あらすじ
「お前は鳩に選ばれたのだ」
小森椿27歳、会社員。
鳩に謎の使命を背負わされる!
文学界を席巻する新星が放つ、
摩訶不思議な鳩をめぐる物語。
一人暮らしのベランダに突然、真っ白な鳩がきた。
怪我をしているらしく、飛び立つ気配もない。
小森椿は仕方なく面倒をみることにする。
白鳩に愛着がわいてきた数日後――。
帰宅途中、謎の男に奇妙な宣告を受けた。
「お前は俺の次の『鳩護』になるんだ」
鳩を護ることを宿命づけられた者。
それが鳩護だという。
なにその宿命? どうして私が?
混乱する椿をよそに、
白鳩は椿の日常を否応なく浸食していく!
スピンオフ小説『福田さんの白い羽根』収録。
感情タグBEST3
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河﨑秋子さん、こういうカジュアルなのも書くんだ〜、と思いながら読みました。
舞台が東京で、出版社勤めの女性小森椿が主人公。
部屋のベランダに白鳩が迷い込んできて、好きでもないのに面倒をみていたら、「お前は次の鳩護だ」と先代の鳩護の幣巻という男に言われ。その後、初代や何代かの鳩護の夢を見て、最後、「ヤバい男」の鳩護をぶん殴って終わる…。
と、書き出すとよくわからない話になってしまったけど、なかなか爽快だった。
スピンオフの短編もついていて、ちょっとオトク感もあったり。
Posted by ブクログ
文庫版を手に取り。表紙の鳩がかわいいなと思いましたがストーリーはなかなかハードと言うか想像していたような明るめの話ではありませんでした。読後思えば河﨑先生が書くならさもありなん、なんですが。
なんだか不思議な話でしたね。非現実的という意味ではファンタジーなんでしょうけれど少しホラー要素やお仕事小説の趣もあり独特の世界観です。
主人公が若い女性なのに疲れ果てていておじさんのような愚痴や行動を取るのが独特の味わい(?)で親近感が湧きました。でも本作の好き嫌いは結構分かれそうな気がします。
ともぐいを最近読んでしまったせいか、やはり迫力や訴えるものについては比べてしまいました。
話の内容的にはおそらく、本作の方が好きだという人が多いように思いますが、自分はともぐいの方が作品としては好きでしたね。
競走馬についての描写が良かったですね。馬の繁殖については世間では知らない人の方が多いと思うので。