あらすじ
まさかこれが自分の生活なのか、とうたがいたくなるときがあります。
それは自分にはもったいないようなしあわせを感じて、という場合もあれば、
たえられないほどかなしくて、という場合もあるのですが、
それはもちろん自分の生活であるわけです。
その自分の生活というものを、つまりは現実を、
べつだん、大げさにも卑屈にもとらえず、そのまま受けいれたとき、
みえてくるのは「ほのおかしさ」ではなかろうかと思います。
ままならない生活にころがる「ほのおかしさ」を私はずっと信じています。
---------------------------------
自費出版作品としては異例の売れ行きを記録した
『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の小原晩、書き下ろし最新作!
まぶしいほどまっすぐで、愛おしい。ままならない生活をめぐる38編のエッセイ。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
日常の些細なしあわせ、ほろ苦さ、理不尽さを描いたエッセイ。
淡々とした筆致なのに、読んでいると情景が自然に浮かんでくる。派手な出来事が起こるわけではないけれど、生活の中にある小さな光や違和感、少し笑える瞬間が、ちゃんと本の中に残されていた。
生活は、特別な出来事だけでできているわけではない。
むしろ、あとから思い出すのは、少し変な会話だったり、誰かと食べたものだったり、どうでもいいような理不尽だったり、なんとなく見た景色だったりする。
この本を読むと、そういう日常の細部を、もう少しちゃんと見てもいいのかもしれないと思う。
仕事に疲れている時、生活はただ消耗するだけのものに感じることがある。
でも、本当はその中にも、小さなしあわせや、おかしさや、腹立たしさや、ときめきが転がっている。
それを大げさに感動へ変換するのではなく、淡々と、でも確かに拾っていく筆致がよかった。
自分の生活も、少しだけ面白がってみたくなる一冊だった。