あらすじ
「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」
ただひたすらに、ひたむきに……
桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。
伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作。
■桶職人
覚えときな。木ってのは生きてんだ──木を見つめ木と生きる桶職人の一日。
■刀鍛冶
自分が打った刀で子どもが殺された。灼熱の鍛冶場ーー多くを語らぬ刀匠の胸中は…
■紺屋
友禅染が大流行する中、藍染の意匠に悩む一人の職人。先の見えない仕事に心は沈むが…
■畳刺し
明け渡った吉原が男達の仕事の場。暮れの畳の張り替えに遊女達の冷やかしは付き物で…
■左官(一、二、三)
土蔵の普請場に奇妙な男が現れる。甚三郎と名乗るこの男、上方から流れてきたようだが…
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
江戸時代の、桶、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官それぞれの職人の短編話集
わたし自身も職人環境に身を置く立場なので、ものすごく刺さる漫画でした。
それもだけど漫画のコマのカメラアングルとか画力や丁寧さも見入ってしまう。
百年後のはなしとか出てきてましたが、わたしももしかしたら百年後にも残る仕事内容だから、万が一百年後のひとに見られることがあったら、「これいいなぁ」って思って貰える仕事をしたいなと思いました。
良い漫画……
Posted by ブクログ
桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。5つの職人を描く。一つ一つは短いストーリーだが、道具や背景がとても細かく丁寧に描かれていて緊張感がある。職人の手元の描写に引き込まれる。どの職人も粋で格好良く、畳刺し以外は女性なのも良い。
Posted by ブクログ
江戸時代の風俗習慣に興味がある者にとってはたまらない一冊。何と無く北斎の富嶽三十六景を思い起こす表紙につられて購入しましたが、良いものに出会えました。
淡々と進む短編も良かったけど、人の繋がりが描かれている中編は殊更好き。
Posted by ブクログ
江戸職人の技と意地にひきこまれてしまう。
無口でただただひたすらに己の腕に全てを注ぎ込むような姿に圧倒された。
「桶職人」「刀鍛冶」「紺屋」「畳刺し」「左官」
このなかの畳刺し以外が、女であることにも驚いたのだが、そう感じさせない描写が凄いとしか言いようがない。
道具の音が聞こえてくるようで。
道具を持つ腕や手の表情に惚れ惚れする。
紺屋の手が藍色に染まっていることすら美しいとさえ感じる。
真剣な目に毎日が勝負だとすら思えてしまう。
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読みやすさ★★★★★
学べる★★★★
紹介したい★★★★★
一気読み★★★
読み返したい★★★★★
よくぞここまで江戸の職人の仕事を調べ上げて、コミックスとして世に出して下さいました。日本人としてお礼を言わなければならない。
まさに職人が見て学べと言わんばかり、1コマ1コマ、描写のディテールが細かいのだが、説明がほとんどない。あれは何?、並べ方にも意味があるのかな?と、なかなか読み進むことができない。
100年以上先を見据えた、職人の気質、気概、気迫が、息づかいまでが聞こえて来そうな素晴らしい作品。面白い!
Posted by ブクログ
ごく稀ですが、琴線に触れビビッときた時だけコミックを登録しています。本作の内容紹介や表紙から想像し、エイッと購入したらまさにドンピシャ! 圧巻の描写に感嘆! 期待以上の傑作でした!
物語の舞台は江戸時代の「神田ごくら町」(架空の街)。著者曰く、現代でいう日本橋周辺で、町名由来は「落語」をもじったものだそう。
描かれるのは、江戸職人(桶屋、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官)による伝統の手仕事の技と意地、そしてその日常です。
一話完結の物語が、五編(七話)のオムニバス形式で収録され、堅過ぎず構えることなく読めます。
職人が魂を込め、ものづくりに向き合う姿。その様子を、江戸の街・仕事場を背景にして、虫の目・鳥の目、時に画角を変えながら詳細に描きます。
その迫力ある作画は、道具や製作過程を丁寧に描き、台詞がなくても雄弁に語り、観る者を捉えて離しません。作画の表現がこれだけ人の心を動かすものかと感心します。著者のこだわりと熱量がひしひしと伝わり、江戸の風が吹き、"粋"を感じました。
敢えての設定なのか、「畳刺し」を除けば職人が皆女性なのが意外でした。けれども、個性の書き分けがなされ、各話の味わいに変化をつけているようです。共通するのは、仕事に対するひたむきさ、生き様の美しさ・尊さでしょうか。輝いて見えます。
第28回手塚治虫文化賞「新生賞」受賞
トーチwebで連載され、本作の続編(其の八「蔵人」)や「金沢職人ばなし」も読めます。それでも、紙の質感を感じながら、書籍として読みたいですねー。続編と他作品の発刊が待たれます。
かっこいい女の人達の話
桶、刀、紺染め、畳、左官
畳は殿方ですが、舞台が吉原、遊女が出てくる、
そのため職人を殿方にした様です。
遊女の客が殿方で、これが駄目男、いとおかしですね。
実際のところ女性に務まるの、とか聞いちゃいけない質問です。
自分なりに推察するに、刀や左官は辛そうです。
その辺は殿方でも変わりませんが。
定価は安くないですが、安くない定価に見合った内容だと思うので、
これからも頑張って欲しいものです。
お好みで。
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なんというか「お見事!」の一言!
登場してくる職人たちの素晴らしい技、それを細部まで描き切った作者さん!
この日本の素晴らしい職人技が途絶えない事を強く願います。
続きが楽しみ。これはアニメ化かドラマ化かあるかもな〜。でもちゃちくはして欲しくない!
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「2024このマンガがすごい第3位」に選ばれた漫画なのですが、江戸時代の職人を生き生きと描写しています。武士にスポットを当てる本はいくらでもありますが、江戸時代の職人、しかも事件とかではなく職人の仕事そのものを描いている作品は珍しいのではないでしょうか。絵も綺麗で匠の技がよく伝わってきます。畳職人、桶屋職人、左官職人などの仕事への拘りがかっこいいです。
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江戸時代の職人を主人公にしたその手仕事の技と矜恃を描いた連作短編シリーズ。
描かれる職人の手仕事の精緻さと漫画の丁寧な筆致がシンクロしてるのが良い。
初期の「コミック乱」での掲載時と現在の「トーチWeb」では微妙に絵柄変えてきてる?
Posted by ブクログ
いやぁ〜〜〜〜〜学びたくなる!!!!
職人の技や表情、時代背景がとても繊細な描写で、
読んでいて「職人って凄いなぁ………」
とワクワクする気持ちになれる。
どれも技術あってこそで
一朝一夕ではできないからこそ、
その日々の努力を夢想すると
心が熱く踊って仕方がないッッ
他の職人さんのストーリーも
読んでみたいと感じる作品だった!
Posted by ブクログ
江戸の桶、刀、紺屋、畳、左官の職人世界を描いた漫画。AIの発展でホワイトカラーが生きづらい時代になってきていると感じるが、こういう時代にこそ職人的な生き方が評価され、入職者が増えることが求められるのではないかと思った。
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淡々とした職人話。正直一巻のみでは物足りなすぎて!!!その後も気になるし、予告だけ見せられた感じで最初の数話は進んでいきます。もっとみたいもっと読みたい。次巻も出たらすぐ買うと思う。
Posted by ブクログ
いつの時代も職人ってかっこいいと思う
自分のこだわりを持ってとことん追求するところ
畳屋さんとか左岸屋さん、染め屋さんの仕事ってもしかすると江戸時代からさほど変わってないのでは?と思ってしまう
使う道具に変化はあっても技術面や仕上がり部分で変わってないように思うのは自分が職人じゃないから知らないだけか
漫画家さんもきっと職人なんだろうな
Posted by ブクログ
職人のお話なのに、予想外の迫力があった(暴力シーン含めて笑)
百年の品質を保証する仕事がかっこいい。この時代に生まれてたら、職人に憧れてたと思う。
Posted by ブクログ
仕事帰りに近くの本屋にで試し読みがあったので、桶職人の段を読む。売り切れで再版中とあった。後日、入手。
先の桶職人の話から始まり、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、最後の左官の話は長め。じっくり読ませられた
女職人が主人公の話が多い。セリフが少なく、手仕事をじっくり見せる画がいい。
漫画家さんのことは知らない。ちょっと絵が粗いかなと思う。コマ割りや構図は上手いなと思う。このあと凄く上手くなるんじゃないかな。
なによりストーリーの立て方は、ある意味常道かなと思うけど、語り方が上手いと思う
Posted by ブクログ
職人って、響きも字も好きでタイトル買いしました。
畳刺し以外は女性の職人さんで、特に左官の話しの時には女だからといった理由も出てきましたが、性別関係なく職人は心意気と腕があってのものなので、やっぱりカッコイイですね。
特に刀鍛冶の終わりはカッコ良かったですね。あと、左官屋の話しも好みでした。コアな内容もあって、そうゆうのを見たり聞いたりするのが好きなので、特にこの2作品が好きでしたが、続きがあるなら他の仕事も見てみたいですね。
Posted by ブクログ
品川で晒し首 上手の雑ならまだしも下手のぞんざいは始末に負えんなあ 鏝ノリが良い上に塗ると鏝に土が残らねェ 無理くりしてみたところで道理に合うてへんぞ 手前の仕事が出来ん奴程下を見つけて虐めたがるもんや 傍目八目=第三者の方が物事の是非得失を当事者以上に判断出来るという事 腕折って二度と左官を名乗らせんようにせないかん 細部は職人の仕事でさァ
Posted by ブクログ
最近めちゃめちゃ話題になっていて、絵もきれいそうだし、内容が江戸時代の「職人」をテーマにしているとのこと。本屋さんで何度も手に取り棚に戻しを繰り返して、結局買ってしまいました〜。
桶職人、刀鍛冶、紺屋(藍染職人)、畳刺し、左官の5つの職人さんたちの7つのお話。
予想以上の絵のうまさと描き込みで、職人さんたちの技の迫力が圧巻でした。匂いや温度、音まで感じられそうなほど。100年後を見据えた仕事にはただただ敬服するばかり。
職人さんごとのお話になっているので読みやすかったです。続きも楽しみ。