あらすじ
拗らせぼっちの大学生・寺田悠には忘れられない過去がある。孤独を抱えた冬の夜の帰り道、公園で寒さに震えるあざと可愛い人気者の後輩・藤宮光莉から助けを求められ、家に泊めることに。その日から頻繁に家へやって来る光莉と重ねていく、温かな日常。その不思議な関係は、穏やかに続いていく――はずだった。
「好きです、悠さん」二人の視線が絡み、距離がゼロへと近付く。頭のなかで誰かが言う。《普通》ならここでキスをするのだと。それができない恋は《偽物》だと。それでも――「ごめん、藤宮。俺はきっと《普通》の恋ができないんだ」
オーバーラップ文庫大賞史上、最も不器用でもどかしい恋物語、ここに開幕。
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Posted by ブクログ
いやあ、すごいわ。
なんと言うか今年読んだ中で最大のすごい作品に出会ってしまった。ほんとよかった。
大学生の男女の恋物語なのだけど、互いに過去を拗らせていて、いろんな問題も抱えていて、それでもどうしようもなく親しくなっていく過程の楽しさと、やっぱり来た破局の危機と、そしてその挙げ句に辿り着いた結論の温かさ。
あと特筆すべきはその会話文の楽しさ。
超絶面白くて読んでて知らず笑いが漏れてしまうと言う最近では珍しい経験をしてしまった。それだけでもすごい。
しかもこれが作者のデビュー作らしい。まじか!凄すぎるんだけど。
いやあ次の巻を早く読みたくなった。