あらすじ
世界の南のはずれ、蛇神の抜け殻から生まれた島々。
領主は「海神の娘」を娶り、加護を受けていた。
沙来の天才楽師・忌は海から聞こえる音色に心奪われ、
滅びの曲と知らずに奏でてしまう。
隣国・沙文と戦を重ねていた沙来は領主を失い、
「海神の娘」累が産んだ男児は「敵国・沙文の次の領主となる」と託宣を受ける。
自らの運命を知り、懸命に生きる若き領主と神の娘の婚姻譚。
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Posted by ブクログ
今回は沙文と沙来の短編ですが全て話が繋がっていてどんどん引き込まれました。
海神に振り回される登場人物たちの苦悩や葛藤がドラマチックで生き生きとしていてとても胸が熱くなりました。
領主の居ない沙来がどうなるか気になるし、海神と霊子の過去も早く読みたい…!
続編希望!
Posted by ブクログ
2作目は、沙来と沙文の島のお話。沙来の天才楽師と名高い忌が、海から聞こえてきた音に心を奪われ、滅びの曲と知らずに奏でてしまったことから、悲劇が始まる。
本来なら、海神の娘を娶ることで、それぞれの島はその加護を受けることが出来るのに、その加護を与える海神である海若が、滅びの曲を気に入ってしまうなんて。ただそれだけ、気に入ってしまったから、聞きたい。それがどういう結果をもたらすかは、わかっていないのだ。
実は、海神の娘も、彼女たちを娶らなければならない島の領主たちも、海神に運命をほんろうされているに過ぎないのではないかと思ってしまう。そんな彼女たちの幸せを願う巫女王である霊子が、海若の時に無謀な行動を諫めつつ、彼に寄り添う姿が少し痛々しく思われた。海若と霊子の関係が気になるところ。
Posted by ブクログ
今回は、かなりさみしいお話だった。
笛で奏でる曲を聴きたいがために、島を滅ぼす海神。
もともと小競り合いのあった沙文と紗来の2つの島のうち、
戦いの最中、海神の雷が落ち燃え尽き、沙来は滅びる。
沙文の方も領主一族が死に絶え、
紗来の領主の息子が新しい領主として運ばれてくる。
生きる場所を失った紗来の人々は沙文に移り住むが、
当然、人々には軋轢が生じる。
領主はどう向き合うのか。
元々、神というのは理不尽なものであると思ってはいるが、
いやだからこそ、
物語の中では人に優しくあってほしいの。
巫女王である霊子が海神といることを選んだ話、
人でなしの道を選んだ話は、
いつか語られるのだろうか。
Posted by ブクログ
今回は婢の娘・嬰が海神の娘に選ばれた。仕えていた家のお嬢様が目にかけてくれたのが裏目に出て、何で純粋で傲慢なのかと思っていましたが、海神の娘に選ばれた事によって立場が逆転。それでも、心は高貴なままのお嬢様に囚われていた嬰が哀れでした。
後宮の烏の世界
白川先生のお話 大好きです。
世界観や登場人物の心根。
今回は少し長編で 二つの島に関わる海神の娘も時と共に変わり、前作より少し悲しい感じです。