【感想・ネタバレ】星に願いをのレビュー

あらすじ

花実母娘のルーツとなる祖母の壮絶な人生譚。

花実は中学三年生となった。進路を考える年頃。そして、ほんのり初恋の気配も。そんなある日、花実の母・真千子がひったくりの被害に遭う。その事件から、花実は「金」に対しての意識がより強くなり、よりシビアな中三となる。事件の犯人が判明するが、それは予想外のほろ苦い結果に。
そんなある日、見知らぬ女性から祖母タツヨの訃報が届く。以前「太陽はいつもひとりぼっちだ」と言い放ち去って行った祖母。そして、その女性からタツヨの日記を渡される。そこには、暗く辛い昭和を生き抜いてきたタツヨの長い長い凄惨な人生が刻まれていた。それを読んだ花実は・・・・・・。
前半と後半ではまったく違う世界を味わえる作品。本当に二十歳の著者が書いたのだろうか、と驚く展開、描写。著者のまったく新しい一面を見ることが出来る渾身の長編小説です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

鈴木るりかファンの私に取っては、待望の新作。
学生だから仕方がないのだけど、数年に1回のペースの出版だから、前作を忘れてしまうのが悔やまれる。

今回も、ぐいぐいと引き込まれるストーリーと描写。

前作よりも、広い視点や視野、
社会問題に対する感度や、言葉の量、
描写、素晴らしかった。

祖母がまーちゃんにネグレクトしているシーンは、自分のことができない子育てに対するストレスもわかるような気がしたし、
手を出してしまった時の死ぬほどの後悔も同じ気持ちになったし、
姪っ子と重ねてしまって辛くなったりもした。

こんな感情にさせるなんて、るりか様の技術がすごいんだ。


いい読書体験ができたし、
こんなのが書ける若者がいるなんて日本の未来は明るいのではないかと思ってしまう。

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2024年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「愛情と憎悪」、「赦しと罰」、「生と死」。このアンビバレントな想いが凝縮された1冊。「金の星」では貧乏だけど逞しく生きる花ちゃんの中学生活、母親の愛情をしっかり受けて、前を向いて歩いていく。花ちゃんの言動・行動には確固たるモラルを感じた。香川君が背負った十字架、軽くなるといいな。次に「金の星」、タツヨばあちゃんの「赦しを乞う」話し。絶対に赦されない、でも赦しを乞い続けるしかない。背負った十字架は娘、孫にはどう映ったのか?人生は大小それぞれだが十字架を背負わざるを得ない。愛情と赦しでそれを軽くできるはず。⑤

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2023年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 大学生になっても一年に一冊は書き続けるるりかさん、すごいね。今回はばあちゃんの過去が明らかに。ってことは、前作とか書く前からある程度構想していたってこと?畏れ入り屋の鬼子母神ですわ。

 ばーちゃんの日記がほとんどの内容なので、☆は4つにしたけど、虐待の話とか昔の結婚のこととか、よく調べたねえと感心するばかりです。簡単なお涙頂戴にしていないところもいいねえ。
 

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

るりかちゃんの本は3冊目。
さよなら田中さん。落花流水。
そしてこの星に願いを。

読む順番間違ってたー!
さよなら田中さんの続編2冊も出てたのに読まずにコレ読んじゃった。汗

罪を背負って生きてきたおばあちゃんの日記。
生きる事、罪を犯す事、罪を償う事、親、兄弟、結婚、夫、子供、そして家族。

りえママの真心。香川君の償い。おばあちゃんの通帳。
人を思うお金には色々な種類?が有るんだなぁと。

後悔しない生き方って難しいなぁとつくづく考えさせられたこの本を書いたのがまだ二十歳のるりかちゃんだって事がスゴい。
何回目の人生なんだろう?こんなに考えさせてくれる本を書けるなんて。

私も人生最後にはハサミムシになれるかな?
なりたいな。
叶恭子さんも言っていたな。むしろ昆虫から教えられることの方が多いって。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

待ちに待ったシリーズ4作目。前半は花ちゃんの母・真千子さんがひったくりに遭い、それでもたくましい母の姿を見せるが、犯人は意外な人物で物語に若干の影を落とす。後半は花ちゃんの母・真千子さんと祖母のタツヨさんの因縁と壮絶な過去がタツヨさんの遺品である日記の形であかされる。20歳になった作者の経験で書ける話ではないようなあまりに辛い内容に読む手が止まる。この日記を読んだ真千子さんの精神状態が心配でならない。いつも通り豪快で明るいお母さんであってほしい。早くこの続きを、そして花ちゃんに少しでも明るい未来を。

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2024年01月10日

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ネタバレ

花美と真千子とタツヨは孫、娘、祖母の関係。見知らぬ女性から届いた祖母の日記には壮絶な人生が綴られていた。生きているうちに会っておきたかったと後悔。

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「さよなら田中さん」のシリーズ 4作目
と知ったのは この本を読み終えてからだった・・・

そう 主人公は母子家庭の田中花実。
前半は受験生になった花実の母がひったくりにあった話から展開されていく。
後半は花実の母 真千子の母(祖母)が亡くなり、遺品整理したノートから その生きざまを紐解き 母との関係を知ることになる。

出だしの能天気な母と大家のおばさんの会話はテンポよく (ぁぁ この日常会話がいいんだよなぁ)と感じる。
そこからの ちょっと息苦しくなる同級生の家庭環境や疎遠になっている母と祖母の関係。
文章のリズムが心地よく 読み手を離さないのはこの作家さんの凄いところ。

(そうか もう20歳の大学生になったんだね)とその才能に拍手を送りたい。
そして・・・すっ飛ばしてシリーズ4作目を読んだ私に活を入れたい。

みなさんは 花実ちゃんの成長とともにこのシリーズを読むことをお勧めします。
(そんな うっかりさんは私だけかも・・・ですが)

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2024年01月13日

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