あらすじ
自分には何にも夢中になれるものがない――。高校をやめて病院併設の喫茶店でアルバイト中の千春は、常連の女性が置き忘れた本を手にする。「サキ」という外国人の男性が書いた短篇集。これまでに一度も本を読み通したことがない千春だったが、その日からゆっくりと人生が動き始める。深く心に染み入る表題作から、謎めいた旅行案内、読者が主役のゲームブックまで、かがやきに満ちた全九編。(解説・都甲幸治)
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Posted by ブクログ
いろいろな趣きを楽しめる短編集。
表題作は、素敵で温かい気持ちになった。
「行列」はなんとも言えないもぞもぞした感覚に。
世の中そのものが、〝あれ〟の行列に並んでいる人のように
お得と思っていたら、あれこれ売りつけられているのかな〜と思ったり。
「Sさんの再訪」はラストのキレが最高!
ゲームブックは、何度かバッドエンドになりながらも
いろんな経路をじっくり楽しめた。
物語そのものは不思議な感じ。
ちゃんと人と関わろうとすると救われ、
知らんぷりするとバッドエンドになりやすいのかな、と。