あらすじ
「戦艦などは、遠からず無用の長物になるはずだ」
昭和一六年。満州国を巡る日米間交渉は、互いの主張が平行線をたどったまま打ち切られる。
米国はダニエルズ・プランのもと、四〇センチ砲装備の戦艦一〇隻、巡洋戦艦六隻をハワイとフィリピンに配備。アジア艦隊を増強して軍事的圧力をかけ続けた結果、西太平洋の緊張は極限に達していた。
この強大な国力に比するべくもなく、日本は戦艦の建造を断念する。海軍の主力を空母と航空機とすることで活路を見出そうとするが、航空機で戦艦に勝てるものなのかは確証が得られていなかった。
日米戦争が勃発すれば、敵の大艦隊が一気に日本本土へ迫り来るであろう。
連合艦隊は、この事態を食い止めることができるのか!?
感情タグBEST3
リアリティはある方かな
日本が有利に戦いを進める展開の架空戦記には、日本が独自にスーパー兵器を開発しちゃうとかのトンデモな設定がありがちだが、この話はそれがかなり抑えられている。
戦う相手はアメリカだけ。
ドイツ、ロシアではヒトラー、スターリンがそれぞれクーデターで失脚。強国とはなっていない。
日英同盟はまだ続いており、他の欧州国とも友好な関係を維持、英国から優秀な電子機器やエンジンを輸入したり、東南アジアの欧州植民地から資源も供給されたりして、工業の発展も途上で資源に乏しい日本が戦争を続けられることにある程度の根拠を与えている。
それなりのリアリティを持った架空戦記として楽しめる作品だと思う。
蒼龍型、翔鶴型空母の姉妹艦が増えているのも嬉しい。
************************* 2025/06/19 追記 *************************
何度か読んでストーリーが分かってくると、ちょっと都合良すぎな部分も見えてくるけど、そこは架空戦記を成り立たせるために仕方ない部分だと思う。
最後まで読破し、他の横山氏の作品もいくつか読んだが、いちばんストーリー的にまとまっていてリアリティと架空部分のバランスがいいと思う。
架空戦記の傑作じゃないかと思う。
Posted by ブクログ
タン タン タタンタン♪ タン タン タタンタン♪
山本GF長官、今回の君の任務は、大艦巨砲主義をやめた帝国海軍を率いて、最長二年を目安に対米戦を有利に遂行することだ。なお、米海軍には、ダニエルズプランに基づく最新鋭の戦艦10隻、巡洋戦艦6隻が所属しているが、大本営は一切関知しない。
テテー♪