あらすじ
失踪した父の車が、長野県大町市で見つかった。その発見現場で息子の一成は深雪という地元女性と出会う。ある理由で一緒に父親の足取りを追う2人だったが、何者かにより妨害される。父にはこの地に秘密があったのだ。手がかりは「タケル」という名前と「カクネ里」という地名のみ。果たして、父は何者だったのか? 早世後刊行された、大ヒットデビュー作『ファントム・ピークス』の著者が遺した、珠玉のサスペンス・ミステリ。
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Posted by ブクログ
失踪した父親を探す話です。
少しづつ、少しづつ情報があつまり、整理していくと
山が関係している、山に呼ばれている気がする・・・
真相に迫るにあたり、祖父の話も絡み合い
謎に謎が重なっている感じでした。
最終的に真実は山にあったんですね。
あと、大事なものは身近に隠されているものですね。
Posted by ブクログ
一気読みしました~。
「ファントム・ピークス」を読んだときも思いましたが、
この方の話は「得体の知れないものへの恐怖感」というのが
すごい気がします。
「その正体がわからない限り、眠れねーぜ!」とばかりに
読んでしまいました。
私も一成と同じく、「父さんはなんでこんなところに来たんだろう?」
と思っていたので、オババが語り始めたあたりから「おおっ!」
と心の中で身を乗り出しましたよ。
オニマサが山の中で生活をしていた、というくだりを読み、
最近読んだ「羆嵐」に出てきた、熊撃ちの人(酒飲みで荒くれ者の)
を思い出してまた寒気がしたり。
最後の展開がちょっと「こいつが語っちゃうの!?」という感じで
「ええ~…」でしたが、それまではドキドキでした。
なんとなく、一成のお父さんはカクネ里で「やあ」みたいに
元気でいてくれることを期待してしまってました…。
Posted by ブクログ
北林一光の遺作にあたる、ネイチャー系ファンタジー。
前作の「ファントム・ピークス」にかなりの刺激を受け、期待大のまま一気に読む。
・・・いやぁ、これも凄いわ、マジで♪
長野県の山岳地帯を舞台に失踪した父親を捜索する息子、が軸。
ここに霊験灼かな老婆、不自然なくらい快活(^^;)なヒロイン、山の申し子のような男が
絡み、複雑怪奇な事件となっていく。
とにかく自然の描写があまりに上手い。
淡々とした文章なのだけど、行間から滲み出てくる大自然の厳しさ。
このテイストの作品なら、もうホントにいくらでも読めるのだが・・・。
返す返すも残念なのは、作者の北林一光氏が既に故人であること。
読める作品が2つしか無い、というのは非常に残念だなぁ・・・。
※ファントム・ピークスのレビューは某所で読んでください!
Posted by ブクログ
前半はとても良かったのだが、だんだんとオカルトチックになってきて、あまり物語りにのめりこむことができなかった。
さらに、登場人物の話し方が口語的ではなく、今時使わない言葉もちらほら出てくるので、少し読みにくかった。