あらすじ
自分には何にも夢中になれるものがない――。高校をやめて病院併設の喫茶店でアルバイト中の千春は、常連の女性が置き忘れた本を手にする。「サキ」という外国人の男性が書いた短篇集。これまでに一度も本を読み通したことがない千春だったが、その日からゆっくりと人生が動き始める。深く心に染み入る表題作から、謎めいた旅行案内、読者が主役のゲームブックまで、かがやきに満ちた全九編。(解説・都甲幸治)
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Posted by ブクログ
SF(少し不穏)な短編集。
・サキの忘れ物
人生を変えてくれる出会いと一歩踏み出す気持ちが導く素敵な話。千春のことを心から応援したくなります。
・王国
自分も子どもの頃からラッパムシが見えてました。ソノミは生きづらい子ども時代を過ごすのだろうけど、いつかきっと誰かにわかってもらえるはず。
・ペチュニアフォールを知る二十の名所
こういう不穏な話大好き。最近だと坂崎かおるさんの作品にも通じるものがあると思いました。
・喫茶店の周波数
もやもやするやりとりだ終わりそうで最後にあかりちゃんが来て幸せな気分で終われるいい話
・Sさんの再訪
これも不穏なのに最後に一歩踏み出す気持ちをくれるのが好き
・行列
最後まであれが何かわからないところが絶妙にもやるけど、世の中に少なからずいる想像力が圧倒的に欠如している人々や、自分だけはそれをしなくてもいいと思っている人々のことがそれはそれはうまく描かれていて、最後の私の決断と行動に拍手を送りたくなります。
・河川敷のガゼル
最後の場面は大袈裟に言うと「カッコーの巣の上で」のエンディングみたい。それでいいんだ。
・真夜中をさまようゲームブック
これも不穏すぎ。やってみたけど自分は逮捕か死にしかたどりつきませんでした。
・隣のビル
「十二月の窓辺」のような話。ああ津村さんの作品だと唸らされます。
オススメです。