あらすじ
幸福度調査でトップ3常連国である「北欧の幸せな国」デンマークは、2022年・2023年と2年連続で「国際競争力1位」に選ばれた。千葉県よりも人口の少ない北欧の国が、なぜ世界と肩を並べるビジネス国に成長できたのか。デンマーク在住の著者がビジネスパーソンを取材してわかったのが、その生産性の高さ。DXを活用し、圧倒的スピードでプロジェクトをこなす一方で、午後4時に退社して家族との時間を過ごす。高い生産性とワークライフバランスを実現させる要因は、「ムリしない、させない」時間の使い方と職場の人間関係にあった。デンマーク人は職場や家庭で生じる人間関係のイライラ・モヤモヤを自然なかたちで排除している。本書は、国際競争力が2年連続1位でありながら、仕事への満足度も幸福度も高いデンマーク人の働き方・コミュニケーション方法・仕事やキャリアに対する考え方を明らかにし、日本人も使える楽しい「働き方」を提案する。現地のビジネスパーソンへの取材から働き方78のポイントを抽出、巻末には「デンマーク人から学ぶ『働き方のコツ』」リスト収録。
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Posted by ブクログ
非常に良かった。これからの仕事のあるべき姿と感じた。
国際競争力1位、ビジネス効率性1位。競争力の決め手は時代の変化への対応力。
ビジネス効率性:IMD(国際経営開発研究所)「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」このうちビジネス効率性が2020-2023年4年連続で1位。(確認したらその後も1位を継続している)ビジネス効率性とは、「生産性と効率性」「労働市場」「ファイナンス」「経営プラクティス」「取り組みと価値観」の5つのカテゴリ。このうち生産性と効率性、経営プラクティスが1位で、取り組みと価値観が3位。生産性と効率性:1人あたりのGDP、労働生産性、農業・産業・サービス業における生産性、大企業や中小企業の効率性、デジタル化など。経営プラクティス:アジリティ(状況変化への対応力)、取締役会の機能、意思決定へのビッグデータ分析の活用、起業家精神、社会的責任、女性管理職など。取り組みと価値観:グローバル化への積極性、ブランディング、柔軟性と適応力、経済的・社会的改革のニーズ認識、企業のDX化、社会の価値観など。「デンマークの高い国際競争力の主な理由は、状況変化に対する企業の迅速な対応力、モチベーションが高い社員、高度なDX化、である」「デンマーク人は時代のニーズを読み取って変化する力を持っている」しかもデンマーク人は”楽しんで時代の変化を先回りしている”。古いシステムを切り捨てる大胆さ。コペンハーゲンに暮らす人々はヒュッゲ(心地よさ)を大切にしている。自分や他人を大切にし、リラックスし、人生の喜びを感じることに時間を使っている。職場もプライベートライフを尊重し、年間5週間の休暇とフレックスタイム制、夫婦合わせて52週間の育児休暇を提供している。プライベートも充実している方が仕事の生産性も上がる。カジュアル→クリエイティビティ→生産性向上の好循環。外見、形式、手続き、ルールより仕事の成果にフォーカスしよう。休むから情熱をキープできる。脳は休むことでクリエイティブになる、閃きが生まれる。石橋を造りながら渡る。決定したプランに固執しない。デンマークの職場は「信頼」に基づいたマクロマネジメント。日本は「不信」をベースにしたマイクロマネジメント。上下関係のないフラットな職場。自分が細かく管理しないと仕事が前に進まない場合は、部下の適性がその職種に合っていない。メンバーの関心や適性を見極め、違うと思う場合はメンバーを入れ替える。高い生産性を維持するには必須。長期的には本人のためにもなる。多様な個性をまとめるための必須アイテムは、歯車に必要なオイルであり「社会性」。社会性とは:1解決志向(素直なコミュニケーション)、2個人的に受け止めない力(それはそれ、これはこれ)、3「戦場」を選ぶ意思(コアな部分以外はどっちでもよい)、4デモクラシーのマナー(みんなの意見を平等に聞く)。「無理しない、無理させない人間関係、が最高のパフォーマンスを生む」。仕事は自己成長のための「教育機会」、仕事を通じて専門知識を深め、コミュニケーション能力を伸ばす。上司の役割は「部下の成長を止めないこと」、部下には職場で挑戦したいことや学びたいことを尋ねる。生産性は「喜び」と「情熱」から生まれる。