あらすじ
「本気で抵抗しないと、抱くよ」教授の洋治に火傷しそうなほどの熱視線を向けられ、葵は喜びで震える。美大生の頃からずっと好きだった人。いまその眼差しを独り占めしている――。執拗なキスと丹念な愛撫。泥濘を剛直で貫かれ、悦楽に酔いしれる。「一生傍にいてほしい――僕が死んだあとも」こわいくらいに愛されて、もう逃げられない。大人な男と淫らに蕩ける執着ラブ!
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凄く素敵
美大の准教授と学生のお話です。芸術家のお話なだけあって、状況や、風景、気持ちや行動を丁寧に描かれています。
これがまた素敵なんです。
20歳と言う親子でもあり得る年齢差が、足枷となり気持ちを押し込めてしまいます。
必死に蓋をしている心情を、美しく描かれていて引き込まれました。
気持ちを解放すると決めてからは、魂と魂のぶつかり合いが描かれていてお気に入りとなりました。
オススメです。
静謐で官能的な情景描写。
忘れたふりをし大切に仕舞っていた恋心が再び芽吹き、花開く。
ゆっくりと、確実に……
上記の雰囲気をぶち壊す勢いの猪突猛進なヒロイン、嫌いじゃない(笑)
大人の恋。素敵でした。
Posted by ブクログ
芸術家ヒーローと元教え子の年の差ラブストーリー。
二十の年の差ゆえに踏み出しきれないヒーローと、強引に押し掛け身体の関係までもっていったヒロインの、互いに決定的なことは避けて通ってしまう切ない胸の内が良かった。
絵のモデルとして座っているだけなのに、送られてくる視線の官能的なこと。
一度肌を合わせてからの空気感がグッと変わり、エロい、ではなくて本当に官能的でした。しっとりとした大人のエロス。余裕があって時間をかけて、そして逃がさないで絡めとる感じ。
でも最後の告白で、余裕のない激重感情が見られてとても良かったです。
見る
あとがきにもありましたが、、、
『見る』という行為が深くてドキドキしましたね。
そこから発するエネルギーに、その時々の感情も合わさって。
おとなだからこその穏やかな空気感がステキでした。
Posted by ブクログ
美術大学の講師との20歳差の年の差恋愛。
互いに互いを想っている両片思いなんだけれども、この年齢差がやはり大きな障害となったと思う。
ゆえに、二人の仲を引き裂くようなライバルキャラは、いない訳ではないけれども、大きな障害にはならず、ほぼ一対一の真剣勝負だった。
若干、元婚約者やら後輩君が出てきても、ちょっとしたスパイス程度でがっつり絡まない。
びっくりするほど二人きりの物語で、しっとり浸れた。
最初の先生の家に転がりこむ展開は力業だったけれども、そこからは特に視線での攻防が印象的で。
直接触れている訳でもないのに、官能的だった。
絵描きは相手をしっかり観察するからなあ。
最初は決して交わらなかった視線が、アトリエ内で段々と交わっていくのも、体を重ねるより余程、以下略。
結ばれたら結ばれたらで、互いに執着系というね。
しっとりねっとり、そんな雰囲気の物語だった。