あらすじ
バブル世代、就職氷河期世代、ゆとり世代、さとり世代、Z世代……。たった1つの職場で、こんなにも多様な世代が働いている。育ってきた時代や環境が違えば、考え方や価値観は当然違う。そして、すれ違う。そうした「世代間ギャップ」「コミュニケーション・ギャップ」をどう埋めるのか? 解決策の1つとして、多くの企業では「1on1ミーティング」がなされている。しかし、効果的に実施できている企業は一握りだ。そして、若者が何も言わずに辞めていく。なぜ、うまくいかないのか? 今の職場の若者はいったい何を考えているのか? 本書は、1on1を核とした世代間コミュニケーションの問題を切り口に、職場の若者を多面的に分析。その過程で、退職代行サービスを使う若手社員、ブラック企業もホワイト企業も不安という若者たち、アメリカ発の静かな退職との比較、とにかく正解を教えてもらおうとする姿勢など、今どきの「職場の若者像」に迫る。今の「職場の若者」を理解したい経営者、若手社員とのコミュニケーションに苦慮する上司・先輩、若手社員の退職を防ぎたい採用担当の人事部職員、必読の1冊。「わかり合えない職場」の処方箋だ。
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Posted by ブクログ
若者の考え方や行動の特徴を理解したとして、著者がいうのは、それらの特徴を変えようとしてはいけないということだ。たとえば、授業などの説明を受けた後、「質問はありますか?」と説明者から問われたときに、今の若者には人前で手を挙げて質問するひとは少ないけど、そういう行動には背景・理由があると、著者は書いている。
いい上司とはどんな上司かについて、若者の考えていることと、上司が考えていることにはズレがある。著者は、若者の考えている上司像についても述べている。著者の記述を読めば、若者がもっている上司像が、しっかり意味のあるものだと理解できる。
著者が最後の方に書いていることに、私はなるほどと思った。私なりの理解では、つぎのようなことだ。上司と部下に共通の仕事の目標があるはずだ。対面で部下と上司がはなす1 on 1において、上司は、心の中でその目標を見つめながら、部下に「一緒にその目標を実現するために、こんなふうにしたらどうだろう」といった話をすればいい。そういう風に私は理解した。上司と部下の対話は、座席は対面であっても、心の目線は同じ目標に向かっているのがいいと言うことだろう。
いい本でした。
Posted by ブクログ
自分が部下を持った時の参考にしたい
また、「いい子症候群」に陥っている節がいくつか見受けられるため、アンチテーゼにしたい
→人工ピラミッドの多くを占める年長世代とも協働していく事で、ビジネスの可能性が向上するため
下記、メモ
イチオシのFB方法
→フィードバックはなるべく早く
→フィードバックを返すポイントを具体的に
→褒め要素は「I」を主語とした形に
→ごく簡単な質問で終わる
→軽めのフィードバックを頻度高めで
1on1の課題
・制度面
→不明確な目的
→ミーティング時間の確保の難しさ
・実行面
→不十分な準備
→所要時間の超過
→課題解決の追求
→フィードバックの欠如
→マンネリ化
・心理的な課題
→オープンな対話の不足
→フィードバックの受け入れの難しさ(受け手の意欲)
ファストスキル : 専門家が持つスキルや知識のごく一部を、分かりやすく切り取って安易に身につけようとする行為
→これを背景に、スキルや能力向上の機会について、会社や上司が「仕組み」として用意すべきと思われている
→なるべく手軽に成長したい、周りに送れないように効率的に職業人として通用する能力を身に付けたい
いい子症候群の若者の特徴
→唯一無二の量産型という矛盾を抱えている
→キャリア意識を持っているのではなく、「キャリア意識を持つ若者でいることが正解」と教わったから、そう振る舞っている
→成長 : 周りから落ちこぼれないために必要
→素直で真面目
→一対一の受け答えはしっかりしている
→一見爽やかで若者らしさがある
→協調性がある
→人の話をよく聞く
→言われた仕事はきっちりこなす
→自分の意見は言わない、質問もしない
→絶対「先頭」には立たず誰かの後ろに続く
→授業や会議では後方で気配を消し集団と化す
→場を乱さないために演技をする
→悪い報告はギリギリまでしない
→自分で決めたくない(皆で決めたい)
→自分の能力に自信がない
Posted by ブクログ
(〇本文ピックアップ、■私の考え)
〇今の学生は、対大人向けコミュニケーションの「テンプレート」を持っている
(大人への配慮かつ自己防衛:いい子症候群の若者たち)
〇効率的に生きる上で有効なテンプレートを1つでも多く欲しがる
■うまい先輩の言い回しを真似して、無難に返すことに慣れていると感じることがある。
レポート課題でも、あらかじめ「私は〇〇と考える。理由は以下の3つである。1…、以上から、結論は…」と書いている学生がいる。
自分でテンプレートを作って、穴埋めする予定なんだろう。早く書けるだろうが、型にはまったレポートにしかならない。
いい子症候群の若者の特徴
〇下に落ちることに対する恐怖心は絶大で、平均に留まるための努力を惜しまない
■高校でも大学でも1年生の最初の試験の順位が、卒業時点の順位と相関が高いのはこのためだろう
〇会社とは「自分を成長させる存在であるべき」と考えている
■結果的にそうなればいいならわかるが、自分が会社に貢献して、会社が社会に貢献できるかが先だろう
〇仕事にも会社にも「ファスト・スキル」の獲得機会を求める
■「ファスト・スキル」はすぐに役立つがすぐに役立たなくなる。変化や応用に対応して、自分で操縦できることが重要
〇大勢の前では褒められたくない
■大勢の前で叱らないのはプライドの問題と周囲との関係からだが、横目線を強く意識するから褒める際にもそれが顕著になった
〇必要なのは、評価やマネジメントではなく、適切なフィードバックだ
〇積極志向部下の場合、上司・先輩として「できる限りの行動」を
〇表面志向部下の場合、まずはあなたの武装解除から
〇回避志向部下の場合、若者を理解し、変えようとしない
〇いい子症候群の若者にとって、後輩は怖い存在だ。優秀なら特に。
■上下関係が弱くなった分、「先輩だから」が通用しない
〇「続けたくないからといってやめたいというわけではない」という矛盾を抱えて生きているのが今の若者たちだ
■これは難易度が高い
学生相談
〇「どんな資格を取っておくといいと思いますか?」
「資格の有効性は目標による」
「では、どういった目標のときに、どういった資格が有効か、わかるような一覧表や解説書があれば教えてほしいです」
■この質問は多いが、ここまで食いついてくる学生は滅多にいない。
若い社会人
〇「できないふり」「忙しいふり」の演技バトル
〇「やらない」を選ぶ方が合理的(やった者負け、言った者負け)
〇失敗しそうな状況そのものを回避する
■これも厄介
〇でも、若者は堂々と挑戦して失敗した人を、決して残念な人とは思わない。むしろすごいと尊敬する傾向にある。僕はここに一筋の光を感じている。
■たしかに光。ならばこちらが率先して挑戦しようと思える。
〇自分に自信が持てないがゆえに、目立つことも、こぼれ落ちることもないよう、演技とコミュニケーション力を駆使して合理的に自己を守ろうとする
■こういう学生が多いように感じる
〇上司や先輩が何より優先して鍛えるべきスキル、それがフィードバックだ
〇フィードバックの理想形はゲームにある
〇筆者一押しのフィードバック例
フィードバックはなるべく早く
フィードバックを返すポイントは具体的に
褒め要素は「私」を主語とした形に
ごく簡単な質問で終わる
軽めのフィードバックを頻度高めで
■「最近の学生は立派だよね、すごいよね」とほめちぎる社会人が多いが、ソフト老害になっている。
(Note記事「若手社会人から学生への新型ソフト老害」参照)
最近特に意識して行動している
〇上司・先輩世代へ向けた5個の提案
傾聴のススメと3つのポイント(興味を持つ、共感する、素でいる)
時には熱い想いや努力の必要性を語ってみよう
これまでの非合理を見直す姿勢と勇気を
「泥臭く前に進む姿」を見せよう
「ちゃんとした上司」をやめよう
■これも賛成
Posted by ブクログ
大学で働く著者が学生との対話の中で見えてきた最近の若者の考え方をまとめた本。
変化の激しい時代、転職先でも通用できるスキルを時間をかけずに手に入れたい若者。対して、受け入れる会社は叱ると貴重な新人が逃げていく。ので厳しいことは言わずおっかなびっくり接する。・・・なんだろ言語化できない。
ブショ移動に対して、なぜそのブショに配属されるのか、どんな背景があるのか示されない。先が見えないことに不信感で新人はやめていく。
最終章ではどのように対応していくのか記されている。
ライフワークバランス思考が取り入れられて、働きたい人が働けない現状がある。日本の未来が暗いというメッセージがあふれる中で、できるときに稼いでいこうと考えるのは普通の反応だと思う。将来が不安だから、今をだらだら過ごせない。
年上より「私の時は~だったから、君たちも~したほうがいいよ(しないほうがいいよ)」と言われても、へーで終わる。
「今振り返って後悔したから、これから〇〇していこうと思う」おぅこの年でも頑張るんだ!先輩すげー見習いたいとなる。
自分の意見を言わず、頑張る姿を見せる。泥臭い先輩は格好いい。
就職氷河期世代は板挟み。頑張っても給料や役職は上がらない。最低限やって、給料だけもらう。無理に頑張らなくてもいい。との思考も共感。
個人的に弱みを見せられる現役世代の上の人は魅力的だと思う。
今の60より上の人にはなじめない考えだろうが。具体的にどうしたらいいか示してくれる人は本当にありがたい。
なんか若者大変だな~と。お金主義の考えがもっと和らげないかなぁ。
日本の将来は暗いらしいけど、自分自身の幸せを求めるなら、そんなにお金はいらないと思うけどなぁ。
Posted by ブクログ
若手社員との接し方をリアルに解説した書籍
大学教授という身近で若者と接している環境から、リアルな話が展開されている
現代の若者は、我々の若い頃の何倍も上手く良い若者の仮面をかぶっている
だから上辺の声だけ聞いてもコミュニケーションは取れない
また、やる気や積極性を強いることは出来ない
聞くと当たり前のことだが、改めて自覚した
若手に心を開かせるには、自分の弱みを見せることというのもありきたりだが、やはり実際に当たっているのだろう
自分の部下との接し方を改めて見直してみたいと思った
でも、やっぱり若者とのコミニュケーションは難しい…