【感想・ネタバレ】長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像のレビュー

あらすじ

電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。
一五七五年、織田信長・徳川家康の連合軍と、武田勝頼率いる軍勢が激突した長篠合戦。足軽鉄砲隊の一斉射撃という信長の新戦法により、武田の誇る騎馬隊が潰滅した、画期的な戦いとして知られる。小説や映像で繰り返し描かれるこの鮮烈なイメージは、どのように形作られてきたのか。伝来する合戦図屏風ほか、様々な関連史料を検証し、虚飾に彩られた決戦の実像に迫る。最新研究をふまえて提示する、長篠合戦論の総決算。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1章  織田信長の革新的戦術~これまでの長篠合戦
第2章  両軍激突~大将たちの長篠合戦
第3章  鉄砲戦の幻影~つくられる長篠合戦
第4章  彩られるいくさの記憶~ひろまる長篠合戦
終章   刷新された長篠合戦像

<内容>
東大史料編纂所で長篠合戦期の史料を専門にまとめている著者の。長篠合戦の詳細な分析。近年言われているように、長篠合戦での鉄砲の三段撃ちはなかった、とされる。この本はさらに深めて、信長は周到な準備をしてこの闘いに挑んだわけではない。家康たちも信長との同盟が危うくなっていた状況下で、武田軍がただただ決戦をしたわけでもないことを、周到に説明している。また現在の「長篠合戦」のイメージ(信長の鉄砲による革新的戦術と旧態依然した武田軍)とは違うことも証明している。またそういうイメージはどのように我々に植え付けられたかも、「長篠合戦図屏風」などを用いて説明してくれる。やや専門性の高い本だが、読みにくいわけではない。

0
2024年03月23日

「学術・語学」ランキング