あらすじ
外には深い霧が漂っていた。電話を借りるためランゲート館に入ってきたスタークウェッダーはそこで異様な光景をみた。館の当主が椅子にうずくまり、そのかたわらでは夫人が拳銃を握っていたのだ。やがて当主の奇行とその周囲の人間たちの悪意が明らかに……奇怪さが醍醐味のオリジナル戯曲。
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Posted by ブクログ
主が死んでいるところから話が始まる。
次々と現れる犯人の可能性のある人。
このひとか、あのひとか。
次々と現れる犯人を庇おうとする人。
この人は、あの人を庇い、あの人はその人を庇う。
庇いあいの中に、生まれる齟齬。
齟齬が破綻したときに、人間関係が破綻する。
人間として、誰を信じるかは選択の問題だと分かった。
ぜひ、機会があれば、一度演じたい題目だ。
Posted by ブクログ
さすがアガサクリスティ、展開が二転、三転、五転ぐらいはする。この車で突っ込んできた人がどんなことを思っていたのか気になる。脚本形式なのでちょっと読みにくいけど、舞台だったらどうなるだろうとも気になった。
Posted by ブクログ
「The Unexpected Guest(招かれざる客)」
作:アガサ・クリスティ
書式:戯曲(舞台の台本)
ドラマはすべて、ブリストル海峡に近いサウス・ウェールズにある、ウォリック家のリチャードの書斎で進行する…
11月の霧深いある夜、車の故障でスタークウェッダーは近くの屋敷に助けを求めた。
呼び鈴に反応はなく、勝手に入ると車椅子に座った屋敷の主人リチャードの死体と、銃を持った美しい妻ローラが立ち尽くしていた。
誰がリチャードを射殺したのか。妻?愛人?看護婦?異母弟?母親?
誰もが犯人になりえ、誰が真実を言っているか判らない。
そして疑惑の連鎖に裏の顔を見せ始める登場人物達。
快男児が陰惨な男に変り、従者が恐喝者に変り、愚者が賢者に変る。
しかし気高いリチャードの母は言った。
“人間は変わらない。たまたま今見えていない一面があるだけだ”と。
事件は解決したかに見えるとひっくり返り、
登場人物の隠れた顔が次々に暴かれるスリリングな展開。
そして結末には、物語を根元からひっくり返す大ドンデン返しが待っている。
このあっと驚く快感は、物語を読み終えるまでのお楽しみだ。