あらすじ
流れるような黄金の髪と怜悧に煌く緑潭色の瞳を持つ美貌の貴族シュリルは、隣国の軍人、マクシミリアンに捕らえられた。彼は、妹を死に追いやったシュリルに復讐を企んでいたのだ。シュリルは贖罪のため、マクシミリアンにその身を差し出す。想像したこともない屈辱に翻弄され、貶められるシュリルだったが――。憎しみと禁断の愛に彩られた、官能の美を描く衝撃の耽美ロマン。
感情タグBEST3
初山藍先生でした。
表紙で気になり、レビュー見て俄然気になり、試し読みで益々気になり購入しました。
噂に違わぬお耽美。こういうクラシカルな文章好きですね〜。言葉の表現が上手く、すぐ没頭してあっという間に読み終えてしまいました。
これ続編無いのでしょうか?2人のラブラブ生活も覗かせて欲しい…。
官能かつ耽美
たくさんあるお色気シーンについて、心理とシチュエーションがエロスを伴って細かく書かれているのに、興醒めさせない美しい表現で描かれていて、素晴らしいの一言でした。攻め様は本命と当て馬の二人いて、いずれも軍人であり、紳士的でありながらも、逞しい肉体と荒々しい強引さをもっています。シュリルは両性具有で美しい設定であり、優しい女性とも漢たらんとする男性ともとれないキャラクターに書かれてます。大人しいのではなく、思考が解りにくく、神秘的であまり言葉を発さないシュリル。
古典的ですが、カップリングがすごく好みでした。官能かつ耽美。こういう文章がもっと読みたくなりました。
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BLじゃなくて耽美で官能だった!!でも下品じゃなくてとてもとても美しい世界。
20年前の作品だというけれど、そんなことちっとも気にならない作品!!
主人公に振りかかる辛い出来事がずーっとずーっと続いて、このままバッドエンドかって、物語が終わる3ページ前くらいまで確信してたんだけれどトートツにハッピーエンド。
……そこだけが違和感wwww
まぁ、この先は余韻と妄想で補完せよってことかな。
世界観が素晴らしすぎて私なんかには補完できそうにないですが。
Posted by ブクログ
初山藍せんせい作品。
シュリルの壮麗な美しさが匂い立つような文章で、なんともきらきらしい。
素敵でした。
気高いシュリルの儚く脆い一面をみて、読みながら何だかほっとけない気持ちに……!笑
シュリル大好きです。
なのでマクシミリアンたちの酷い仕打ちに心底怒りを感じてはいたものの……
いつのまにかシュリルと共にマクシミリアンの魅力にとりつかれてしまう不思議。
最初から最後まで一気読みでした。
また読み返すと思います!
Posted by ブクログ
ジャンルは何か…ときかれたらこれは…ポ、ポルノのような気がする。でも文学的な気配も濃厚で、エロですが下劣ではなく、気がついたらこの作品が持つ世界観に引き込まれます。あの萩尾望都さんが「性と愛と暴力」を描く、とこの作品のことを言ってましたが、こんなふうにそういった世界を描ける作家って、日本にはこの人しかいないんじゃないかなぁ。傑作だと思います。
それにしてもこの表紙…レジに出すのちょっと恥ずかしくないですか?
もろBLなどよりずっとエロい気が…
いえとってもキレイで美しいのですよ…でもコレは…はずかしいぞぉ(笑)。
Posted by ブクログ
凄まじいという表現がぴったりなのではないでしょうか?
読み手を選ぶかもしれませんが、深く怪奇な純愛だと思います。
人間の持つ、暴力的で支配的な感情、残虐さの中にある後悔の優しさ、憎しみと許し。暗闇の世界を抜けだす二人の愛でした。
両性具有として産まれたシュリルは、実父に厭われ誰にも愛されなかったために、愛を知らない。
シュリルに離縁され自死した妹の復習のためにシュリルを陵辱するマクシミリアン。
シュリルに執着するラモン。
愛憎でありながら、シュリルとマクシミリオンの一目惚れでもあるような
愛情表現が力で押さえ付ける陵辱なので、暗く暴力的に感じますが、その中に隠された優しさや深まる愛情を感じます。シュリルが感情を発露させ人と成る流れもわかります。
暴力的愛情表現が苦手な人には不向きな作品かもしれませんねー。
美しい作品
両性具有と言う事で
私には言葉が理解するまで難しかった
花芽とか花◯とか、どの部分か?理解するのに時間が掛かったけど、楽しい時間という事で…!
作者さんの潔い終わり方が好きです
Posted by ブクログ
両性具有ということで取り寄せて読んでみました。
私が希望する両性具有って、妊娠も出来るのが理想。
この場合、Hするのに2本差とかに使われる事がほとんど。この話もそういう感じでした。
レビューを見てJuneっぽいということでしたが、かなり昔の話ですが、私的にはJuneって悲恋・鬼畜ってイメージがあって、この話の場合は陰部の表現が「花」で芽とか蕾で表してあるので、時々考えないとどこをどうやってるのか混乱しちゃいくらいで、この話はBLだなと。
まあ、内容は鬼畜なところもありましたけど…。
文庫本の割には結構読むのに時間がかかりました。
(笑)
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ぐはぁ!
なんというお耽美な世界。
さすがや、お、い、の先進者。
しかし表現力が半端ないなこの作者。普通に少女漫画のような勢いで読めてしまった。だが正直マクシミリアンは逆恨みのような気がしないでもない・・
ふたりの心の急接近は良いがもっとツンツンしてほしかったなーそして二巻を出すべきだ、話終わるのが急展開すぎる。
Posted by ブクログ
半陰陽三部作のひとつ。耽美な世界に首まで浸れます。
「イリス」が初心者向けなら、こちらは山藍世界を
バージョンアップで堪能できます。
相当にエロいですが、とても美しく淫靡な官能の世界です。
フランス革命時代のファンタジー化といった
ちょっと歴史物入った世界観です。
Posted by ブクログ
作者は同人あがりの文章作家で、官能・耽美小説を書くことを生業にしている。この本の世界観は中世のヨーロッパ風なファンタジー要素の入っている耽美小説。耽美なので読んでいる間はかなり恥ずかしいものではあるが、心の移り変わりとシュリルの過去の悲しい思い出とが切ない小説でもある。
Posted by ブクログ
王国×耽美×同性愛×官能×両性器
色々な要素てんこ盛りでした。
ここまで設定が濃厚なのも久し振りで、もうお腹いっぱいです。
全体的に淡い紫色のフィルターがかかっているような色気フェロモンむんむんの雰囲気で、本当にこれ角川文庫から出てていいの?
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これも、15年以上前よね。
上下巻のハードカバー版を持ってましたが、画像が無いので、こちらを載せました。
この本を読んで、アレキサンドライトという宝石に興味を持った。昼と夜とで瞳の色が変わる・・・そんな設定が神秘的。たしか、両性具有だったような。山藍先生の作品には両性具有の人物がよく出てきますが、こちらは異国の空気感も盛り込まれてて、ハードだけどやっぱりラブラブなんです^^
Posted by ブクログ
聖将軍家という大貴族の長男として生まれ、家督を継ぐ――はずだった。男と女両方の性をその体に持って生まれてしまったシュリル。父から両性具有という「不完全さ」を徹底的に否定されて生きてきたため、シュリル自身も自分を否定する術しかしらない。この「忌むべき」事実が暴露されてしまったとき…
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もうシュリルが可哀相で不憫で(:_;)マクシミリアンは勿論あのラモンも、結局シュリル本人ですら恥ずべきものと思ってる両性体を肯定したんやなぁ。肯定されることを知らないシュリル、肯定してるくせに立場や思惑等の理由で酷い仕打ちにしてしまうマクシミリアンとラモン。シュリルにとって救いのない結末になってしまうのかとハラハラしながら最後まで読んだ。あそこでのあの終わり方でいいと思った。性的描写は途中までは確かに衝撃的であったが、それよりも一体シュリルたちがどうなるのか、ストーリーが気になって読むのが止まらない。
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実は私が読んだのは92年に出版された上下巻にわかれたものです。文庫本にするにあたって大幅に加筆修正されたということで…だいぶ違うのかな(汗)
主人公も相手も男。耽美、官能。内容が予想以上にハードでした。
全体的に暗く悲しい感じで進んでいくので早くハッピーエンドを…!と思って読んでました。
この文庫本の方もいつか読みたい。
Posted by ブクログ
なんだか目の前に、大粒の宝石をどりゃどりゃと並べられているようでした。華麗な、というか華美な表現?そこかしこキラッキラです。
ひょんなことがきっかけで友人から回ってきた、私にとっての初・耽美小説。
世界が違いすぎます。
Posted by ブクログ
うん、耽美。どエロ。
文字だけなのに、鼻血吹きそうでした。何この艶文(笑)
“両性具有”という特異な体質を罪深く感じる美貌の主人公シュリル。
女性・男性の両性を兼ねていることは、両性の持つ痛みや苦しみに耐えねばならないのだな、と。
でも、そんな自分のコンプレックスを受け入れ、愛してくれる者との出会いによって、シュリルは救われたのだろう。
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これが耽美・・・!すげー!読みなれていないせいか、婉曲で華麗な描写についていけなかった!(笑)ただひとついえることといえば、私マクシミリアンがすきです。
Posted by ブクログ
Juneものはあんまり読まないほうなんですが、森茉莉とか、山藍紫姫子は、耽美ものを学ぶにあたって避けては通れないものではないかというわけです。ポルノグラフィを通して描き出される山藍紫姫子の世界は憧れです。男同士、ということではなくて極限の美の世界を描いているという意味で。やおいとかBLという切り口で読み始めたら挫折するような気がする。全部の作品を読んだわけじゃないんですが、『アレキサンドライト』はそもそも男の話ではなくて両性具有の物語で、その意味でも、彼女の書く人間たちの象徴性に目を見張るばかりです。