あらすじ
本を読むことの意味は何? 案外答えにくい問いに、「読書によって…の力がつく」という形で答えていきます。コミュニケーションの力、人間を理解する力、さらに、自分をつくり、鍛え、広げることと、読書との関わりを示します。工夫や注意点、楽しみと辛さも述べて、活字離れの現代、あらためて読書の本質を考える1冊です。
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Posted by ブクログ
読書は、自己形成や正しい倫理観の育成、会話力の向上に役立つ。現代では読書は「当然読むべき」ものから「読まなくてもいい」ものに変化してしまった。硬い文体の難しい本は嫌われ、本を買う習慣がなくなったことがそれに拍車をかけた。今日本では、読書文化が急速に衰退している。それに伴って日本の底力も低下している。今こそ読書力を日本人が身につけるべきだ。
読書力とは、「精神の緊張を伴う読書」を習慣づけて当たり前に行えることを指す。読書力は適切な本を継続して読みこなすことで鍛えられる。読書力の判定基準は、「文庫系百冊新書系五十冊」を四年で読めるかどうかである。
文庫は名作文学が多く、自己形成としての読書がしやすい。また、持ち運んで読むように作られているので日常の中に読書が溶け込んでいる人が達成しやすい基準になっている。
新書は、学問の大家が一般人向けに書いている質の高い啓蒙的な物であり、学問の入門書として最適だ。また、より高い知識体系への入り口になっており、知識欲が掻き立てられるので自分の世界を広げてくれるので新書を苦なく読めるのは大切な技能だ。
以上が、読書力の定義の要約である。
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何回も読み返している愛読書。
1つのものを絶対視するようでは知性や教養があるとはいえない。物事を多角的にみることができるように読書をしよう。そう思わせてくれる1冊。この本がきっかけで、個人的に文庫本100冊、新書50冊読破プロジェクトを始めた。
以下、好きな部分を抜き書き
・読書の幅が狭いと、一つのものを絶対視するようになる。教養があるということは、幅広い読書をし、総合的な判断を下すことができるということだ。目の前の一つの神秘にすべて心を奪われ、冷静な判断ができなくなる者は、知性や教養があるとは言えない。
・矛盾しあう複雑なものを心の中に共存させること。読書で培われるのは、この複雑さの共存だ。自己が一枚岩ならば壊れやすい。しかし、複雑さを共存させながら、徐々にらせん状にレベルアップしていく。それは強靱な自己となる。思考停止するから強いのではない。それは堅くもろい自己のあり方だ。思考停止せず、他者をどんどん受け入れていく柔らかさ。これが読書で培われる強靱な自己のあり方だ。
・ためらうことは力を溜めることでもある。一つに決めてしまえば気持ちは楽になるが、思考が停止してしまいがちだ。思考を停止させずに吟味し続けるプロセスで、力を溜めることができる。
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私が本格的に読書を行うに至るきっかけとなった本であり、齋藤孝氏の書籍との初めての出会いです。
読書力の目安として、文庫100冊、新書50冊を読む(=要約をいえるようにする)ことが掲げられています。
客観的根拠に基づく値というよりは著者の主観であるという点は否めませんが、読書を始めるにあっての当面の良い目標・指針を立てることができたのはよかったと感じています。
日本には聖書のような唯一絶対の本がないため、たくさんの本を読む必要があったのではないかという話は非常に興味深いと思いました。
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「読書を日本人すべての必須科目にするべき」という本。個人的に受験勉強はやった方が良いがやらなかった人がどういう教養を学ぶべきかを考えていたが、読書はその一つだと思った。聖書のような全員が読む「The book」が無い国日本にとって、氏の掲げる「文庫100冊、新書50冊」の基準は、とても分かりやすいし、日本人全員が読むべきだと思うし、巻末にある文庫100冊は40歳までに読みたいと思った。新書50冊のリストが無いのが残念。
残念な点。最初に書かれているオウム真理教に理系の人が多かった論は、読書の重要性を語るポジショントークにしても、理系に対する無理解と偏見に満ちていると感じ、理系の私からすると余計だと思った。文系の人が身につけていない論理性という物もあるのだけどね、と思った。
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なぜ読書が必要なのか?と聞かれたら、「他者性を理解し、自己と向き合うため」だと、わたしは答える。
人は言語で思考する生き物なので、語彙が豊富であれば当然思考も豊かなものになる。
【読書をしてきた人間が、別に読書をしなくてもよいという無責任な発言をすることに腸が煮えくり返るほどの怒りを覚える】という主旨の文があって笑った。
そんなに腹が立つのか。作者の読書愛をひしと感じた。
本書でも語られているように、読書が自己形成に大いに影響を及ぼす、という感覚は共感できる。
会話をある程度すれば、その人が読書習慣を持っている人なのかどうかも、あらかた推察することができる。
さて、この本で定義している読書力とは「要約力」である。この、要約力を鍛えるためには、3色ボールペンを使って、常に話の本筋を意識しながら読むことが必要だ。
そして、こういった要約力(読書力)を鍛える書籍は、「多少とも精神の緊張感を伴う歯ごたえのある読書」感を与えるものがよいそうだ。
なるほど。たしかに、40代、50代で「趣味は読書」と言っておきながら、ラノベオンリーのラインナップはちょっと違うかな? と感じてしまうかもしれない。
自分の本棚が岩波で埋め尽くされていたら、それはかっこいい!(現実は違います)
わたしは、本に書き込みをするのが苦手・・・。
たぶん貧乏性。
子供のころ、お小遣いでやっと買えた本があまりにも神々しかったので、折ったり、書いたりなんてもったいない! って思ってしまう。
一冊を斜め読みもできない。せっかくお金出して買ったのに、全部読まないなんて! 無駄かどうかも読んでから決めたい! やっぱり貧乏性・・・。
とりあえず、年間で新書50冊読破を目標に、ゆるりと読んでいこう。
Posted by ブクログ
読書を通じて様々な体験をしていると自分の
存在や抱えているものがちっぽけに思えてくる
これは逆境に立たされた際必要になる感覚だ
また書き言葉を話に混ぜると知的に見えるというこれは本当かどうかわからない
衒学的と言って知識や教養をひけらかすよくない使い方もあるから
でも教養小説を読んで自己形成していくのは長い目ででみた場合プラスになると思う
散文的になったが要は本を読もうということだ
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新書はほとんど読まないので、読み切れるか不安もありながら購入。
本を読む時に実践してみたいことが沢山書かれているし、この本を開いたら読書のモチベーションが上がる! 最後に著者が選書した文庫百選がのっているのも嬉しかった。
全体を通して難しい表現も少ないので、読書初心でも読みやすい新書だった。
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本書は読書をすることでただ知識が増えるだけではなく自分がより深みのある人間性を身につけるという自己形成を発展させることに役立つと述べている。その方法として様々あるが私が気に入った方法は音読をしながら読むこと、子供に読み聞かせをすること、3色ボールペンを使いつつ線を引くこと、マッピングコミュニケーションすることである。
音読をすることで内容を瞬時に理解できるだけでなく自分が文を卒なくスムーズに言えてるかも知ることができる。読み聞かせは子供の発育に大いに貢献できるのみならず自分自身も楽しむことができる点が魅力的だ。色ペンを使って線を引くことはその本の要旨を把握でき自分の要約力を養わせることができる。また時間が経った後で見返しても内容を思い出しやすい点に良さを感じた。マッピングコミュニケーションは文字だけを見ただけでは把握しづらい際に自分で図を書くことで内容理解を容易にさせる点に面白さを感じた。
本書を読んだことでたくさんの異なるジャンルの本を読むことは自分の視野を広げるだけでなく自分のコミュニケーション力をも格段に上げることができると知ることができた点は益々私を読書に心酔させるだろう。
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新書を読みたくなって購入。
文庫100冊、新書50冊を読書力の目安としている本書。読書はしなければならない。それは、価値観や多様性を身につけるために必須であるからである。
本を読んだらすぐ人に話すということは実践したいと思った。また、感想をシェアするときは、短くても引用を持ちいると深い話になるということもよい勉強になった。
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読書習慣のない人向けの読書勧誘書。初心者が押さえておくべき基本的な心構えと具体的な方法論が載っている。
読むべき本として推奨しているのが、「精神の緊張を伴う読書」である。というのも筆者は「思考力を鍛える」ことを読書の目的として考えているからである。
そんな多少重みのある本を読み進めれば当然だが、わからない箇所に出会うことになる。そこで、筆者は“わからない”を“わかった”にするために「ためる読書」が必要だと説いている。
わからない文章に出くわしても、わからないなりに格闘し、無理そうなら、いったん次の文章へ進みまた読み返してみる。その反復運動を継続して、いつしかわからなさを克服したとき(わかった!)、読書のレベルが一つ上がったことになる。
わからなさをスルーせず、溜めて、摩擦力を昇華させることが緊張感ある読書との向き合い方なのだ。
基本的な心構えではあるが、「ためる読書」は初心者に限らない広く通用する態度であると感じた。
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すきな本しか読んでこなかった私には耳の痛い話もあったが、本を読み続けていこうと改めて思わせてもらえた。
仕事で人と話す機会が多く、会話力をあげたい私にとって、「脈絡のある話し方」のところはとても気になる内容であった。
「相手の話の要点をつかみ、その要点を引き受けて自分の角度で切り返すこと」参考にさせてもらいます。
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2002年の本だけど古さを感じない
読書の良さの普遍的な事が書かれている
単なる娯楽のための読書ではなく
多少とも精神の緊張を伴う読書がこの本のテーマ
筋トレがフィジカルなトレーニングだとしたら
読書はメンタルのトレーニングなんだと思った。
古典や純文学に触れることで読解力が深まり
コミュニケーション力も上がる
ミステリやどうしても「結末」を求める読書をしがちなので、これを機に古典に触れていこうと思った。
著者オススメの本が最後の方にずらっと記載してあって
それだけでも買った甲斐がありました。
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文庫本読む時期があってから新書に入ったほうがいいっていうのがあって、僕は新書ばかり読んでるからちょっと文庫本も読まないといけないなと思う。
本は全部読んでナンボだと思っていたが、別に8割とかでもいいと書いてあって、確かにそれでよくなるところもあるだろうけど、全部読まないともったいないなという気がする。
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我々にとって本を読むこと自体は自然な行為ではない。でも読書をするという行為をスポーツのように捉えて鍛えることができるよ、ということで現代に生きる私たちにもわかりやすい。
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自分も読書をする方ではあっても、周りの人に対して、「読書はするべきだ」とは強く言えないなと思ってる派です。齋藤先生には「欺瞞だ」と怒られそうです。
読書の効果や恩恵などを自分では強く感じていても、他人が読書するかしないかは自由なのかなと思ってしまいます。
私が周りに読書を提案しても、「今の世の中にはすごいアニメがあるからそっちを観た方がいいよ!鬼滅の刃おすすめ!」と逆に言われてしまいます。
意味のある読書は、同じ本を読んで感想を共有することで、友人や家族と過ごす時間を素晴らしく充実させ、そのあとも自分の日常における判断に影響を与えています。そして、時間が経てば経つほど、その経験が自分の中で醸成されていってるのを感じています。
読書会なども行ってみたいですが、勇気が無いです。
また齋藤先生に喝を入れられそう。
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【以下、オリジナル要約】
日本は読書立国だ。江戸時代における日本の識字率は、当時の世界水準と比較して著しく高かった。明治維新以降、日本は近代化の要請で急速に情報や思想を吸収する必要に駆られ、読書を中核とした向学心の伝統が培われた。この際、日本には聖書のような唯一絶対の価値を持つ本がないため、国内外の雑多とも言える本を積極的に読んできた。日本ではこの大量の読書が、いわば宗教による倫理教育の代わりをなしていたと言えるだろう。
しかし、日本では本は「当然読むべきもの」から「別に読まなくてもいいもの」へと変わってしまった。「本を読む読まないは自由」ではなく、少なくとも大学生に関しては100%読書をしなければならない。ここでの「読書」は「面白いことが最優先される読書」ではなく、「精神の緊張を伴う読書」を想定している。
「読書力がある」というラインを「経験」という観点から捉え「文庫100冊、新書50冊を読んだ」とする。「読書力」の効用は以下の2つだ。
①自己形成ー本を読まなければならない理由は、まず何よりも「自分をつくる最良の方法だから」だ。幅広い読書をすることで総合的な判断を下すことができるようになり、経験と思考を積み重ねることでアイデンティティはより重層的に安定してくる。また、読書は言葉を多く知ることができる。色々な言葉を知っていることにより、感情や思考はより複雑で緻密なものになっていく。
②コミュニケーション力ー読書をするとコミュニケーション力は格段に上がる。人の話には幹と枝葉があり、相手の話の幹をしっかり押さえる力は、読書を通じて要約力を鍛えることで格段に向上する。また、それぞれ自分の主張やペースを持つ複数の著者と付き合うことで、聞く力は練れてくる。
読書は高度に知的な精神的活動であると同時に、身体的行為である。スポーツと同じような上達プロセスがある。本を自分のものにするためには、線を引き、自分を積極的に本の内容に関わらせていかなければならない。
Posted by ブクログ
読書のモチベ維持のために、10冊に1冊程度の割合で、「読書」をテーマとした本を読むことに決めました。そのルールを課してからの2冊目です。
前回の読書本とは、異なる考えもあり、面白かったです。
筆者が、「読書力がある」ということに対して、「まずは文庫本100冊・新書50冊読むこと」と定量的な基準を定めていて、この部分は非常にモチベアップにつながりました。私もまずはそこを目指してみようと思いました。
一方で前回読んだ読書本とは異なる考え方だと思ったのが、どんな本でも良いわけではなく、少し精神的に負荷のかかるような硬い本を読むように促している点です。私は、その時々で自分の読みたい本(勿論、硬い本も含め)を読みたいと考えているので、この点はあまり賛同できなかったです(私に読書力がないから、このような思考に陥っているだけかもしれませんが…。)
この本の中で、自身が重要と思った点に赤線を引くようにありましたが、私がこの本に線を引くとしたら、以下の2文です。
「自分の狭い世界に閉じこもって意固地になったり、自分の不幸にすべて奪われたりする、そうした狭さを打ち砕く強さを読書は持っている。」
「本をフロム・カバー・トゥー・カバーという形で全部読み通さなければ納得しないという考えを捨てることによって、本との距離はぐっと近づく。」
1文目は、読書をする目的として、私が探し求めていた答えのような気がして、思わずメモをとっていました。
2文目は、今後読書していく上で、参考にしようと思いました。これまでは、全部読むことに重きを置いていたように思うので、もう少し肩の力を抜いて、読んでみようと思いました。
本の最後に、著者のおすすめ100選があったので、気になった本は読んでいこうと思います。
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この本は自分にとっての読書の入門書。初心に立ち返りたいときに読もうと思える素晴らしい本であった。重要と思える内容が多すぎて、赤線だらけになったのはいい思い出。
(編集)
いや、やっぱり、自分の好きな本を好きな時に読もうと思うようになった。でも、読書をするきっかけにもなった本だから、星を4にする。
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齋藤孝さんは同年代だ。だから読んでいた本に重なりがあって嬉しい。
この本を読むと、ますます読書がしたくなる。
特にちょっと難しめの歯応えのある本を。
ただ学生時代とちがうからどうかなあ。
教育における読書の大切さ
読書力を向上させる取り組みの大切さ
が語られる。
確かに受験勉強と読書が並行できない今の受験のあり方には問題がある。
要約力を高め、自分の考えを鍛え、広めていく読書は教育の中枢にあっていい。
教師が普段から読書し、少しでも今読んでいる本について語る時間を設けるというのはいいと思う。
忙しいのは重々承知だが、がんばって、先生たち。
Posted by ブクログ
・読書の重要性の再確認
・本を読んだ=要点を言えること。半分しか読んでなくても主旨をつかまえていたらOK
・沢山本を読むことで肝心ならところを捕まえる練習をする
・本を読んでいる自分の行動が素晴らしい。自らの行動で新しい考え方に出会ったりすることができる。
読書で得たものは苦労しただけに充実感もある
→自己肯定感UPにも繋がる
・褒められるということは、自己を他者から肯定されているということ。つまり、自分がこの世に存在することに自信を持つことができる
→子供を褒めることで子供の自己肯定感も上がる
本は著者という先生と、自分との2人だけの講義。
先生の生きてこられた経験を元に、貴重なお話を聞くことができ、それを自分の人生に活かすことができる。
読書により、対話力や論理的思考力向上させることができ、ヒューマンスキルUPにつながる
Posted by ブクログ
序章を読むだけで価値のある本。
本を読んでこなかった人なら、本を読む素晴らしさを認識できる。
本を読んできた人なら、自己を肯定してくれるような感覚を覚えるし、読書力を磨く欲が出てくると思う。
「「本はなぜ読まなければならないのか」という問いに対する私の答えは、まず何よりも「自分をつくる最良の方法だからだ」ということだ。」p50
新書を読むレベルの読書力がついてきたと実感する。
新書に煩わしさを感じることはもうない。読書力の定義として、文庫100冊というのは私の本棚からも説得力があるものだ。次は新書50冊を目指す。
もっと緊張感のある本をたくさん読みたいと思う。岩波文庫を選択肢の一つとして読み進めたい。
Posted by ブクログ
私の読書は乳歯レベル。永久歯レベルの読書もしていきたい。
三色ボールペンを用いて読書してみようと思った。
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本を読むことは、生きる力とどうつながるのか
Posted by ブクログ
読書の効用、読書を通じて得られる物について書かれている。
「読書は著者と読者の1対1の場」というようなことが書かれていたのが印象的であり、総じて面白い内容だった。
Posted by ブクログ
読書のモチベーションがますます高まりました。
読書はする、しないかは自由ではなく、
「読書はしろ‼️」と言い切るところが、著者の読書に対する重要性をぐっと感じた。
文庫100冊をまず目標にして、著者のおすすめのリストから読み始めたいと思います。
Posted by ブクログ
読書をすることで何が得られるかがわかる本。本をたくさん読んだ人は文章にも重みがあると感じた。本を読むことで、教養を深めたいと思った。おすすめの本も多く紹介されていた!
Posted by ブクログ
読みたかった斉藤孝先生の本。改めて読書の大切さを思い返したかったのと、読書をする上で重要なことは何かを知る為にこの本を選んだ。三色ボールペンで線を引いてしまうのは、何となく嫌に思っていたが案外良いかもしれない。
Posted by ブクログ
2002年出版の本書。私の手元にあるのは22刷で2007年に出版されたもの。齋藤孝の著書は柔らかいものが多いが、この頃だからなのか岩波新書だからなのか、本書は気合い入れて書いている。読書に対する、また本に対する熱い思いが伝わってくる。
「読書の効能」や「読書の指南」はいいとして、読書力を養成するために、「文庫100冊、新書50冊」という具体的な目安を提示しているのが良い。また、巻末の本の紹介も良い。齋藤孝は「読書のススメ」を何冊か書いているが、彼の言いたいことは本書で尽くされているのではないか。
本書の出版から20年以上経つが、活字文化は復興しそうにない。この感想を仕事帰りの電車内で書いているが、周りをぐるりと見回しても本を読んでいる人が見当たらない。老いも若きもスマホを見つめている。本屋もどんどんなくなっている。活字文化は衰退した。松岡正剛も死んだ。