【感想・ネタバレ】訂正する力のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

訂正する力とは、物事を前に進めるために現在と過去をつなぎなおす力で、「リセット」と「ぶれない」の間でバランスをとる力である。
明治維新や配線による国の一新という成功体験、東日本大震災後の「災後」のように、日本はリセット願望が強い国であるため、変化や老いの要素を含む訂正は嫌われ、謝罪は忌避される。
本という空気が支配する国だからこそ、いつの間にか空気が変わっているように状況を作ることが重要。
民主主義の基本は議論だが、議論を成立させるためには相手が意見を変える可能性を互いに認めなくてはならない。
訂正する力の切除が一文字たりとも憲法の条文の変更を拒み、結果として憲法を「読めないもの」にしてしまっている。だから、「変わる」ことを恐れてはいけない。
新海誠をはじめとした10代の主人公のような日本の映像の純粋主義に対し、ハリウッドではマーベルなど家庭の崩壊した中年の主人公が多くいる。
ポリコレは名詞を用いて正しさを静的で固定的なものとしているが、本来は動的で常態的なものである。
社会全体に信頼が失われ、皆が安直な正しさに飛びついた結果が、訂正する力と対極にある今日の論破力のもてはやしである。

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2023年12月30日

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