あらすじ
「朝起きられない」「日中はだるくて体が動かない」という主訴を持つ起立性調節障害。中高生の1割、小児科受診の中学生では2割を占め、不登校の大きな原因だ。的確な診断ができる医師も多くなく、「怠け病」と言われる患者も多い。小児科医・スポーツドクターである著者は、起立性調節障害を栄養の観点から分析、治療・改善させている。本書では青年期までの発達に必要な栄養や、運動との関係、周囲の対応を症例を交え解説する。
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Posted by ブクログ
起立性調整障害によって、朝起きれなくなったり、めまい・吐き気・立ちくらみなどの体調不良、またイライラ・落ち込みなどの気分が悪くことがある。それらは、栄養を取ることで解決にいたれるということを事例を交えながらの説明でした。
本書を読みながら、自分も思春期の頃、めまいや立ちくらみ、気分の上下が激しい時期があり、やはり栄養不足だったんだろうと感じた。
自分も母になり、子どもの栄養には気をつけようと思った。特にタンパク質、鉄、良質な油は成長期に大切であること、便利な水煮などの食品には栄養が不足していることを忘れずにしたい。
Posted by ブクログ
思春期の子ども達の起立性調節障害に対する治療法が書かれている。いろいろ治療はあるらしいが、中でも著者は栄養からのアプローチを勧める。
思春期は身体が大きく変化するので、それまでと同じ量の栄養摂取のままでは栄養量がどうしても不足してしまう。これまで以上に、糖質を抑え、タンパク質や鉄、ビタミンなどのミネラルを積極的に摂取する必要があるのだ。不足すると身体が思うように動かなくなってしまう。もちろん頭も働かない。
栄養を摂取するのが目的なので、著者(医者)はサプリの処方をしていた。家庭の食卓のみに改善を求めているというよりは必要量どのような手法でも良いので摂取せよ、ということらしい。
ファーストフードやコンビニ弁当は調理過程ですでにミネラルは失われている、おやつや清涼飲料水には注意せよ等々…わかっていることがたくさん書かれていだが、これから思春期に突入する子供を持つ親としては改めて戒めにはなったかな。まずは朝からタンパク質、ミネラルをたくさん摂取できるよう、早起きして調理を頑張ろうと思った。
Posted by ブクログ
起立性調節障害を「食事や栄養」という点で考察したのが本書。精神面(学校で嫌なことがあったとか)に原因を探りそうになるが、栄養状態にも大いに原因があるという。日常生活は「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経の絶妙なバランスの上に成り立っている。朝、起きられないのは、バランスが崩れている可能性がある。
例えば、立ち上がる時には脳への血流を維持するために一時的に血管が収縮して血圧を維持するのだが、起立性調節障害があると血圧は上がらずに脳への血流が一時的に不十分になる。そのため、立ちくらみやめまいなどの症状が発生する。気を失って倒れることも。
こうした原因の一例が、脳が使う神経伝達物質である鉄。鉄貯蔵が底をついてくると十分な神経伝達物質が作られなくなり、脳が十分に働かない。それにより、メンタル不調、身体的不調、メンタル面での不調、集中力低下など様々な不調へ。「朝だるくて起きられない」という起立性調節障害の原因の一つは、まさに「鉄」。実際に、起立性調節障害の症状がある患者では、体内の鉄貯蔵を示す値が、総じて低いことが分かっている。
著者によると、サプリもオススメである。サプリというと、普段の食事を省略してサプリに依存という誤った摂取方法のせいで、悪しきイメージもあるが、+αで取得するなら補完関係を齎す。使いようだ。
私自身は朝起きられないという事はなく、寧ろ、寝る時間が不規則だという問題があるが、どのようなケースにおいても「栄養状態を疑え」という良い示唆を得たような気がする。
Posted by ブクログ
朝起きられないのは栄養不足のせいだ、という言説に初遭遇し目から鱗。シンプルに糖質過多は「ある気がする」、と、体感合致する。もちろん精神面、怠け心、夜更かし睡眠不足、が前提にあることは忘れないが。