あらすじ
季堂鋭太は悩みの種をふたつ抱えていた。ひとつは、夏川真涼。偽彼氏契約の破棄を申し出て、今度は千和との仲を応援すると言い出した!? もうひとつは、冬海愛衣。予備校から飛び出してしまった冬海を探して街に出た鋭太は、歩道橋の上で言い争いをしてしまう。そんな修羅場に意外な人物が登場。「一緒に暮らそうね、我が息子♪」 それは、一年前に蒸発した鋭太の母親、季堂美星だった。恋愛アンチの原因とも言える彼女の登場に混乱する鋭太は、愛衣の家に泊まることに!? 一方、真涼の元にも父から信じられない連絡がきていた……。裕時悠示×るろおが贈る、甘修羅らぶ×らぶコメディ第8弾! ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
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Posted by ブクログ
鋭太を捨てて男とともに家を出た彼の母親の季堂美星(きどう・みほし)が、とつぜん家にもどってきます。母親を許すことができない鋭太は、家を出て愛衣の部屋に泊ることになり、愛衣はいっそう鋭太に対して積極的にアプローチするようになります。一方、鋭太と千和の幼なじみのきずなを知って身を引くことを決意した真涼は、そんな愛衣の振る舞いを苦々しく感じていました。真涼は、鋭太と千和が結ばれるために、愛衣に対する妨害をはじめます。
そんななか鋭太は、学年トップの成績をうばわれることになった最上(もがみ)ゆらの父親の話を聞くことになります。ゆらの父は整形外科で、かつて千和の主治医でしたが、千和は剣道をつづけることができなくなり、そのことがきっかけで鋭太は医者をめざすことを決意しました。医者の仕事は「負け戦」であるという、ゆらの父のことばを聞き、さらに千和が剣道をつづけることができなくなった自分自身の境遇を受け容れて前に向かってあゆんでいることを知った鋭太は、あらためて自分自身の目標として、医者をめざします。
他方、鋭太と千和の心のつながりを知った愛衣は、自分が二人のあいだに割り込むことはできないとショックを受けたものの、やがてそれを乗り越えて、鋭太への想いをつらぬく決意をします。
真涼の迷いが依然としてつづいていますが、彼女が自分自身の問題に決着をつけて、元の毒舌キャラにもどる日は果たしてやってくるのでしょうか。