あらすじ
連続爆破事件の共犯者という疑惑が残る鈴木一郎が連続殺人犯だというスクープが地元紙に載る。かつて精神鑑定を担当した真梨子に注目が集まる中、警察捜査の裏をかくように行動する鈴木一郎。残虐行為を繰り返す美貌の殺人者とは何者なのか? 乱歩賞受賞作『脳男』から7年、更なる問題作が満を持して登場。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
「脳男」の続編。7年の間を空けて刊行されたとのことで、私は続けて一気に読めてラッキーでした‼︎
正直、上巻は、要素の多さに、その一つ一つのエピソードの細かさに、「いったいどこへ行くのだろう?」と事件のメインを見失いそうになりましたが、下巻ではパラパラだったそのピースが次々とハマっていき、勢いよく読みました。面白かった‼︎
(しかし…前作に続いて…なんでこの題名なのかなぁ?いや、ラストでなんとなく分かるけど、違う題名でも良いような気がする…個人的感想です)
それにしても、読後に強く考えさせられるのは、、、『精神』や『心』という目には見えないもの、どこからが異常で病気なのか?そして、それが犯罪と関わった時、その人をどう扱うのか? ということ。
また、私自身は、神社仏閣や教会を見たりするのは大好きだけど…。
信仰とか救い、神の存在、それってなんなんだろう?
などなどの、シンプルな問いが頭の中をぐるぐるしてます。
おそらく答えは出ない。
いずれにせよ、やっぱり犯罪の動機には、復讐心というのは、大きなものであり、もちろん罪は罪としても…己の勝手な哲学のために、人を加担させるのは罪深いなぁと思ったのでした。
前作同様の中心人物は、
怪物と思われている鈴木一郎、
精神科医の鷲谷真梨子、
県警の警部、茶屋。
被害者も多く、凄惨な殺され方や、精神病の扱いなど、息が詰まる苦しい展開の中、分かりやすく身体がデカく、常に真っ直ぐ前を見て言いたいことを言う、茶屋警部の存在は、このシリーズのなかでは、むしろ救いなのだわ…と思いながら読み終えました。
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「人間はね、恐怖に駆られるとなにかに頼りたくなるの。なんでも良いからできるだけ大きな物の陰に隠れたくなるの。でもそれは自分の意志を誰であれ他人に明け渡すということよ。わたしは人間が人間であるのは誰にでも意志の力が備わっているからだと思っている。だから他人に意志を明け渡してしまったらその人はもう人間とは呼べない。自分の意志を明け渡し場所がたとえ『科学』という名の判断基準だとしてもね。」めちゃくちゃ面白かった。
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上巻は、「あ〜日本人の癖に聖書ネタに、それもベタいところに手を出して〜下手なハリウッドもんみたいになるのか〜、やっぱ賞を取った本の続編はダメになっちゃうのね・・・ところで表題の鈴木さんは一体いつ出るのかしら〜」と思いながら読んでたけど、下巻途中からあれよあれよと話がすすみ結果後半一機読みしたので★×5にしてみた。
場面が飛び飛びで登場人物も横文字の人が増えてるから、名前頭に叩き込みながら読まないと(個人的に横文字覚えるの苦手なので・・・)あとでアレッてなるかも。
2012年10月現在、1冊目「脳男」が生田斗馬主演で2013年の映画公開が決まってますけど、1冊目なら「生田斗馬、あ〜悪くないかも〜」って感じでしたが、この2冊目は生田斗馬はちょっと難しいかなな。そして今ついでに茶屋が誰か見たけど・・・それはちゃうっっ!!
どうなるの…
シリーズ最初の「脳男」を再読して、続けて読みました。
途中まで、本当に続編?疑いながらでしたが、あぁそう繋がるのかと腹落ちしました。
潘マーシーという人には共感できませんでしたが、哀しみという感情の連鎖が人を残酷にするのは、わかる気がします。
なら、感情がないはずの鈴木一郎の行動の源になっているものは何か?
続きが気になります。
Posted by ブクログ
映画化もされた脳男の続編下巻。
上巻で不可解な行動をとっていた鈴木一郎の真の目的が明らかになるとともに、寒河江治をはじめとする精神病経験者が引き起こした事件の謎、あるいはその謎に迫っていた刑事二人を殺害した人物との関わりなど、おおよその謎にまっとうな解決がなされる。鈴木一郎がどうやって今のような人物になり得たのか、なぜ警察の手に余る犯罪者を手にかけてきたのか、といった前作から引き続いての謎についてはほとんどそのまま謎とされているが、鈴木一郎の過去の一部が本作で明かされている。
ラストはショッキングといえばショッキングだが、さらに続きそうな勢いであり、作者にその気があればさらなる続編に期待を寄せたいと思う。
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上巻で蒔いた種が下巻で実を結ぶというか、バラバラだった情報が一気に集約されていく。
読むのを中断したくない感じ。
まだ続くような終わり方だったけど、
どうなんでしょうか…
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上下巻ですが、1冊にできたかも。ストーリは面白く、前作に続き進化した主人公がよいのですが、専門的な説明が多すぎて、ちょっとスピーディさにかけてしまっているのが残念。でも面白かったですよ。
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謎の美女イブの正体、脳男の過去、そして、事件の全貌が明かされる怒涛の展開…シリーズ第一作からの設定を壊さずに面白い仕掛けを物語に仕込んだものだ。この作品は日本のサイコパス、連続殺人犯を扱った小説の中でも上位に入るのではないだろうか。深刻なテーマでも、何故か少し軽く感じるのだが、それは登場人物の名前が残虐性をオブラートに包んでいるからか。
さらには鷺谷真梨子と脳男のさらなる対決を予感させるラスト。続編の予感。出来ればスッキリ決着を付けてもらいたかった。
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電話したのが佐伯ではなく鈴木一郎だったのには痺れた。
シリーズで合計千頁以上はある内、鈴木が登場するのは百頁にも満たないだろう。それでも一番強烈なインパクトを残し、物語の幕は下りる。
最早チートすぎて最高だ。
Posted by ブクログ
精神科の位置付けを変えるために犯罪を起こして世論を誘導しようとした話、自分も同じような偏見を持ってることを反省しつつ、でもしょうがないとも思いつつ。結局最後には鈴木一郎が出てくる。感情が無いだけでなく無敵のヒーローになってしまっている。面白いけどスッキリはしない。
Posted by ブクログ
前作の脳男の続きということなので買った一冊。
殺人事件の部分はよかった。
変に難しいミステリーでもなくわかりやすい次元だったと感じた。
上巻下巻通じて思った事は、難しい話が多い。
精神医学の話は難しいよ
精神病の人の考えてる事とか読みづらいし
この辺の話は要らなかったんじゃないかと感じた。
あと脳男がなにをやりたかったのか、ハッキリとわからなかった
でも脳男はすごい男なんだとあらためて思った。
難しい話もあってなかなか読みごたえのあった上巻でした。
Posted by ブクログ
脳男は悪を殺す。
正義とは何か。悪とは何か。正義は悪を貫く為に有る。では、悪が無ければ正義も成り立たないのか。
正義を誰が勝ち取るか。脳男は全てに根回しを行なっていた。完璧だった。
ならば、正義の中に悪は潜んでいないだろうか。
藩マーシーという老齢の女は、自らの目標の為に、養子の娘を利用する。自らの善悪の天秤に娘を掛けたのだ。
しかし、藩マーシーの考えに反し、娘は暴走する。
誰かの為に誰かが傷付く。もしかすると、その考えは主観に留まり、双方の思惑は食い違いに終わるのかもしれない。
脳男はヒーローではない。
最後に彼は何を敵にまわしてしまったのか。
脳男は悪を殺す。
敵が正義だとしたら……
続編希望。
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おたぎ愛宕あたご 相楽さがら 支店長が憤懣やるかたないといった顔で言った 無頓着というか傍若無人というか 忌憚のないご意見は大歓迎です 最高の芸術を愛でる喜びを沢山の人達と分かち合う為に いくら私が朴念仁でも さるきゅうれ猿給黎 この被験者は無表情の仮面の下にキムのような無垢な感情を秘めているのだろうか。それともアダムのように感情も良心もない「サイレント・キラー」の素質をもった人間なのだろうか 攻撃性とか他人の痛みに対する想像力のなさとか狡猾さとか あなたが身篭っているお子さんは社会病質者の遺伝子を持っています コンクリートで護岸された川岸に面した小さな整備工場の一つに入った 両方の性の完全な外性器を持っている例は稀で 支配し支配される意志や欲望を含めて、人間の全ての感情を自ら経験することこそが試練なのです。 「神とは何かという質問には何通りにも答えることができます。しかし、神が存在するかどうかという質問には行動の為の動機付けが予め論理形式に含意されているので答えようがありません」 「マグダラのマリアを復活の証人としたというのは、神の赦しは万人に開かれていて、どんな重い罪を犯した者でも信仰に縋れば天国に召され、永遠の命を授かることができるという教えを象徴しているの」
Posted by ブクログ
脳男に続きやはりSF感がある。描写が丁寧で状況がわかりやすい。ただ上下に分けるほど長編にする必要はあるかと聞かれれば首をひねりたくなる。続編が出ることを期待したい。
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イブは藩の養女だった。
残忍なイブだが、藩を母と思う気持ちはあるのだね。
そしてイブは両性具有。ホントは手術させられるところ、藩に「せっかくこんな風に生まれてきたのに、手術などしたくない」と語り、養女となる。手術もせず。どこかに旅に出かけたイブは、ある時は美しい女性、ある時はきれいでマッチョな男性だったよう。なぜ、こんな残忍になったのかは不明。結局、鈴木一郎の仕組んだとおりになるのだが。
そしてまた続編がありそうな匂わせ方で終わっているのだが。
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続いて下巻です。上巻とうってかわりリズムよく読み進みました(^^)上巻の丁寧さはどこに行ったのか?と思うほど、駆け足で絡まった紐をほどいていく感じで、えっ!そういう回収するの?みたいな伏線も多く、ちょっと物足りなさを感じちゃいました( -_-)
前作同様、最後は続編を匂わしながら終了〜♪今回の黒幕は・・・
Posted by ブクログ
黒幕や実行犯の背景がわかってきて、真梨子どうなる!?櫻子は無事なのか!?とドキドキさせられる中盤頃までは面白かった。しかし、尺が足りなかったのか、終盤はバタバタで結局実行犯の最後やら、茶屋の仲間?はどうなったのか、一郎の嘘か本当かわからない話でしか明らかにならない。もやもや感残る。
しかし、茶屋への電話は一郎の計画に必要ではあるが、なくてもよかったような気もして、真梨子のため?等と考えたりもしたが、やっぱり違うか。
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精神科医を中心に、精神科患者と精神科患者を取り巻く世界を題材にしたサスペンスドラマの2。常識では考えられない世界に、警察機構がもてあそばれる部分は、ストーリーの主軸ではないのでやや稚拙。しかし精神病患者をとりまく世界はこれまた想像を越えており、なんだか引き込まれつつどんでん返しを受けつつ、先を読み進め続ける....なんだかんだ言って次のシリーズも読んでみたい。
Posted by ブクログ
精神疾患者による犯罪に加え、連続爆破や残虐な殺人が。美貌の殺人者とは、鈴木一郎のもくろみとは何なのか。日本の精神医学界の問題に言及するテーマ性もなかなかだわ。
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心の問題に向きあおうとすれば一歩間違えば、呑まれる。
作中では先生が、闇に呑まれそうで呑まれない感じを出していた。
前巻では一郎の存在、私忘れてたわ(苦笑)。一郎さんお久しぶり。
ファッショナブルな狂気を感じさせる作品。作者がどういう人か知らないけど、作者のアイデンティティーが作中の文章にはでる著者もいるのにそういうのを感じさせなかった本。むしろ作者が一番ミステリアス?
3、楽しみにしてる。
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やっと読み終わったって感じ。
読むのしんどかったけどラストは好き。こういう終わり方は面白いと思う。あの映像をリアルで観たい(笑)
猿給黎が好き!
Posted by ブクログ
☆3.6
山場に向かうにつれページをめくる手が止まらなくなる。
唐突な性描写は不快だったけど、全体としては面白かった。
でも欲を言えば、鈴木一郎と真梨子の直接的なからみが欲しかった。
↓↓ここからネタバレ↓↓
どうして真梨子は潘を死なせたのが鈴木一郎だって思ったんだ?
しかも自分を殺そうとした潘を自殺に至らしめる鈴木一郎がなんで敵なんだ?
読み返したけど分からない。
Posted by ブクログ
脳男の続編。
精神科の患者が、次々と犯罪を起こす。
それは偶然なのか、故意なのか。
その背景を調べるため、茶屋刑事と精神科医鷲谷が動き出す。
脳男・鈴木一郎はどう絡んでいるのか。
鈴木さんが裏方過ぎて、ちょっと寂しかった。
そして前作以上にえぐい部分が多くてつらかった。
真梨子先生は立ち直れるかなあ。
Posted by ブクログ
話としてはおもしろい感じはしたが、全体的にはもう一声、と言う感じ。
潘氏は鈴木一郎をどうしたかったのか、がよくわからない。
みんな死んでしまうのもありだが、死なせない終わり方はなかったのだろうか。
Posted by ブクログ
ストーリーよりも、残酷なシーンが頭に残る…、たくさん血が流れるものが苦手な方には不向きかと。
キリスト教や精神疾患に取材したエピソードが散りばめられて、そこには魅力を感じるのですが。
Posted by ブクログ
『脳男』を読み終えた後、『脳男?』があることを知り読み出した。
正直な感想は…難しい。話の内容が難しすぎて、理屈的な話の部分は読み飛ばしてしまった。
鈴木一郎の過去に触れるような話を期待していたのだが、宗教や精神学論のエッセンスが強くて少し期待外れ。
しかし、精神疾患者の起こす犯罪というテーマはとても興味深かった。難しい問題だと思う。
Posted by ブクログ
事件の全貌が明らかになります。
それと、鈴木一郎の事件に関する思惑も。
鈴木一郎、大活躍?ですが、
それを知る人はたぶん、本当の悪人と、読者だけ…。
本当に力(財力・知力・名誉・地位)のある悪人に
対するには、鈴木のように全ての力を奪う
意気込みで冷徹にならないと
勝てないのでしょう。
鈴木一郎の生きる目的、その異才をどのように使うのかを
書いた続編を期待。
今作品では救われない思いの行き場を願う。
Posted by ブクログ
脳男第二巻。
ラストが次に続く感じで終わってるものの、次回作はまだ出てない。
内容はまあまあで、前作のほうが面白かった。
宗教的の描写が多くて、読み疲れた。