【感想・ネタバレ】詩のこころを読むのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月04日

1979年、著者が53歳くらいの頃に書かれた本書は、一切古さを感じさせない文章で「詩を読む楽しさ」を教えてくれる。

著者がそれまで出会ったお気に入りの詩を選りすぐり、ユーモアを交えながら卓越した考察力で読み解いていく。
「誕生」から「死」までの5段階で流れるように並べられているので、小説のように一...続きを読む気に読み進めてしまうところも魅力だ。

『はじめに』の冒頭3行で、全てが語られている。
「いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。いい詩はまた、生きとし生けるものへの、いとおしみの感情を優しく誘いだしてもくれます。どこの国でも詩は、その国のことばの花々です。」

自分の気持ちを代弁してくれる詩に出会い、心にスーッと入って感じるカタルシスは最高の慰めになる。そして何より優しい気持ちになれるのだ。

あまり詩というものに触れてこなかった自分にとっては目から鱗であった。
自分が53歳になる頃にはお気に入りの詩を並べてみたいと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年12月13日

「茨木のり子」という著者の名前も、教科書で目にした記憶しかない。それくらい不勉強な私でも、一編一編、著者の視点を通して詩の世界にぐっと近付けてもらった。
自分の気持ちに合う詩、を探すことは、自分自身にとって新しい読書体験になるかも。

印象に残った言葉
・言葉が着陸の瞬間を持っていないものは、詩とは...続きを読むいえない。
 重装備でじりじり地を這い、登山するのが散文
 地を蹴り宙を飛行するのが詩
・詩人が人々に供給すべきは、感動である。
 それは必ずしも深い思想や、明確な世界観や
 鋭い社会分析を必要としない。

気になった詩
・I was born 吉野弘
 →どこかで読んだことがある気がするが、
  いつも最後にドキリとしてしまう
・練習問題 阪田寛夫
 →思春期をお洒落に表現している
・くるあさごとに 岸田衿子
 →くるくる、、
  忙しい毎日、駆けまわる毎日を思ってしまう
・海で 川崎洋
 →粋な若者たちの冗談に、心が爽やかになる
・風 石川逸子
 →戦争に基づく詩のようだが、
  今のSNS社会を風刺しているように感じる
・新しい刃 安西均
 →また1つ成長する息子を眩しく見つめる視線に
  親近感を覚える
・その夜 石垣りん
 →働き続ける女性に病が迫る日があったとしても
  「私ひとりの祝祭日」と受け止める強さを持ちたい
・悲しめる友よ 永瀬清子
 →古いジェンダー観と切り捨てることもできるが
  もし苦しむ友がいれば、この詩をそっと教えてあげたい
 

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