あらすじ
人口、気候変動、エネルギー、民主主義、格差、テクノロジー、地政学的変化――。世界を揺るがすこれらの問題は、この先どうなるのでしょうか? 日本、アメリカ、中国、ヨーロッパなどの未来は? 世界を変える「5つの力」と「10大要素」とは?
膨大なファクトと経済学、地政学、歴史的な洞察を通じ、英国の定評あるジャーナリストが、30年後の世界を大胆に予測します。20世紀の社会構造と冷戦後の世界秩序が崩壊し、世界はいま大きな変化が押し寄せてきています。誰もが世界の先行きに関心を持たざるをえません。本書は、人々が知りたい「その先」をファクトとバランスのとれた展望をもとに照らし出します。
著者は、『ファクトフルネス』のハンス・ロスリングのように、専門家ほどネガティブな誤った認識を抱きがちだという「専門家バイアス」の問題を指摘し、ファクトに基づいたポジティブな見通しを重視するのが特色です。世界主要地域、グローバルな重大なテーマに即して歴史、現状を整理し、様々な見方を紹介しつつ、きめ細かくかつ包括的に、著者独自の展望を提示します。本書ではたとえば次のような展望が示されます。
1.世界人口の約2/3が中間層と富裕層になる
2.アメリカの先行きは明るい
3.アングロ圏が台頭する
4.中国が攻撃から協調に転じる
5.EUは中核国と周辺国に分かれる
6.インド亜大陸の勢力が強まり、世界の未来を形成する
7.アフリカの重要性が高まり、若い人材の宝庫となる
8.グローバル化は〈モノ〉から〈アイデアと資金〉にシフトする
9.テクノロジーが社会課題を解決する
10.人類と地球の調和が増す
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Posted by ブクログ
p378
『アメリカの民主主義は危機を乗り切ると私は確信している。ドナルドトランプが平和に大統領に就任し混沌の中で退任しジョーバイデンが新たな大統領に選出されたのをこの目で見て確信は深まっている。』
現状を見た筆者の意見を聞きたい。
Posted by ブクログ
世界情勢を俯瞰。学んだことは、人口動態、テクノロジー、そして移民の取り扱いが鍵だということ。財からサービスへの移行による国内回帰。中間層の拡大。気候変動の負担。人口動態は予測がつくので、その文脈ではある程度は理解できた。ただ、その他の議論では、何故、楽観的に物事が進むのか、途中の議論が飛んでる点もある。そしてアングロ贔屓が過ぎるように思えるのですが、どうでしょう。
Posted by ブクログ
そうなるかもしれないし、ならないかもしれないっていう話。
当たる当たらないを抜きにしても、日本に居ると普段あまりニュースも入って来ない南アメリカやアフリカの情勢含めて、全世界的な30年後を予想しているだけでも興味深かった。
中国とインド。
p. 264
イエール大学ロースクール教授のダニエル・マルコヴィッツは、2019年の著書「能力主義の罠』で、エリート内の熾烈な競争が上位1%とそれ以外の人たちの格差が広がっている原因であるとして、強く批判している。
「「能力』は偽善と化し、偽りの偶像になりさがっている。……憎悪と分断を生むカースト制だ。新たな上流階級だと言ってもいい」
p. 336
理論上では、大規模な移住があれば人口の減少を遅くできる。だが実際には、そうはならないだろう。ほかの国々が混乱すればするほど、日本人は国境を閉じるのは正しい選択だったという確信を強くする。日本の社会には、お互いに困ったときは助け合い、助けられた人は労力でお返しをするという精神が根付いている。日本社会を一つにまとめる接着剤となってきたこうした社会契約は残る。
Posted by ブクログ
2050年の世界の政治経済予想。
テック系の予想本とは違い、あまり突拍子もない話は出てこず、現在の延長線上という感じ
・英語を話す国(英米のみならず、ナイジェリアやインドも含む)の覇権が続く
・アジアの時代が来る。インドがその中心になる。中国は高齢化にともない穏やかになっていく。日本は内向きのまま、移民を受け入れたりすることもなく豊かではあるが静かな社会を維持する。
・ロシアは今の長い国境線を維持できず、シベリア地方を手放すことになる
・インターネット(SNS)について:「考えを発信するスキルに長けている人があまりにも多い一方で、その考えの価値を見きわめられない人があまりにも多い」
・ポピュリズムについて:「するべきことはみんなわかっている。それでも、するべきことをしたら賽銭できない」(ジャン=クロード・ユンケル、2007)