【感想・ネタバレ】おろしや国酔夢譚のレビュー

あらすじ

天明二年(1782)の暮、伊勢を出帆し江戸へ向かった大黒屋光太夫率いる神昌丸は、強風に運ばれアリューシャン列島に漂着した。帰国の途を求めて光太夫はシベリアを横断し、モスクワを経由してぺテルブルグを越え、ついにロシア女帝エカチェリーナ二世の謁見を受ける。風雪十年ののち対日使節とともに故国に帰った光太夫に、幕府は終身幽閉を命じた……。鎖国の時代、運命に操られるままに世界を見た漂民の波瀾と感動の生涯を十八世紀日露交渉史、漂民史等を駆使して描いた哀切の大作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

アムチトカ島を出るまでは他にもある漂流記と大きく違いは無いが、カムチャッカに渡りさらにヤクーツクさらにイルクーツクまで来るともはや漂流記を逸脱して異世界冒険譚となる。主人公が異世界を旅するフィクションは掃いて捨てるほどあるが、そのどれも物語としての迫真さにおいて本作には叶わない。これが江戸時代のシベリアの大地と帝政ロシアを舞台にした実話というところが驚き。

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2014年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人ってあっけなく死ぬもんなんだなと思った。光太夫たちが帰りついてからが特に面白く、そこにもっと照明を当ててほしかった。特に光太夫たちの空白のような晩年は気になる。
司馬さんの『菜の花の沖』を先に読んでおり、本作を読んで話がつながっていく感じが楽しかった。
靖さんの文章は田んぼの脇の溝を流れている水のようなどこか懐かしい透明感があって好き。

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2011年06月01日

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