【感想・ネタバレ】手鎖心中のレビュー

あらすじ

材木問屋の若旦那、栄次郎ときたら、いずれ大店を継ぐ安楽な身の上のくせに、他人を笑わせ、他人に笑われ、ちょっぴり奉られもしたいがために、絵草紙の作者になりたいと思い焦がれている。悲しいかな、その才能は皆無なのだが、それを知らぬは本人ばかり。暢気でお調子者の若旦那を主人公としたこの小説、江戸・寛政期の風俗と実在の戯作者たち、洒落や地口を綺羅星のごとくちりばめて、あまりのばかばかしさに読者が吹きださずにはいられない、第六十七回直木賞受賞作の傑作時代小説。

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Posted by ブクログ

なぜか これだけ読んでなかったぐらい避けてきた 井上ひさし 作品。 何でだろう 直木賞を取ったっていうことが 引っかかっていたのかもしれない。 確かに これよりも 直木賞を取るべき作品はいくらでもあるのだが。 でも いつものように面白かった。

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

第67回直木賞。
ある大家の若旦那が絵草紙で一旗あげたいという夢を実現する話。
しかし若旦那は手っ取り早く有名になりたいらしく、むりやり婿入り→吉原通い→離縁→お上批判→心中を画策する。
のちの十返舎一九、のちの曲亭馬琴、のちの式亭三馬らが若旦那の世話を焼く。

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2010年07月12日

Posted by ブクログ

お気楽な若旦那たちは、恵まれた環境ゆえに世間をなめ、自分探しの果てに自爆していく姿がとにかくリアルでイタい。

『手鎖心中』の栄次郎は、まさに「承認欲求のこじらせ」。天才になれない自分の才能のなさを自覚しているからこそ、作品の質ではなく「お上に捕まる」というスキャンダル(今でいう炎上商法)で話題になろうと暴走する。「何者かになりたい」という凡人の執着は、現代のSNS社会にも重なる痛々しさだ。

一方の『江戸の夕立ち』は、「身の程知らずな道楽と甘え」の自滅劇。親や周囲がなんとかしてくれるという世間知らずな甘さが、じわじわと自分の首を絞めていく過程は、自業自得ながら滑稽で冷ややかなおかしさがある。

落語のような軽快な笑いで始まった物語が、気づけば笑えない悲哀や虚しさに変わる「おもろうてやがて悲しき」世界観。

手段や時代が変わっても決して変わらない、人間の浅はかさと愛おしさを突きつけられる二作です。

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2026年08月09日

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