【感想・ネタバレ】サキの忘れ物(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

自分には何にも夢中になれるものがない――。高校をやめて病院併設の喫茶店でアルバイト中の千春は、常連の女性が置き忘れた本を手にする。「サキ」という外国人の男性が書いた短篇集。これまでに一度も本を読み通したことがない千春だったが、その日からゆっくりと人生が動き始める。深く心に染み入る表題作から、謎めいた旅行案内、読者が主役のゲームブックまで、かがやきに満ちた全九編。(解説・都甲幸治)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いろいろな趣きを楽しめる短編集。

表題作は、素敵で温かい気持ちになった。

「行列」はなんとも言えないもぞもぞした感覚に。
世の中そのものが、〝あれ〟の行列に並んでいる人のように
お得と思っていたら、あれこれ売りつけられているのかな〜と思ったり。

「Sさんの再訪」はラストのキレが最高!

ゲームブックは、何度かバッドエンドになりながらも
いろんな経路をじっくり楽しめた。
物語そのものは不思議な感じ。
ちゃんと人と関わろうとすると救われ、
知らんぷりするとバッドエンドになりやすいのかな、と。

0
2024年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どの物語も、普段の日常的で起こりそうなんだよなあ、と思う。ありふれていそうな事が、津村さんの手にかかると途端に面白くなる不思議。「行列」
も「河川敷のガゼル」も、ガゼルが何なのか、何を見るために行列に並んでいるのか明らかにされないし、読者の想像でしかないけれど、自分が体験したような既視感のある風景が浮かんでくる。
「サキの忘れ物」は素敵な物語だった。仕事って誰もが楽しく働けるわけじゃないし、色々な思いを抱えながらやってるけど、もし一つでもこんな経験があれば、それを糧に働いていけるんだよなあと思う。

0
2024年08月17日

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