あらすじ
未来屋小説大賞受賞!
芳樹は憧れのかつての家庭教師・真壁が結婚を前に脅迫されていると知り探偵に調査を依頼するが――。完全に騙される傑作ミステリー。
憧れの家庭教師だった真壁が結婚を前に脅されていることを知り、僕は尻込みする彼にかわり探偵事務所に調査を依頼。そこに現れたのは中学時代にいじめに遭っていた従兄をえげつない方法で救ってくれた先輩の理花だった。調査を進めるにつれ、見えてきた真実。背筋も凍るラスト。気鋭のミステリ作家による、衝撃の傑作長編!
※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
面白かった。
この作者は『キスに煙』を読んだことがある。キスのほうは同性愛を扱っていてそこはまあまあ面白かったけど、ミステリー部分に魅力をあんまり感じなかった。
今回の花束のほうは調査が丁寧でそこは面白かった。
冤罪だと言うけど、どうせ有罪なんだろうの気持ち半分で読んでたらまさかの女性が犯人。面白い。
真壁が有罪だったら、言動に不審さは無い。かといって冤罪だったとしたら、展開としてそれより面白いのはなんだろう?と考えながら読んでいた。
かなみさんの存在が空白のように描写されなかったので気になっていたけれど。
最後も真実を伝えるか伝えないか揺れるところで終わるのも良い。
どうなんだろうな。
執着は本物でも愛情はどうなんだろう。冷めた時が怖い。
真壁が自分を裏切ったとわかればまた似た感じで陥れそう。
『白夜行』を思い出す。あれは処世術で仕方なくだが、こっちは目的のための利己さが目立つ。
フィクション的にはこのヤンデレメンヘラな感じは好き。
相手を不幸にしてまで手に入れたいのは愛ではないが。
Posted by ブクログ
なんて悪い読後感。なのに大満足。
ラスト80ページは一気読み。
最初からこの本は好きになる予感があったが、こんな感情で終わるとは…
続編もちろん。
Posted by ブクログ
女性作家ならではの女の怖さを描いている。
執着が行き過ぎるとああなるのは分かる。
やらないけどね(笑)
途中の調査過程は少し中だるみ。
DNA辺りからスピード感増して二転三転して面白い。
Netflixドラマの「You - 君がすべて」を思い出した。
Posted by ブクログ
どんでん返しというか、立場が逆なんだろうな、ミスリードを誘う書き方だな、と途中で気づいてしまった
ただ、その事実が作中で判明した後の主人公サイドの、過剰かもと思うくらいしつこい心情描写が良かった
判明してからラストまでのスピード感も勢いがあっていいがやや雑さも感じる。ラストの切り方についても、どちらともとれる終わり方は好きだけど、ちょっと投げっぱなしすぎる気もする
好きだけど惜しいな~と言った感じ
Posted by ブクログ
冤罪をテーマにした探偵捜査小説。中盤は捜査プロセスが冗長的で内容も起伏に乏しく、あくびを噛み殺しながら読んでいると、ひさびさに背筋が凍るような読書体験をしました。それも衝撃は2度やってくるのです。これは油断していて良かった。
周りが敵になっても、たった1人信頼し続けてくれる人がいるだけでどれだけ心が救われるのか。というようなことを想像してしまいました。
【以下ネタバレ】
よくよく考えるとタイトルがあまりにも攻めすぎているため、鋭い方は早々に気付くかもしれません。それでも脅迫手紙の中の1通の内容が実に巧みに真相を覆い隠しています。怪しい人物は指摘できるかもしれませんが、その人物の執念と手紙の真の目的にまで気づけた方はレアだと思われます。私は木瀬と心情が連動しており、衝撃の連続でした(笑)
Posted by ブクログ
終盤は寒気がするような展開だったけど、面白かった…!
執念の力ってすごい。
この後、真実を本人に伝えたのかどうなのか気になって仕方がない。
主人公は2人が結ばれたことによって、これ以上の被害が出ることは無い的な事を言ってたけど、私はそうは思わなかった。
そもそもそれだけ魅力的な人なんだから、結婚したとて他の女性にもモテちゃうだろうし、それで心変わりすることだってあるかもしれないし、そうなったらいよいよ相手の事殺しちゃいそうだな…と。
私だとしたら真実を伝えるの一択だな。
絶対にバレない嘘なんてどこにもない。
Posted by ブクログ
結末は、なんとなく怪しいな…と思っていた通りだったんだけど。いやいや、それよりも判明した犯人の狂気が半端ない(笑)
もしこのまま黙ってても…本当に幸せになれるのか?この先2人に子どもが産まれて、それが娘だったら…パパを取られた腹いせになにするかわからんぞ? もし息子だったら、息子の彼女殺しかねないぞ?
なーんて、話の先を想像してしまいました。
Posted by ブクログ
中盤は長々と探偵の調査が続くだけで、多少中だるみ感があった。
が、終盤の恐ろしさはすごい。
なんとなくかなみ怪しいかなぁ〜くらいには思いながら読んでいたが、ここまで恐ろしい女だとは。
一目惚れして目をつけていた男性に好かれるために、強姦魔に仕立て上げて周りの人々が去るように仕向けるとかどうやったら思いつくの…!!笑
真壁さん不憫すぎる。
最後は考えさせられた。木瀬は北見探偵から全ての真実を告げられ、あともう少しで真壁&かなみの結婚披露パーティーと入籍が行われるというときに、真壁に真実を告げるか黙っとくかの2択を迫られる…。
この2択地獄すぎる笑
私なら言わないで墓場まで持っていく…
知らぬが仏。真壁、絶対不倫するなよ…笑
最後ブーケ持って近づいてくるの怖すぎ…
面白い!けど私的には予想通りっちゃ予想通りだったので、もうすこし捻りがほしい気持ちも…。あとかなみ側のストーリーももっと読んでみたい。
Posted by ブクログ
読みやすかったと思う。
帯やあらすじから、何かストレートな展開ではないんだろうなとは予想できたけど、ミスリードのようなものはあまりなく調査報告が長く感じてしまった。被疑者の真壁も、語られる人物像とかけ離れているのか?と想像したくなるのはDNAが見つかった所 ぐらいかな。
最後の方で真実が明らかになるけれど、人から語られるかなみの異常性と裏腹に、それ以外にかなみの描写がほとんどないので、そんなにゾクゾクする感じは私は感じなかったかもしれない。
Posted by ブクログ
何年もの時間をかけ、手段を選ばず、愛する相手の世間からの評判が地に落ちようとも、自分のものになるならそれで良いという思考の犯人。そんな人間がいるかもしれない、いるのだろうと思うと恐ろしい。
ラストは読者に考えさせる、その先の想像を楽しめる終わり方だったが、個人的にはどうなるのかはっきりするエンドの方が好きなんだと認識させられた。
Posted by ブクログ
半分も読まないうちにオチがわかってしまったから、やっぱりねぇと驚きはなかった。
さすがにホテルでコンドーム盗んでまでとは思わなかったけど笑
真壁の弁護人の事務所が人材募集してたり、過去の事件の資料を見ることができたりと…都合よすぎじゃないか?笑