【感想・ネタバレ】ゴルフ場殺人事件のレビュー

あらすじ

南米の富豪ルノーが滞在中のフランスで無惨に刺殺された。事件発生前にルノーからの手紙を受け取っていながら悲劇を防げなかったポアロは、プライドをかけて真相解明に挑む。一方パリ警視庁からは名刑事ジローが乗り込んできた。たがいを意識し推理の火花を散らす二人だったが、事態は意外な方向に……。

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ネタバレ

『ゴルフ場殺人事件』は、物語の中盤で一度事件が解決したように見える瞬間があるのが特徴的だった。
犯人らしき人物が浮かび、動機もそれらしく説明され、一度納得してしまう。

最終的に真相が明かされると、途中で提示された仮の解決がいかに巧妙な煙幕だったかが分かり、「最初に納得してしまった自分も見事に誘導されていたな」と感じる読後感が残った。

『ゴルフ場殺人事件』は、一度解決したように見せてから本当の真相へ導く二段構えの構造が魅力の作品だと思った。

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2026年09月05日

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ネタバレ

『ゴルフ場殺人事件』は、死体の服装、狂った時計、偽の証言、遺産をめぐる思惑が幾重にも重なる、かなり複雑で読み応えのある一作だった。

ルノール氏殺害事件は、途中で「これで解決した」と思わせる真相が何度も提示される。しかしそのたびに、無実の人物が罪を被っていたことが判明し、事件の輪郭がさらに反転していく。ルノール氏は息子の服を着ていたという仕掛けから、ルノール夫妻の再出発の計画、ベラによる刺殺、そしてマルト嬢こそがルノール氏を殺害した真犯人だったという結末まで、最後まで油断できない。

特に面白いのは、物的証拠を重視するジロー刑事と、「小さな違和感」から人の心理と計画を読むポアロの対決。ジローも有能なのに、ポアロは真犯人が初登場した際のほんの一瞬の描写から疑いを抱いていたという。この圧倒的な余裕と、複雑な事件を最後に鮮やかに整理してみせるところが、いかにもポアロらしくて楽しい。ヘイスティングと「シンデレラ」ことダルシーの恋も、重い事件の後味を少し明るくしてくれる。

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2026年08月19日

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ネタバレ

すごく面白かった! 電子書籍で買い込んだクリスティ作品を予備知識なしで読んでるけれど、この陳腐なタイトル(笑)に反して、テクニカルな抒情ミステリとして傑作と思った。名脇役ヘイスティングスの色ボケや恋の行く末も最高だし、犯人当てミステリとしてのストーリー展開、お約束的仕掛けも効果抜群で全く色あせてない。初期作品としてそこまで知られていないような気がするけど、もっと多くの人に語られるべき作品と思った。原題はもっと洒落てるかと思ったら邦題そのまんまだった!他の煌めく作品名と比べすごいハンディを負ってる。

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2025年09月02日

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ネタバレ

こんな作品を描けるのが意味がわからない。序盤は王道のミステリー小説の謎解きだった。もちろん最初から事件解決の伏線は散りばめられているわけではあるが、いつものアガサクリスティーのミステリーという感じ。ただ過去の事件との絡み合いが凄まじかった。遺伝学、弱み、金銭問題、愛人関係と序盤から挙げていた全ての要素が、うまく噛み合い物語が収束していくのがとても美しかった。一つの長編で、あそこまで複雑に多層的に絡み合った謎解きを、最後は単純明快な論理構造に持っていけるのが素晴らしい。ラスト7割くらいのベラが出頭したところで拍子抜け感があり、油断していたが、そこから一捻りあって、全てを綺麗にまとめていく。ベラの出現も最後意味あるものにするのが本当に素晴らしい。ヘイスティングズとシンデレラ、ジャックとマルトとベラの人間関係なども最後、綺麗に美しくまとめられるのもわけわからない。アガサクリスティーのミステリーは、現実離れはしているものの、物語の序盤で謎解きのヒントは出してくれているということだ。ポワロも物語内で、ジロー刑事に対して、「フェアであるために、ヒントは出しているつもりだ」と言っていたのは、まさに筆者が読者に対して言っていたのではないかと考える。でも相変わらず、自分の脳では、物語の人間関係と時系列が複雑すぎて、追いつかなかった。えらい集中力がいるが、まあ今の自分には丁度いい程度なのかもしれない。難解な哲学書とかに比べれば。今回は過去1番で、騙されたかもしれない。それも限られた登場人物の数で、何度も展開が変わるのがしんどかった。
果たして、他の読者と比べて自分はどのくらい理解できているのか。楽しみ方は人それぞれでいいと思うのだが、あまりにも感情的に読みすぎている気がする。もう少しメタ的に、推理をしていった方がいいのだろうか。ただ少なくとも今の自分の心身の状態的には限界だった。まあ気張らずに、ほどほどに読んでいこうと思った。
それにしてもこんなすごい物語が代表作にならないアガサクリスティー恐るべし。

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2026年09月13日

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ネタバレ

犯人やトリックを考えながら読み進められて面白かった。
ただ犯人に対して、人物像などがあまりしっくりこなかった印象を受けた。
あまりちゃんと捉えられてなかったのかも、どういう人間なのか。
ヘイスティングス大尉のあたりはちょっとじんわりしたが、年齢差どんなだったかなとわからなくなった。
まあ、幸せに暮らして欲しい。

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2026年09月07日

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ネタバレ

ポワロシリーズ2作目。1作目も面白かったけど2作目も引けを取らない面白さだった。

結構序盤はスローな感じ。
大金持ちから身の危険を感じているため来てくれと懇願する手紙を受け取り、フランスに赴くヘイスティングとポワロ。
ヘイスティングは惚れ易すぎ。何なんだこいつ
は。なぜ名探偵の隣に立つ男はみんな美人に惚れやすいのか。
フランスに現れたころには依頼人はゴルフ場で殺されており、彼の妻は拘束された状態で発見された。外部犯の仕業にしてはなぜひらけたゴルフ場の真ん中で?と引っかかるポワロ。重要な証拠は1本の短い鉄パイプ。

絶対シンデレラが犯人だと思っていたが2段にも3段にも裏切られる展開だった。

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2026年07月04日

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ネタバレ

今作もミスリードに繋がる、でも真実にも繋がり得る小さな手がかりが巧妙に散りばめられていた。
それらが中盤から一気に回収されまた新たな謎を生む…もう読む手が止まらない!

今回も登場人物の描写に楽しませてもらった。
特にジロー刑事のポアロに対する振舞いの嫌味っぽさ!ひとつひとつ表現力が秀逸だなと…いるよねこういう人。

マルトについては登場シーンでのポアロが受けた印象から、絶対にこの子怪しいよなとメタ読みしつつ、やっぱり最後は騙された!
人物の印象が二転三転するのもクリスティ作品の魅力だと痛感。

本編には関係ないが、ドラマ版ポアロの吹き替え声優の解説も興味深く読ませてもらった。
作品に真剣に向き合っていて、よく研究されているんだなぁと脱帽。
ドラマは字幕版でしか観たことがないけど、吹き替え版でも観てみたいな!

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2026年02月26日

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ネタバレ

事件の真相は二転三転し、最後の最後まで気が抜けずハラハラしながら楽しめました。スタイルズ荘に続き、またも男女の愛でお互いを庇いあい捜査が難航するパターン。関係性とか過去とか、色々と複雑だったなぁと思いながらも、「今、ミステリーを読んでいるぞ!」という気持ちになりました。

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2026年01月07日

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ネタバレ

ポアロが主人公のアガサ作品の第2幕。
時代背景などを感じさせない情景を思い起こさせる書き方が面白さを際立たせる。
少々内容を書くとポアロのモナミ(親友)ヘイスティングスは少し間が抜けているのか純情に一途である事で物語を迷走させる箇所も面白い。

今作では、ポアロを打ち負かそうとジローが出てくるが、敵う訳もなく大口を叩いて退散すると言う。

そんな中で起こるミステリーが展開されていく。
読んでいく中で少し地理的な事も必要になるが、それはさておきストリートと謎解きに関しては現代の作家では思いもつかない発想で読者を迷走へと誘いながら最後にはすっと落ちどころを持ってくる読み手にとってはこの上ない爽快感を味わうことができる。
人間性と保身のために、様々な人間模様を描いた作品です

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2025年11月07日

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ネタバレ

1作目よりも読みやすく感じてするすると読み終えることかできた。
ヘイスティングズのせっかちで早とちりで少し惚れっぽいキャラクター性が好きだったので、無事幸せになれて良かったなと思った。

1作目から引き続き読者から見た(ヘイスティングズから見た)第一容疑者が、ちょっとした情報1つでコロコロ変わっていくのがおもしろかった。

愛のために暴走したり、愛のために命を投げ打ったり、愛のために旧友と敵対したり。
今作はそんな愛の話だったなと感じた。
次作の「アクロイド殺し」は帯に問題作と言われているだけあって、なかなかおもしろいらしいのでとても楽しみ。

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2025年08月16日

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ネタバレ

前作に引き続き、ヘイスティングスの色恋による暴走に突っ込みをいれながらも、今回は遂に成功。
原作では結婚後、牧場経営で成功してアルゼンチンへ移住したという形で、今後の登場が減るらしい。
また、ドラマ版では結婚後、鉄道への投資に失敗したため破産し、イギリスに帰国して引き続きポアロの助手を務める。

今回の事件では、依頼を受けてポアロ達が到着してみれば既に依頼人は亡くなっているという事の始まり。ゴルフ場というタイトルだが、遺体の発見現場がゴルフ場なだけで、他にゴルフ要素はない。
ポアロの推理は結構成り行き任せな感じがあるものの、ジローというライバルの存在や(特に落ちが笑いどころ)、この事件に深く関わりのある過去の事件など、推理自体も二転三転で面白かった。
最後は収まるところに無事収まった形で概ねすっきり。

解説は、ドラマ版ポアロの日本語吹き替えを担当・熊倉一雄さん!
ディズニー作品やヒッチコック等でも馴染みのある声。

人間というものは、じつに模倣ずきの動物であります。日々の生活の習慣のなかにおいても、非独創的であり、それと同様に、習慣のそとにおいてもまた模倣ずきなのです。かりに、ある男が犯罪をするとなると、彼が犯す他のいかなる犯罪も、きわめて類似性をおびてくるのであります。〜一度成功したのに味をしめて、そのつぎもきっと成功すると主張する、あの人間性に深く根ざしているものに服従してしまいました。そのおかげで彼は、独創性の欠如の天罰を受けなければならなかったのです。p149

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2025年08月04日

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ネタバレ

「ドーブルーユ母子から逃げるためのコンノー夫妻の偽装殺人」と「金銭のために恋人の両親を殺害しようとしたマルトの2つの殺人(片方は未遂)」だから、ドーブルーユ母とコンノーの過去に起因した問題とはいえ、犯人当ての魅力はあまりなかった。
でも、「ルノー=コンノー」説は気づいた時に「もしかして!?」となるので大分面白い。子供の頃に初めて読んだ時は気づかなかった気がする。

内容忘れてたので再読。

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2026年10月07日

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ネタバレ

あまり期待してなかったのだが、ふつうに面白い。この人もしかして代表作群が凄すぎて、他のパッとしない作品の評価が霞み&厳しくなりがち?なんとなくロジックを重視する方は合わないかなあと。ポアロが超人すぎて、作者の思いつきをそのまましゃべっているようにしか見えないほど(笑)
複雑な人間関係トリックによる入り組んだ真相が明かされた時の快感たるや。あとベッタベタのメロドラマも自分好みで、読後感も心地よい。

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2025年11月08日

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