【感想・ネタバレ】テラ・アルタの憎悪のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2024年の3冊目は、スペイン産ミステリーです。
スペインのミステリーを読むのは、もしかしたら初めてだったかもしれません。かなり良いです。
主人公は、「レ・ミゼラブル」によって、人生が変わった男メルチョール。獄中で「レ・ミゼラブル」を読んだ事で、ジャベールに心酔し、母親を殺した犯人を捕まえる為に警察官になります。4人のテロリストを射殺した事で一躍、ヒーローとなりますが、テロリストからの報復を恐れた警察上層部が、カタルーニャのテラ・アルタへの移動を決めます。メルチョールは、テラ・アルタで最愛の人にめぐり逢い、娘も生まれます。
そのテラ・アルタで、美術印刷会社の社長夫妻が、拷問され殺されているのが発見されます。この事件の犯人は、想定の範囲内ですが、真相部分にスペインの歴史の暗部を加えている点が、重厚感を加えています。
そして何よりも、メルチョールと「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンの人生が重なっている所が、素晴らしいと思います。メルチョールが、ジャベール的生き方から、ジャン・バルジャン的な生き方に変わるラストが、心に染みわたります。
☆4.7

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2024年02月11日

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