【感想・ネタバレ】実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへのレビュー

あらすじ

デジタルが社会を一変させるなか、政治は分断を生み、機能不全が深刻だ。なぜ私たちは民主主義を実感できないのか? 本書は、19世紀の大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに、平等・結社・行政・市民のイメージを一新し、実験的な民主主義像を描き出す。新しい技術が人々の想像力を変えた歴史を捉え、民主主義論の第一人者がフランス革命・アメリカ建国後の政治史を解説。AI時代の社会構想と人間像を探究する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

選挙の結果が自分の想像力を超える事象が続いた2024年。選挙戦もSNSをうまく利用した人が勝つような、何を信じて良いかわからない時代に、民主主義とどう向き合っていけばよいのかについて、ここはやはり信頼できる宇野重規先生。トクヴィルについては今まであまりよく知らなかったけど、平等化の中で「想像力の変容」について考えていくことの意味は極めて現代的なテーマに思えた。
 第3章の行政府への着目の中で、編集者も官僚もジェネラリストであり、様々なネットワークを持っているという点。行政の本来の役割として、市民生活をファシリテートするということ。これは我々の業界でも同じ流れではないかな。民主主義について言えば、「承認の民主主義」から「行使の民主主義」へ。

 ファンダム、コンピテンシー、プラグマティズム、経験や習慣を基盤とした公共の形成。贈与、投資、消費など様々なものを含むプラットフォームで、参加者がルールを更新していくようなコミュニティ。ファンダム文化はともするとポピュリズムと親和してしまう可能性があるが、そこにケアの倫理を持ち込む。岡野八代やローティに連なっていく。

300ページ程度の新書だが、噛み砕きなら読んでいたらすごく時間がかかった。自分の関心領域があちこちにあって、何度か読み返すことだろう。

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2024年12月23日

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