あらすじ
両親の死で子爵家最後の跡取りとして残された1人娘のサーシャ=サルヴェニア。しかし、子爵代理の叔父はサーシャに仕事を丸投げし、家令もそれを容認する始末。
ここは、交通の便がよく鉱山もあり栄えている領地だったが、領民の気性が荒く統治者にとっては難所だった。
そのためサーシャは、毎日のように領民に怒鳴られながら、馬車馬のように働く羽目に。
そんなへとへとに疲れ果てた18歳の誕生日、婚約者のウィリアムから統治について説教をされ、ついに心がポッキリ折れてしまった。サーシャは、全てを投げ捨て失踪するのだが……。
感情タグBEST3
こどもの才能にたかる悪い大人達
両親を亡くした9才の少女の才能に群がる大人たち。それにしかすがれなかった人たち、親への恨みを少女に向ける人、傲慢にもその血に責任を押し付ける人、自分の存在価値を示すために威嚇し暴力を用いてくる人。婚約者として寄り添うこともせず、理解することもなく、思い込みで傷つけてくる、そんな中で犠牲にならなくていい。逃げてくれて良かった。
棒に感謝。一番良い人に巡り合わせてくれた。悪い奴らには鉄槌を下し、思い違いをしていた人たちには正しい道を示し、罪悪感の中すがり付いていた人たちには新たな視点と導く人を、そして一番辛かった彼女には共に幸せを築けるパートナーに会えた。
番外編まで全てが面白かった。何度も読み返しています
9才から、子爵として、トップとして、全ての責任を負うなんて、すごい。
いくら幼少期から教育を施され、天才だったとしても。
しかも、一人で背負って。
でも、これからは、いっぱい甘えて、甘やかして、幸せになって。
初めての作家さんでしたが、とても面白いです。物語の主人公はサーシャ。彼女を中心に登場人物たちの心情と動きが描かれ、最後には悪役ポジションの人たちも程々に救われます。これはいいお話でした。