あらすじ
【恐怖の帝王、作家50周年を前に王道のSF巨弾が待望の邦訳!】
異能の少年少女を拉致する謎の機関〈研究所〉。
彼らは子供たちの超能力を利用して何を企図しているのか。
冷酷なるくびきから逃れるため、少年は知恵をめぐらせる。
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ミネソタ州ミネアポリスに暮らす12歳の少年ルークは、両親こそごく平凡だが、優秀な子供の特待校に通う神童だ。彼にはちょっとした特殊能力があった。ふとしたときに、周りのごく小さな物品をふれることなく動かしてしまうのだ。と言っても、それは他人が気づくほどのことでもない。
一流大学MITの入学内定を勝ち取ったルークだが、ある夜、3人の不審な男女が眠る彼をかどわかす。目覚めたルークが見たのは、自分の部屋そっくりにしつらえられているが、何かが違う一室だった。扉の外は自宅とは似ても似つかぬ、古びた大きな施設。そこには様々な少年少女が拉致され、自室と似た部屋を与えられて戸惑いながら暮らしていた。
目的も知れぬこの〈研究所〉で、残忍なスタッフや医師に、気分の悪くなる注射や暴力的な検査を繰り返される少年少女たち。彼らの共通点は「テレキネシス」か「テレパシー」の超能力を持っていることだった。
ルークは黒人少女カリーシャ、反抗的な少年ニック、幼く泣き虫だが強いテレパシーをもつ男の子エイヴァリーらと知り合うが、一定期間検査を受けた子供はひとり、またひとりと〈研究所〉の別棟〈バックハーフ〉へ連れ去られ、決して帰ってこないのだった。ルークはこの不穏な施設からの逃亡計画を温めはじめる――。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。
ルークの話から始まるかと思いきや、ティムが夜回り番につく話が始まる。でも結構展開が早くて、ルークはすぐに誘拐される。
研究所でも、読者はルークと一緒になって情報を集めていくので面白い。研究所の大人達の背景はあまり語られないのも良い。
そして脱出。ここで表紙の意味がわかる。
Posted by ブクログ
超能力を持つ子供たちを集めた研究所のSFサスペンス。
大御所健在です。
最初の章のティムの話がそれ以降のルークの話と全く関係がないように見せて、ルークが脱走後にデュプレイという町に到達することでつながりました。
原題が「研究所」というタイトルなので、本当にあるような研究所の描写やルークの脱走のサスペンス感はさすがです。
下巻が楽しみです。