【感想・ネタバレ】食べると死ぬ花のレビュー

あらすじ

最愛のひとり息子を失った桜子は、カウンセラーの久根からふしぎな壺を与えられる。三つの約束さえ守れば、息子が帰ってくるというが……。「もう本当に最悪でした、もちろん褒め言葉」「吐きそうなくらい嫌な話」連載時から話題沸騰! デビュー作でネット民を震撼させたホラー界の気鋭が描く、血と涙で彩られる美しき地獄。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

25/3/25〜3/26
ここ数年でホラー大好きになった
まさにこちらは『気持ち悪い系』だ

全話通して義父が最低な男尊女卑DV家庭の各メンバーの不幸を一話ずつ描く

ニコライは葬儀屋➡︎古物商➡︎カウンセラー➡︎英語教師➡︎神?➡︎美術商
変幻自在 ものすごい美男子らしい

①長男の嫁
義母が毒、同居、浪費家、モラハラ酷
娘に知的障害あり 向き合わない
義父にレイプされて産んだ子だった
しょっぱなから限界度が高い
『棺』(スーツケース)をもらう➡︎義母死

②三男
出来の悪いほう
人生を変えたくて胡散臭い自己啓発セミナーに通い詰める
妻と子供大嫌い
『箱』をもらう
人生の選択をやり直して学歴や美人妻、財力を手に入れるが
選択を間違えたらしく元の世界に強制シャットダウン
やっぱり騙されて飲食店オープン
しかし①で末路が借金まみれなのは既出

③長女
優秀だったが父親のせいで高卒就職
最愛の子どもを交通事故(殺人)で喪う
心を病む 現実を認められない
『壺』をもらう 肉と塩と水詰め込む
顔のパーツが出てきたらしい
壺の中で育つ子、取り出してはいけなかったらしい
夫も壊れかけ、田舎に引っ込むが、
義理の甥っ子が妬ましく手をかけてしまう

…彼女は完全なる精神異常者かと判明し、ニコライの存在自体怪しくなってくる

④①の義母 実質この家庭の妻、母
双子の妹が毒
実家を出ても寄生される
夫を寝取られブチ切れ、
もらった『石』で殴って殺す

ちょっと月並みすぎてこれはつまらんかった
それで①に辛く当たってたんですね知らんがな

⑤次男 
優秀、要領が良い
人間に対して興味がない。冷めている
いい子を演じ続け、人のためになることをする
三兄弟のステレオタイプ、身近にいるのでわかる
外資系勤務、レズビアン女性と結婚
海にトラウマあり
幼い頃母に海際に捨てられた
ニコライは『神』?海の上を歩く
逆に『黄金の盃』を献上し、『海』を切望する
妻のパートナーを殺害、隠蔽、海外渡航

⑥他人の芸術家
①の障がいをもつ娘が出てくる
才能に惚れ込み弟子にする
最終的に16歳で性的蹂躙、、
ニコライが美術商としてプロデュース、手を引く
救いを与えておきながら更なる悪の道に引き摺り込む感じ

芸術家のコンプレックスも含めおぞましかった
さらに限界度を上げてくる作者の手腕

⑦最終章
週刊誌の記事
精神鑑定医の講演
収監中の長男の独白

彼によるとニコライはサンタクロースだったらしい(えー…)作者さんはカトリックとのことで、かなり攻めた作風だなと。宗教って童話と同じで原本はグロかったりエグかったり現代の感覚で理解できないことが多いから、『現代版』なのかなと
でも敬虔な信者さんが読んだら激怒されそう…

人に何かを『与える』点ではサンタというのもまあ
聖ニコラウス、忘れてたな…
新興宗教の教祖らしさもあり

読みごたえ◎

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

7年経ってないだろ出すな出すな出すな出すな!!!
中華で笑った

ミエルは天使名で喋ってるのはラテン語かなー
ニコはキリストかサンタかなーニコライならサンタかー
死んじゃった息子くんはクリスマス生まれだしそっちがキリストかな復活するし

みたいなことを考えながら読んで楽しかった
公子のバックボーンが明かされたときが一番おもしろかった 関西弁カワイイ

でもこれに出てくる神は旧約のYHWHというには目指す大義が無いしちゃんとルールを設定してくれる(YHWHの悪口)のでどっちかというと和製の触れたらアカン神っぽいなーと思った というかオリジナルの神なのかな?
サンタとまれびとを交錯させてるあたりもすき

雄一がなんで怒ってたのかよくわかんなかった

普通に世知辛い話+自分はキリスト教が好きじゃないので信者の思考を読まされてキッツぅ…ってなった

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2025年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだ芦花公園作品の中で一番好きだった。
読み終わって、もう一度頭から読もうかな?と思ったくらい。「無欠の人」で振り返ってくれたので助かった。
そもそも群像劇でオチに向かって集結する話が好き。

「大歳の棺」の姑をシンプルに嫌なババだと思っていたので「瞋恚の石」のオチで震えた。

好きな話は……選べないな。
序盤はいつもだらだら読んでしまうのだけど。
「瞋恚の石」で双子の話って好き〜……あれ?と引っ掛かり
「黄金の盃」のホラーらしい仄暗さと雄二の人間みのなさ(読めばわかると思うけど、間違いなく人間味はなかったんだなぁ)が好きで、 
「天賦の才」の小塚を哀れに思って
「無欠の人」でこれは最初から読み直すべきでは…?と思った。先生、書き下ろしありがとうございます。

人物名が混乱する。私が名前を覚えるのが苦手だからかな。
「瞋恚の石」を読みながら、萩沼(「選択の箱」で社長になって成功した男)と義之を混同していたので混乱した。この二人少し雰囲気が似てない?
あと兄弟がどれがどれでどれした奴だっけ?となる。

作中印象的な描写のニコちゃんの瞳。
私はトナカイの夜になると瞳の色が変わり、青色になる、そのイメージで読みました。

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2024年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この著者の書籍化された小説はほぼ読んでいます。
著者はクリスチャンで以前の著作にもキリスト教に絡めた作品がありました。
『食べると死ぬ花』はその集大成と言っても過言ではないのでしょうか?

私は聖書を読んだことはありませんが、久根ニコライの話す言葉は聖書の内容を一般人にも分かりやすく伝えようとしているのでは??
そんな気がしてなりません。



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2024年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クリスマスにぴったりらしいのでクリスマスまでシュトーレンのように少しずつ読もう。と思っていたのに続きが気になりすぎて一気に半分ぐらい読んでしまい「よくない!!」となった。
途中から帳尻を合わせ残りを1話ずつ読み進める。地獄アドベントカレンダー。
久根ニコライ、顔がいい喪黒福造、、、
収録話の中では警報アナウンスが流れる海の情景が好きすぎたので「黄金の盃」がよかった。私も海が欲しい、、、
収録話が7話なのは七つの大罪と関連があるのかと思いながら読んでいたが、最後の話で七つの大罪について出てきたのと、読み終わったあとで聖ニコラウスが肉屋に殺され塩漬けにされた子供を蘇らせたというエピソードを知り「あぁ~」になった。多分、私が知らないだけで他にも様々なネタが隠されているんだろうなと思うので読書には教養が必要だと思った。
勿論知らなくても面白いが知ったら尚のこと面白いというレベルの話だが。

カクヨムで公開されていた「眼下は昏い京王線です」の後日談みたいなエピソードでは「食べると死ぬ花」を読んでいたらわかる「あの場面」で琴葉ちゃんが久根ニコライに会い贈り物を貰うわけだが、「食べると死ぬ花」では特定の一族の関係者が贈り物を貰って破滅していくのが描かれていることを考えると、琴葉ちゃんもこの一族の何らかの関係者だったらめっちゃ嫌だな。と思った(妊婦助けたからだけの縁で「関係者」になってたとしたら嫌だが、久根ニコライ出現に他に何らかの法則性があるなら、というだけの妄言に過ぎない)。

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2024年12月29日

ネタバレ 購入済み

世にも奇妙な話×芦花公園

謎の美青年、久根ニコライが引き起こす家庭崩壊ドロドロホラー。どこかで聞いたことがあるような事件から、身近に居るよねこんな人、あれよあれよと不幸が舞い込む(久根ニコライはあんまり何もしていません)新感覚 大家族波瀾万丈家庭崩壊ファンタジー
登場人物の名前や発言から考察しながら読むのも芦花公園先生の作品の楽しみ方ですよね。
作中で救われた人は居るんでしょうか。はたまた救いとは一体なんでしょうか。幸せとは?そんなことを考え直したくなる一冊でした。
割とおすすめですがホラーというより世にも奇妙な話チックなのでそういった作品が好きな方にはオススメです!

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

キリスト系喪黒福造。
SF×ホラー×短編集…と思いきや、ひとつの家族を軸に話は繋がっていたりする。

個人的には《帰還の壺》が一番しんどかった。

全体的な雰囲気は好き。読んだ後もジワジワと背筋が冷たくなるような感じ。



因みに一花語はラテン語らしい。


ざっと調べた感じでは

こいとす=結合
びるぼなす=戦争(喧嘩?)
ぷえれ=望む
ふぇりくす=幸せ
らなんきゅらす=蛙

ラテン語は詳しくないから全く分からない。
これを機にラテン語勉強してみるのもいいかも思ったけど、外国語が大の苦手な私には当分先の話になりそうである。

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一つの家族が深く関わる、それぞれの暗く歪んだ短編集。
絶望に包まれる最中、美しい男との出会いが彼らの人生を変える。
なぜがその男に魅せられ、心を許し、心の内を吐露してしまう。
そして、ある時期に贈られる謎のプレゼント。
はたして彼は何者なのか?

絶望に沈む人々に、更に追い打ちをかけて突き落とす物語
嫌い…ではないが、気持ちが落ちている時に読んだため、ちょっと沈んだ。
きっと毎年この時期になったら思い出してしまう…

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2024年05月05日

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