あらすじ
「牛乳パック入りの水ようかん」など変な商品が並ぶ業務スーパー。
でも、「変」の背景には、強烈に合理的な理由がある。
「頭を下げなくても稼げるドル箱」を作った男が、その仕掛けを明かします。
店舗2軒から1兆円企業になった「業務スーパー」運営会社
創業者が語る「ドル箱」の作り方
牛乳パックに水ようかん、豆腐パックに冷凍チーズケーキ……業務スーパーといえば、変わり種の商品がとにかく多い。
店内に目を向けても、中央に並ぶ冷凍庫や段ボールで山積みになった商品など、とにかく「変」なところが目立つスーパーだ。
けれども、「変」の一つひとつには、それぞれ「合理的な」理由がある。
業務スーパーの1号店開業から23年余り。運営元である神戸物産は今や売上高4000億円超の大手企業だ。
同社は20年あまりで時価総額1兆円企業に成長した。その礎を築き上げた創業者の沼田昭二氏はかつて、1981年に創業した食品スーパーを兵庫県内に2店舗、中国・大連の食品工場、そして貿易事業を営む年商30億円弱の地方の中小企業経営者だった。
バブル崩壊による不況のあおりを受け、会社は赤字に転落。追い詰められた沼田氏は苦悩の末に業務スーパーのビジネスモデルを考えた。
食品スーパー、食品工場、商社、の3つの事業での挫折を糧に、沼田氏は小売業界屈指のドル箱を生み出した。業務スーパーが「変」で、かつ「合理的」な理由を、創業者、沼田昭二氏が語り尽くします。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何かと話題の業務スーパー。
創業者の沼田昭二氏の、
いかにコストを抑えて、売り上げを伸ばすか?
細胞レベルまでに分析し、自身が技術者として、
ものすごい研究と努力と失敗を重ねて、
自分の体と頭をこんなに酷使した社長はいないのでは?
小学2年生でスズメやカエルを売ってこずかい稼ぎをした話から、すでに経営者のトップの器ができていたと思う。
そして、後継者に譲るとなれば、一切口を挟まず、
63歳とい若さで、引退し、社会貢献の為、私財を投げうって地熱発電を始めて地域おこしをするなんて。
天才や成功者は、結局「変」な人が多い。
普通の考えでは思いつかない事を、誰も手を出さない事を成しえてこそだ。
ぞくにいう、他との差別化。
ただ安いだけじゃない、そこでしか手に入らないもの。
そして、かかわる人や企業が、ウィンウィンであること。
自分の利益ばかりを追求する人は、決して成功はしないし、しても長続きしないだろう。
人としても経営者としても、素晴らしい方だと思う。
業務スーパーで、牛乳パックのようかんは、
まだ買ったことが無い。
だし巻き卵はヘルシー思考の人にはいいかも?
Posted by ブクログ
考えるとは何なのか、事業に向き合うとは何なのかを突き詰めた一冊でした。
沼田氏(創業者)にとって考えるとは、細胞レベルにまで分解していくことから始めます。卵焼きであれば卵と出汁でできています。では、卵は何でできているかというと、タンパク質です。コストダウンのためにタンパク質で構成されていて現行品よりもコストダウンが見込めるものを探すというたとえが出てきます。このように、今あるものをどうやってより良くしていくかを突き詰めています。その成果として業務スーパーには「変な商品」がたくさん置いてあります。しかし、この変な商品は看板商品となり、独自性を生み出すことになります(本書ではドル箱と表現しております)。
それを生み出すためには自分自身が原理原則を理解するまで学び続けるということ。夢中になることが大切です。
本書をこのタイミングで読めたのは幸運でした。私自身、新しいチャレンジをしたいと考えているので本書の思考方法、習慣を取り入れていきます。
Posted by ブクログ
地域スーパーがどのように「業務用スーパー」になったのか?というストーリーがわかる一冊。
細胞レベルまで分解し、徹底的に考え超スピードで実施。イビツに尖った経営者だからこそなし得たことがわかりました。
ただし、読書後だし巻き玉子買いましたが、美味くなかったです(^_^;)
Posted by ブクログ
我が家も よく使うんです。業務スーパー。
すごいのは 創業者が 潔く 息子に 譲ったことですね。
大塚家具みたいに 娘に譲ったのに
その後 あれこれ 口を出す。
その後 泥試合。
それが 普通なんでしょうね。
どんなに小さなものでも 会社でも。
ぜひ 地熱発電でも 成功してほしいですね。
Posted by ブクログ
業務スーパーという面白い実例を通して、経営戦略の一つのあり方を示してもらえた気がした。
創業者の沼田氏の戦略は、とどのつまり、
●合理性を突き詰めて誰もやっていないところまで尖らせることで差別化する
●その独自性を模倣されないように徹底的に細部まで分解して合理性を突き詰める
の2点にあるのではないか。
製販一体のビジネスモデルで、製造事業に先行投資しつつ、その成功要因となるスケールメリットを最初の成功事例を呼び水とするフランチャイズ制によって後付けで実現。製造工程も作り出す製品も細部まで分析して合理性を突き詰めた尖った商品で、他社は模倣などできない。とにかく業務スーパーのコンセプトと顧客にさえマッチすれば良いという発想で製品開発を行うため、他社が簡単に売れ筋を真似ようと思っても不可能である。