
お母さんが殺される流れ、キノコ混入の流れ、雷に打たれてからの話などなどなんっっかいも同じ話が出てきた。
「ここで一回整理してみよう!」みたいな時間だったのかも知れないけど、話が進まない・くどいなーと思ってた。
思ったよりたくさん人が死んだ。
Posted by ブクログ
娘(夕見)の育てて花の鉢がベランダから落下し、車に当たりそれが原因で妻(悦子)が死亡...というショッキング展開で引き込まれた。自分の娘のせいで妻が死んだなんて、夫(幸人)からしたら相当なショックだろうな。
幸人が落ち込む中、脅迫電話が来てからは一気にスリリングな展開になり目が離せない。「娘がしたことを知っている。バラされたくなきゃ金払え」と脅された時の幸人の緊迫感が伝わってくる。状況的に誰も知るのはほぼ不可能なはずなのに、強気で金を要求してくる謎の男にはヒヤヒヤ。男の正体が気になりページをめくる手も止まらない。
幸人が男から逃れるため故郷を訪れる中盤以降は、幸人、夕見、幸人の姉(アザミ)の3人が。過去の事件を追う真相を追うミステリーで楽しくなってくる。
元凶であるしんしょもち4人の描写がねっとりして、酒好き女好きかつ、金持ちらしい振る舞いの嫌らしい感じが不快。幸人の母を犯して自殺においやったんだから殺されて当然に思える。
彼らに復讐するために幸人の父が復讐した、と思っていたのだが、彼らを殺した犯人が実はアザミだったというのは予想できず驚いた。動機も充分だった幸人の父が、まさか結局決行までには至らなかったとは。代わりにしんしょもちたちを殺すアザミからは、メラメラと湧き上がる復讐への執念を感じた。
総評すると、ショッキングな事故から始まる導入と、脅迫電話で翻弄される緊迫感がある中盤くらいまでは特に楽しい。ただ村パートに入ってからのミステリーも最初は面白いけど、テンポが遅くややダれた。もうちょい捜査をスムーズにして欲しかった感ある。
Posted by ブクログ
途中から読み疲れてしまった作品
話の途中途中に説明や細かい回想が入るためだと思われる。加えて、ラストシーンに辿り着くまで解き明かされない謎が多く、その複雑さ故に疲れてしまったのかもしれない。
ただラストのどんでん返しは面白く、前半と比較しても後半はかなりのスピードで読み終えることができた。
伏線や登場人物同士が守り合おうとするすれ違いから生まれる錯覚など、驚く仕掛けが多かったのはもちろん。だが、ただ単に本作で描かれる家族が不憫で、可哀想でならなかった。
母の死→落雷の被害→犯人と疑われ村を出ていく→悦子の死/娘が要因と分かっていても言えない隠さなければならないもどかしさ→脅迫に遭う→村に帰り事件に巻き込まれる→姉の死→娘の所業が姉の一言に依るものだと知る
主人公にのしかかる悲しみ、後悔は想像以上に重いものでもし自分であれば抱えて生きることは出来ないのではと思うほど。
ラストにもあるが神様は何を見ていて何を見ていないのだろうか、いや何も見ておらず救いは無いのではと苦しくなってしまった。