【感想・ネタバレ】ゴルフ場殺人事件のレビュー

あらすじ

南米の富豪ルノーが滞在中のフランスで無惨に刺殺された。事件発生前にルノーからの手紙を受け取っていながら悲劇を防げなかったポアロは、プライドをかけて真相解明に挑む。一方パリ警視庁からは名刑事ジローが乗り込んできた。たがいを意識し推理の火花を散らす二人だったが、事態は意外な方向に……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく面白かった! 電子書籍で買い込んだクリスティ作品を予備知識なしで読んでるけれど、この陳腐なタイトル(笑)に反して、テクニカルな抒情ミステリとして傑作と思った。名脇役ヘイスティングスの色ボケや恋の行く末も最高だし、犯人当てミステリとしてのストーリー展開、お約束的仕掛けも効果抜群で全く色あせてない。初期作品としてそこまで知られていないような気がするけど、もっと多くの人に語られるべき作品と思った。原題はもっと洒落てるかと思ったら邦題そのまんまだった!他の煌めく作品名と比べすごいハンディを負ってる。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 <名探偵ポワロ>シリーズ長篇2作め。南アメリカの富豪ルノーから助けを求める依頼状が届き、ポワロとヘイスティングズは彼の滞在先のフランスへ渡るも既に殺されていて、その真相解明に挑む、という内容。
 ドラマ視聴を機に読み始めたが、デイヴィッド・スーシェ版よりも言い回しは面倒臭いが紳士然としている点がいい。ポワロを目の敵にするパリ警視庁のジロー刑事とも変に張り合ったりせず、あくまでも“大人の対応”をする姿が好ましかった。一方で事件関係者の一人でヘイスティングズが一目惚れする某女性の設定がやや煩わしく、ドラマ版のほうがすっきりとしていた。

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2023年07月12日

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ネタバレ

大事なことはすべて語られると決まっているわけじゃない。ときによっては、わざと語られない場合もある。
人が嘘をつくのは愛のためか金のため。
ヘイスティングスがシンデレラを逃してポワロと敵対すると決めたのに結局ポワロに泣きつくのがおもしろい。ポワロも気を悪くしてヘイスティングスに大事な真相話さないのもおもしろい。
ジロー刑事いやなやつだけど小説のキャラクターとしては憎めない雰囲気あって、ポワロとの知恵比べもっと見たいと思った。
全体的にコメディ感あって楽しい。
展開がきれいで自然と映像が浮かんできて、構成うまいなって思う。

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2022年06月12日

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ネタバレ

ポアロが主人公のアガサ作品の第2幕。
時代背景などを感じさせない情景を思い起こさせる書き方が面白さを際立たせる。
少々内容を書くとポアロのモナミ(親友)ヘイスティングスは少し間が抜けているのか純情に一途である事で物語を迷走させる箇所も面白い。

今作では、ポアロを打ち負かそうとジローが出てくるが、敵う訳もなく大口を叩いて退散すると言う。

そんな中で起こるミステリーが展開されていく。
読んでいく中で少し地理的な事も必要になるが、それはさておきストリートと謎解きに関しては現代の作家では思いもつかない発想で読者を迷走へと誘いながら最後にはすっと落ちどころを持ってくる読み手にとってはこの上ない爽快感を味わうことができる。
人間性と保身のために、様々な人間模様を描いた作品です

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2025年11月07日

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ネタバレ

1作目よりも読みやすく感じてするすると読み終えることかできた。
ヘイスティングズのせっかちで早とちりで少し惚れっぽいキャラクター性が好きだったので、無事幸せになれて良かったなと思った。

1作目から引き続き読者から見た(ヘイスティングズから見た)第一容疑者が、ちょっとした情報1つでコロコロ変わっていくのがおもしろかった。

愛のために暴走したり、愛のために命を投げ打ったり、愛のために旧友と敵対したり。
今作はそんな愛の話だったなと感じた。
次作の「アクロイド殺し」は帯に問題作と言われているだけあって、なかなかおもしろいらしいのでとても楽しみ。

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2025年08月16日

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ネタバレ

前作に引き続き、ヘイスティングスの色恋による暴走に突っ込みをいれながらも、今回は遂に成功。
原作では結婚後、牧場経営で成功してアルゼンチンへ移住したという形で、今後の登場が減るらしい。
また、ドラマ版では結婚後、鉄道への投資に失敗したため破産し、イギリスに帰国して引き続きポアロの助手を務める。

回の事件では、依頼を受けてポアロ達が到着してみれば既に依頼人は亡くなっているという事の始まり。ゴルフ場というタイトルだが、遺体の発見現場がゴルフ場なだけで、他にゴルフ要素はない。
ポアロの推理は結構成り行き任せな感じがあるものの、ジローというライバルの存在や(特に落ちが笑いどころ)、この事件に深く関わりのある過去の事件など、推理自体も二転三転で面白かった。
最後は収まるところに無事収まった形で概ねすっきり。

解説は、ドラマ版ポアロの日本語吹き替えを担当・熊倉一雄さん!
ディズニー作品やヒッチコック等でも馴染みのある声。

人間というものは、じつに模倣ずきの動物であります。日々の生活の習慣のなかにおいても、非独創的であり、それと同様に、習慣のそとにおいてもまた模倣ずきなのです。かりに、ある男が犯罪をするとなると、彼が犯す他のいかなる犯罪も、きわめて類似性をおびてくるのであります。〜一度成功したのに味をしめて、そのつぎもきっと成功すると主張する、あの人間性に深く根ざしているものに服従してしまいました。そのおかげで彼は、独創性の欠如の天罰を受けなければならなかったのです。p149

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2025年08月04日

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ネタバレ

ヘイスティングがいい活躍?をしたのが印象に残りました。好きな女性のために一旦はポアロと敵対しましたが、ポアロはそれにはあまり目をくれなかったのがいい結果になったと思います。ジロー刑事はポアロを最初バカにしていた所がありましたが、賭けた500フランを置いて最後はポアロに敬意を抱いたのではないかと思いました。

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2025年01月16日

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ネタバレ

第一の殺人の被害者であるルノーが実は…というところまではなんとなくわかったのに、まさかマルトが真犯人だったとはーーーー!!!!

クリスティーの小説では書かれていること全てに何かしらの意味があるので、例えば「女性はこうこうこういうものだ」という話が事件の鍵を握っていたりする。
そういうことをちゃんと頭に入れて登場人物をさらってみると、読んでいる途中でももう少し真相に近づける気がする…

物語全体の満足度はすごく高い。
途中でヘイスティングスの行動に呆れたりもしたけど、ポアロがいいならいいんだろう…と考えて乗り越えた。
久しぶりにポアロとヘイスティングスのコンビの話を読んだけど、やっぱり友人視点のポアロは良いなあ。
ポアロの頭脳の鋭さと親しみやすさ両方が感じられる。
ジローを負かしたところは気持ちよかった。

あとがきでドラマ版のポアロの吹き替えをやっていた方の話が読めたのがすごくよかった。
ポアロのおしゃれを丁寧で行き届いたおしゃれと表現したり、物語の登場人物たちの人臭さ、ポアロを演じた役者たちの演技、どれも役者さんならではの視点だ〜と思った。

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2024年03月28日

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ネタバレ

南米の富豪ルノーが滞在中のフランスで無惨に刺殺された。事件発生前にルノーからの手紙を受け取っていながら悲劇を防げなかったポアロは、プライドをかけて真相解明に挑む。一方パリ警視庁からは名刑事ジローが乗り込んできた。互いを意識し推理の火花を散らす二人だったが、事態は意外な方向に…

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読み進めるの時間かかったー!ちょっと読みづらかった。場面の変遷が複雑というか、場所を把握するのが難しくて常に混乱気味だったかも。
ルノーの正体、真犯人、どちらもなるほど〜!!て感じだった(語彙力)真犯人の動機はありふれてるけれど、現在でも超現役な動機であって、人間て全然成長してないんだなって思った。

ジロー刑事、あらすじにポアロのライバルとして出てきたのと、登場シーンが結構印象的だったので期待していたら全然的外れすぎ&嫌な奴すぎ&役に立たなくて笑ってしまった。ポアロをここまで不愉快にさせる人間も珍しいのでは…犯罪者でもないのに(笑)

そして!解説がポアロのテレビドラマシリーズで吹き替えをしていた声優さんが書いていたんだけど、ヘイスディングス役が富山敬さんと知ってびっくりした!どこで見れるんだテレビドラマシリーズ・・・めっちゃ見たい。

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2022年03月13日

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ネタバレ

あまり期待してなかったのだが、ふつうに面白い。この人もしかして代表作群が凄すぎて、他のパッとしない作品の評価が霞み&厳しくなりがち?なんとなくロジックを重視する方は合わないかなあと。ポアロが超人すぎて、作者の思いつきをそのまましゃべっているようにしか見えないほど(笑)
複雑な人間関係トリックによる入り組んだ真相が明かされた時の快感たるや。あとベッタベタのメロドラマも自分好みで、読後感も心地よい。

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2025年11月08日

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ネタバレ

アガサ・クリスティ様々なのだけど、
展開が、展開が多過ぎるー!笑

序盤の依頼人が会う前に殺されているーー
からの話の掴みはバッチリで、食い違う証言、過去の不可解な事件とその関係者などなど、兎に角てんこ盛りなのである。いつも通りそこかしこにヒントは散りばめられているものの、気持ちよく騙されてしまう。

それにしても前々からヘイスティングズはかなり恋愛脳な人物だなぁと思っていたけれど、今回は派手にやらかしている!笑
ポアロも彼の行き過ぎた行動に呆れるやら、揶揄うやらで微笑ましい。
「パパ・ポアロの言うことを聞きたまえ」
「パパ・ポアロに任せておきなさい」
この作品で気付いたが、私はこの「パパ・ポアロ」という言い回しが好きだ。相手の本質を見出し、より良い方向に導かんとするポアロらしさがよく現れている。

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2024年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

殺人事件が起きてそれを解決していくので、立派なミステリーなのだが、私はコテコテのラヴロマンス作品として楽しんだ。中々ストレートな恋愛もので、その関係は子供ぽくさえ感じられる。
クリスティは、もしかしたらあまり男女間のドロドロした関係を描くのは得意でないか嫌いなのかもしれない。まだ作品をそんなに多くは読んでないので断言はできないが。

謎解きの過程は二転三転してそれなりに楽しめるのだが、ジロー刑事との対決の場をもう少し多くした方がより面白い作品になったのではないだろうか。

題名も何故に「ゴルフ場殺人事件」と?マークが最後まで飛んでいました。そんなにゴルフ場が重要な役目を果たしているとは思えなかった。

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2022年11月19日

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