あらすじ
不均衡な社会に生きるすべての女性の人生に寄り添い、自身の贖罪とともにエールを送る、上野千鶴子渾身の一冊。“わたしはこれまで何度も「どうせ世の中は変わらない」という諦めの声を聞いてきました。でも、そうでしょうか。(中略)あなたには、ほんの少しでも社会を変える力があります。いまよりちょっとでもマシな社会を、あとから来る人たちに手渡すために。”――序章より
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Posted by ブクログ
社会学者の上野千鶴子さんの本。男女の働き方、非正規職などについて、歴史的背景を踏まえてわかりやすく書かれている。「こんな世の中」といわなくてもよい世の中を、次の世代に渡すためには、政治に関心をもち、声を上げていくことが大事だと思った。
・なぜこれほど非正規職が増えたのか。企業が人件費を抑えるために低賃金で働く非正規雇用者を増やし、その人たちを企業の都合で使い捨てることに政権が同意したから。この状況は、政治家による人災というべきもの。
・男性の働き方のルールはそのままに、女性が同じ土俵に上がって競争させられることになった。これは、男並みのルールのもとで競争する「機会の平等」であって「結果の平等」ではない。男たちが作った土俵では、深夜残業や休日のゴルフ、転勤は当然。男たちが免れている家事や育児など家庭責任を担っている女性は、その土俵にのぼることが難しい。そして、女性が男並みに働けないと、「自己責任だ」といわれる。「機会の平等」とはこういうもの。