あらすじ
あいつが殺したのだろうか――。
愛した人は、殺人者かもしれない――。
かつてフィギュアスケーターとして活躍し、引退後はデザインの仕事をする塩澤。
彼と好敵手として競り合い、今もトップスケーターの地位にある志藤。
互いに、自分の持たないものを持つ相手として意識し続ける二人だが、塩澤にはライバル心だけではない、ひた隠しにするもうひとつの思いを抱き続けていた。
ある日、塩澤の昔の恋人であり、志藤とは犬猿の仲であったコーチのミラーが転落死したとのニュースが入る。孤高のスケーターで敵も多かったミラーの死は、周囲に動揺をもたらす。あいつ、殺されたんじゃないか? 火のない所に煙は――とばかりに広がる不穏な噂に搦めとられるように、塩澤と志藤は互いにこれまでとは違う視線を向けるようになる。
告げるだけで重荷になると秘めた恋心、自分のために罪を犯したのではという疑心。二つの感情の狭間で、互いを守るための選択とは――。
『花束は毒』の著者が放つ、もうひとつの究極の選択!
恋心か、疑心か。あなたは正しい選択ができますか?
感情タグBEST3
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読みやすく、登場人物に感情移入しやすくてよかった!
あんまり恋愛もの読まないけど、途中から主人公の片思いを全力してた。
好きにも色んな形があっていいよねぇ…
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ザワザワした!
『花束と毒』がものすごく良くて、次に読んだ『悲鳴だけが聞こえない』で…ちょっと違う…って思ったけど、今回の作品で「そうそう、これこれ!」なった。非常に満足!
Posted by ブクログ
ミステリー要素もありますが私は純粋な恋愛小説として好きだなあ、と思います。
本より漫画の方が読みやすいと感じている方にもおすすめしたい一冊です。
本屋で背表紙のタイトルに一目惚れしてあらすじも知らずに読み始めたのですが、ドキドキしながらあっという間に最後まで読み終えてしまいました。
読みやすい文体で物語に集中しやすかったです。
作家さんの他の作品も読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
男子フィギュアスケートもの。織守きょうや、こんなのも書くの⁉︎ 大好き!ミステリは風味くらいなんだけれど、ミステリでもあんなに良いキャラ描写の織守きょうやに書かせるのはズルい。志藤も塩澤も良いキャラすぎる。続編も読みたい。
Posted by ブクログ
割と始めにある塩澤の“今も好きだ。一生伝えるつもりはない。”の潔さと覚悟が本編を通してずっと印象に残っている。
恋愛感情以前にスケーターとして惚れている、才能のあるもの同士お互いが特別な存在であり相手に向ける感情の大きいこと大きいこと……
ミラーの体が宙に浮いたとき氷上でのジャンプの感覚を思い出す描写が素敵だった。穏やかに不穏な雰囲気はずっとあったけれど事件の結末までも愛情のようなものが感じられた。キスに煙…一体どのような運びでこのタイトルをつけたのか気になる、煙…煙かぁ………わからん。
織守さんの書く文章はなんか洒落ていて綺麗で読みやすい←こんなことド素人に言われたくないと思うけど 思わぬところから自分の癖に刺さる本に出会えて良かった
Posted by ブクログ
志藤の家で塩澤が見つけたメダルはミラーの遺品整理の時の捨てられない物だろうと気付いたけど、塩澤はそんな事知らないから焦った。
offstageがいい感じに焦らせてくる。
塩澤の恋はとても素敵。
好みじゃないけど才能に惚れた。凄くいい。
こんな人に恋された志藤が羨ましくなる。
志藤は志藤で人柄や塩澤に対する誠実さが凄くいい。
この二人だから余計に良いんでしょうね。
ミラーが亡くなったのは残念だけど良い生き様だったなと思う。
一人の元スケーターの死をめぐって、疑心暗鬼になった二人が互いを守るために行動する姿が面白かったです。事件にまつわる回想と現在とが交互に描かれ、あのとき何があったのか、犯人は誰なのかと考えながら読めるミステリー風の恋愛小説でした。才能への憧れや自分の限界に苦しむライバル関係が大好物なので楽しんで読めました。
表紙や設定から耽美な作品なのかと先入観を持って読み始めましたが、語り手は思いのほかよく語り、読後爽やかな気持ちになれるので軽い読み物をお探しの方におすすめです。
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読みやすかった。
スケートの世界で高めあう二人。男の友情かと思っていたが、片方の想いは秘められたまま。
友情も、嫉妬も、演技も真っ直ぐな志藤、
個性的で、愛情を秘める器用な塩沢。
二人とも素敵だった。
Posted by ブクログ
あるフィギュアスケーターの死、自殺か、殺人か。
ミステリでないと怒り狂う読者もいるだろうし、かと言って一般文芸とも何か違う、という印象が強い。ただ、人の心は何びとたりとも見る事のできない絶対的な密室なのだ、という事は一つだけはっきりしている。そういう意味では本作も立派なミステリと言える、のかもしれない。ひと癖あるが面白い小説だった。
Posted by ブクログ
限りなく3に近いけどBLとしてはまあ、楽しめたので4になる。
読む前は同性愛描写がありつつ、一人の人間の死について疑心暗鬼するのかと思ったら、期待とは違ったもので、ちょっと拍子抜け。思ったよりBL強めで疑心暗鬼弱め。ミステリーじゃないなあこれは、と思った。
BLについては、これは普段読んでるBL小説よりも甘めなところが無い分、恋愛に溺れて相手の罪を被ろうとしたりキスに動揺したりでBLだった。ありがとう。
一般文芸としての恋愛描写として良い塩梅。
ミステリーは、塩澤と志藤で互いの描写があるので、どちらも殺しに関わってないとわかる。犯人候補としては、喜田か?元妻?それとも志藤?でも描写少ないしなあと、やっぱり事故もしくは自殺だなと自分の中では結論付いていた。で、結局事故。ロケットの描写があれば良かったのに、アクセサリーとぼかされていたのが残念。ミステリーとしてはそんなに楽しめなかった。
タイトルのキスに煙で、キスはわかるが煙の意味はなんだったんだろう。相手への好意として?煙を吹き掛けるのは好きという意味があるらしいが、作品からは読み取れなかった。氷上の氷の舞をダスト=煙という意味?
煙にまかれるで、相手の気持ちがわからないとか?
表紙は顔が見えない、表情が見えない、恋愛としてもだもだというのはわかる。
塩澤が志藤相手にもだもだしてるけど、志藤のほうは結構フラットに塩澤を受け止めているので、志藤が塩澤のことを可愛いとか愛おしいとか思う描写がもっとあったらなと、BL小説としての文脈として思った。一般文芸としても、まあもうちょっと矢印あっても良いんじゃないか?とは思った。
Posted by ブクログ
これはミステリになるのか?ならないのか???
その点は悩ましいが、話自体は面白かったし、読みやすかった。
途中までミステリのつもりで読んでいたから、こちらが推理する情報量少ない…と思っていたけど、こういう着地点なら納得だ。
結局、バーでキスしてきた女はなんだったんだ…という疑問だけは残ったので、星一つ減に。
Posted by ブクログ
これ普通に、BLとか読める人だったら好きだと思う。
ミステリと思って読んじゃうと案外あっさりしてるし全然推理とかのシーンは無いから、落胆しちゃうかもしれないけどストーリーはすごい私は好きだった。
普通に顔みてないけど2人がイケメンなのも伝わるし、お互いの思いやりが凄くてこういう人が1人だけでいいから周りにいたらすごいいいなぁって感じた。
Posted by ブクログ
元フィギュアスケーター、現デザイナーの塩澤とトップスケーターの志藤の話。
この2人の関係がめっっっちゃくちゃ好きなんやけど、間に挟まる転落死と不穏な描写のせいで気持ちがあっちこっちしてる。志藤が好きで隠して友人付き合いをしている塩崎と、そんな塩崎を友愛として好きで彼がスケートを辞めてからも交流を絶たない志藤。この2人の関係が気になりつつやはり過ぎる転落死。志藤のまっすぐさに絆され、塩崎の内心のパニックや潔さに笑えて、この2人の選ぶ未来が明るいものであってほしい。
そして不穏な顛末に待って落ち着けいやちゃうやん、ってそれまでニマニマしてたのにめちゃくちゃ焦る落ち着け。そして間の不穏さが飲み込め一息つく。塩崎の冷静クールに見えて焦るととんでも思考に陥り周りを焦らす感じ嫌いじゃないよ。
2人に幸あれ。
Posted by ブクログ
「花束に毒」との
タイトルや装丁の類似から
シリーズを思わせる内容なのかと思いきや
社会人男子の胸キュン片想い
普通に途中までその方向で
楽しんでしまった
むしろ恋が成就するのか気になって
いい意味で思ってたんとめっちゃ違う
Posted by ブクログ
ミステリーファンの方には物足りないかと思いますが、成就するはずのない秘めた恋を遂に伝えてしまう、そこに至るまでの心情が切ない
ラブミステリー♡
フィギュアスケーターとしてライバルとして多くの時間を過ごした二人 シオとシドー
引退後デザインの仕事につくシオ
トップスケーターの地位を守り続けるシドー
立場は変わっても適度な付き合いを続ける二人
恋愛としてシドーを好きなシオ
スケーターとして友人としてシオが好きなシドー
二人の関係の落とし所を探す会話が尊い
これがシマシマ本でないのです
ラストまで読んで、off stageと題されたミステリー感を高めようとしている章を読み直してみたんですけど これは無理してミステリーにしなくてよかったのではと思う
罪を被ろうとしたシオの揺らぎすぎな気もするけど 健気で可愛いから それもまた良しかなと思い直したり
どちらにしても 個人的嗜好にはぴったりだったので
好きすぎて諦めてます系では
緒川千世さんの「終わらない不幸についての話」
が 同系統かな
男子二人のソシアルダンスは
井上佐藤さんの「10ダンス」
を彷彿します
Posted by ブクログ
BLは苦手なんですが、とても純愛でした。
フィギアスケートに対する思いと、塩澤と志藤のライバル同士の信頼が熱かったです。
緻密に絡んだ人間模様もハラハラしましたが、ラストの章が何とも言えない切なかったです。
Posted by ブクログ
おすすめ度 ★★★☆☆
どんでん返し度 ★☆☆☆☆
特にどんでん返しの展開はなく
同性愛者の話で、殺人もおきなくて
ただただ幸せにも不幸にもならない、、っていう展開。 不幸にはなったか、ただ
ひねりはなかった
読みやすかったけど
Posted by ブクログ
フィギュア・スケートの世界で競った塩澤と志藤。だが、塩澤はライバル心の裏に別の想いを秘めていた。2人ともに屈託を抱いていたコーチのミラーの転落死から、互いへの想いに悪い噂と猜疑心がたちこめ始める。
言わなければ伝わらない、けれども伝える必要もない。
種類は違うが、そんな想いを胸に抱える塩澤・志藤・ミラーだからこそ、それぞれに拗れてしまったのだろう。
2人を悩ませたミラーの転落死の理由も、最後に分かってちょっとしんみり。
Posted by ブクログ
以前読んだ「花束は毒」でも思いましたが、本作「キスに煙」もタイトル、表紙に惹きつけるものがあります。
フィギアスケートに携わる二人の物語。
二人それぞれの目線で語られるからこそ、二人の内側を知る読者は辛く、切ない、気持ちになります。
しかし、終盤の一般論と正論の掛け合いは二人の今までの経緯を知っている読者として、クスッと笑ってしまいました。
「やはり願いごとは口に出したほうがいい。そうすればかなうとは限らないが、少なくとも、一人で抱えているだけより、確率は高くなる」
響きました。
何も口にせず、そして動かなければ、願いは叶わない。勇気を出して、一歩踏み出す。
Posted by ブクログ
同じ作家さんの作品で表紙カバーイラストのテイストが似ている感じの『花束は毒』と同じ感じのストーリーかと思って読み始めたら全然違ってました。でもこの作品は独自にベースとなっている世界観とその人物や心情を含めたキャラクター描写が絶妙で読んでいて引き込まれる魅力的な作品だと感じました。(^_^)
Posted by ブクログ
ミステリーという煽りで読んだけど、ミステリーではない。サスペンスとか恋愛ともちょっとテンションが違って、硬派なBLですって言われると納得する。
Posted by ブクログ
自分の気持ちを伝えるって勇気がいるだろうな、この状況なら。あたしなら、言わずに友人を続けていく道を選ぶ。その方が長い付き合いになれそうだもん。
Posted by ブクログ
※
恋情と友情は全く質の違う相手への気持ちだと
思っていたけれど、相手を“好き”だという
感情に違いはない、というシンプルなことに
気付かされ、それを体現してる登場人物の
濁りのない純粋な好意に胸を打たれた。
想像と違い、さっぱりした読後感でした。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃBLだったけど大丈夫!?レーベル間違えてない!?という感想しか浮かばない。"同性愛"じゃなくて"BL"だった…。
私は平気、というか昔すごくハマっていた時期があったので久しぶりに直球のものを読んで照れちゃったくらいだけど、これフィルタリングしたほうがいいやつじゃん…?と思った。なおミステリー要素は5%くらいしかない。
Posted by ブクログ
『花束は毒』が面白すぎて
楽しみすぎる次作品だったけど
あまりミステリーに重きを置いてなくちょっと残念
バイセクシャルの生きづらさというか
そういうものは伝わってはきたけど
塩澤はちょっといろいろ考えすぎる人
ストーリーより
塩澤や志籐の気持ちや思いを綴る文面が多い感じ
そこより
ストーリーが二転、三転してくれる方が私は好き
でも好きな俳優さんで(塩澤→菅田将暉、志籐→北村匠海)読んだから
2人のやりとりはちょっとニヤニヤ止まらなかったけど!
Posted by ブクログ
「花束は毒」の衝撃ふたたび の帯に期待して読み始めたので、読み終わったあとちょっとがっかり。
塩澤の感情がうまく書かれていて、全体的にはよかったんだけど、帯の煽り方を残念に思った人は多いのでは?
著者が気の毒になった…
Posted by ブクログ
二人の関係をいつまでも見守っていたい… 美しく激しい恋と事件の行き先に、花は咲くのか #キスに煙
■あらすじ
以前フィギアスケートで活躍していた主人公である塩澤、今は引退してデザインの職に就いていた。現役当時からのライバルであり親友である志藤は、いまだ世界の第一線で活躍している。二人とも女性から人気であったが、塩澤は志藤に密かに恋心をいだいていたのだ。
ある日、二人の現役時代のライバルであった外国人選手、ミラーが転落死してしまったと連絡を受ける。かつて因縁のあったミラーと二人は、事件との関係性を疑うようになり…
■きっと読みたくなるレビュー
中学生の純情な恋愛と、歌舞伎町の憎悪乱れる打算愛のカクテル。美しく激しい恋と事件の行き先に、可憐な花は咲き乱れるのか…なーんて感じの、BLとミステリー融合させた芸術性の高い作品。
BLの魅力が分かる良作で、トキメキが理解できましたね。主人公塩澤の諦めと覚悟が手に取るようにわかる。自分の中で勝手に結論つけて、無理やり前向き歩いていく潔い志が素敵!自分もかつて実らなかった恋を思い出しちゃいましたね~
志藤も心意気と行動がカッコイイのよ、これは確かに惚れかねん。性別とか関係なく、結局は人間と人間なのかもしれません。
本作一番の読みどころは、終盤の二人の対話。想像していた以上にしっかりとしたBLで、ちょっとドキドキしちゃいました。どうせならもっと直接的なシーンや表現があったらどうだったでしょうか。純愛の心情描写だけでなく、そこをフォーカスするにも私は全然アリだと思いました。
謎解きについては、ちと予定調和なところを感じてしまいましたね~ 結論こうしたかったです、というのが透けて見えてしまったような感触。一般的な男女の恋愛でなく、BLの萌え要素とミステリーを掛け合わせるのは魅力的なアイデアだし、読者層も増やせると思うので、ぜひ深堀って次回作に期待したいです!
チャレンジングでキュンとくるミステリー、ありがとうございました。
■ぜっさん推しポイント
本作で一番感じたのは、人間の「弱さ」。私も含め何処にでもいる一般人も、世界一を競うアスリートであっても、自ら勝手に理想と現実を比較する。突き詰めれば突き詰めるほど、その落差は大きく感じ、諦めることができない人間は、最後には自暴自棄になってしまう。
そんな人生を幸せに導くのは、素直さとそれを受け入れてくれるパートナーなのでしょう。