【感想・ネタバレ】技術革新と不平等の1000年史 下のレビュー

あらすじ

過去1000年間、技術革新は労働者にほとんど恩恵をもたらさず、ごく一部の資本家や権力者だけを豊かにする傾向にあった。そして現在、AI技術の急速な進展があらゆる職域に自動化の波をもたらし、雇用の崩壊が叫ばれている。歴史の悲劇が、ここでも繰り返されるのだろうか? だが、常にそうだったわけではない。第二次世界大戦後の数十年間、アメリカをはじめとする工業国は目覚ましい経済成長を遂げ、教育と医療の普及、平均寿命の延伸、労働環境の改善などの厚生は多くの人々に共有されていた。両者を分ける条件とはなにか。テクノロジーの進む方向性を転換させ、社会全体の広範な繁栄を実現するための方策とは。当代随一の経済学者アセモグルがMITでの共同研究の成果を注ぎ込んだ決定的著作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説より
自由な市場経済、リベラルな政治は実現と維持は困難。アラブの春、ポピュリズムの台頭、排外主義の台頭。
経済成長とは、量的拡大だけでなく、質的拡大が必要。新しいもの、新しい生産方式など。
テクノロジーの生まれる環境は、制度やビジョンによって形作られる。
技術革新が包括的か搾取的か、多面的に見る必要がある。
高度成長は、見えざる手に導かれたのではなく、労働運動の結果、社会保障制度の充実と福祉国家体制の確率がなければ生まれなかった。
分配の不平等が解決しなければ、経済の発展はない。
データ所有権のアイデアで格差の解消ができるかもしれない。

0
2025年05月09日

「ノンフィクション」ランキング