あらすじ
ある日突然、人格が他者のものと入れ替わってしまう――奇異な現象が多発するジェヴレン社会に、ハント博士たちは直面した。人格変容の起こった者はアヤトラと呼ばれ、新興宗教の活動家となるか、完全に気が触れてしまうこともしばしばだった。しかし、彼らは決して精神に異常をきたしたわけではない。新たな人格が生まれる裏では、別の宇宙からコンピュータ・ネットワークを通じてデータが送り込まれているというが……。人類の想像を超えたところに存在する宇宙とは? ハント博士たちはジェヴレンを狙う“内なる宇宙”を阻止できるのか?/解説=永瀬唯/*本電子書籍は『内なる宇宙 下』(創元SF文庫 新装新版 2023年10月20日初版発行)を底本としています。
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Posted by ブクログ
天文学的な状態の組み合わせが発生する場には生命のようなものが生じうるという構造から、コンピュータの中に生命が生じたら、という発想がすごい。
Posted by ブクログ
カプラーを通してコンピューターの中で生まれた人格が実体の人間の体を、そして世界を乗っ取ろうとしてくるという設定が面白い。ユーベリアスもなかなか手強い相手で緊張感があった。
ただ、今までの作品では難しい説明を理解できずともなんとなくイメージができていたが、今回は最後まで読んでもどうしてもエントヴァース世界のことが頭の中でイメージしきれなかった。結局ただの情報なのか?であれば夜空の星は情報の出口で、みたいな説明はなんなんだろう?というあたり。また、謎解き要素も少なめに感じた。
特に好きだったシーンは、マレー、ニクシーと一緒にシリオの元へ向かう途中、ハントがニクシーを見てすべてのエント人が敵なのではなく大切なのは個々人だと気付くところ。そしてエントヴァースに回転木馬と共に神として現れるダンチェッカー。