あらすじ
冥王星の彼方から、〈巨人たちの星〉にいるガニメアンの通信が再び届きはじめた。彼らは地球を知っているガニメアンとは接触していないにもかかわらず、地球人の言葉のみならず、データ伝送コードを知りつくしている。ということは、この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない……それも、もうかなり以前から……! 5万年前に月面で死んだ人々の謎、惑星ミネルヴァを離れたガニメアンたちの謎など、絡まった謎の糸玉がみごとに解きほぐされる。星雲賞を受賞した不朽の名作『星を継ぐもの』に続く、シリーズ第3弾!/解説=山之口洋/*本電子書籍は『巨人たちの星』(創元SF文庫 新装新版 2023年9月8日初版発行)を底本としています。
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Posted by ブクログ
序盤(テューリアンと接触するまで)は、どの通信がどこからのどういう性質のものなのかというのが結構複雑でイメージし辛く、なかなか読むのに時間がかかった。テューリアンと接触してからはイメージしやすくなったため、面白さも増した。
三部作の第三作ということで、前の二作とは変わって異星人の政治事情や戦いが中心となっている。そしてガニメアン、地球人、ジェヴレン人の3つの人種の因縁の決着がつく。
テューリアン、シャピアロン号のガニメアンたちと地球のハントたちが惑星の距離を隔てて共闘する様は緊迫のシーンもあって面白いし、ジェヴレン人のスパイであるスヴェレンセン邸に乗り込むシーンと寝返ったヴェリコフの活躍も良かった。
ダンチェッカーの謎解きが好きなので前二作と比べて控えめだったのはちょっと残念。迷信とか神秘とかがジュヴレン人の仕業というのはまたありそうな話に思えて面白かった。(陰謀論ぽくなるけど…。)
最後どうやって結ぶのかと思ったけど、なるほどと思える最後だったし、終わり方も好みだった。
Posted by ブクログ
シリーズの三作目。今作も非常に面白い。
星を跨いで巡らされる謀略を主軸に展開するストーリーはこれまでの二作とはまた異なった面白さがあった。地球内外で政治バトルしてた。
人類の非科学的な思考は異星人による科学進歩の妨害だった、という作者の発想には驚かされた。
本文最終行で「星を継ぐもの」のタイトル回収はアツい。
Posted by ブクログ
「星を継ぐもの」シリーズの三部作目。
前作で見送ったガニメアン達の故郷から送られた通信に不可解な部分がありその謎追ううちに衝撃の事実が…!というようなストーリーだった。
個人的にシリーズ三部作の中で一番好きだった。
二作目のときに釈然としなかった部分が、納得できる形でストーリーに取り入れられていてすっきりした。
2部にはなかった人間の利己的で攻撃的なところを、ジェヴレン人が見せてくれたので、待ってました!と大満足でした。
Posted by ブクログ
前作までとは少し違ってミステリもありつつ、アクション要素もあるような作品になっていた。3勢力が入り混じり、登場人物も前作までと比べてかなり増えるので相当複雑になっている。正直途中で少し物語に置いて行かれるところがあった。
月にいた2種類の人類のうち、片方は地球に移住し、もう片方はガメニアンに連れられてシェヴレンという星に移住したというのが今作で明らかにされる。そのシェヴレン人が裏で暗躍し地球人を支配していたという構図はかなり陰謀論ぽさ感じた。
最後はループが閉じるように完結するのだが、タイムパラドックスが起きないのかと少し思うところはあった。
あとハント博士がいつの間にかリンと付き合うような仲になっていたのはびっくりした。前作まではほぼ空気だったので存在を忘れかけていた。前作の最後の方でナンパしてた女性はどうなったのよ。