【感想・ネタバレ】建築家になりたい君へのレビュー

あらすじ

10歳で建築家を志し、国内外で多数のプロジェクトをてがける今もっとも注目の建築家が建築知識満載で綴る10代へのメッセージ。建築家とは、そしてこれからの建築とは――。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすいのに得るものが多い。著書もっと読みたい。建築家になりたいわけではもちろんないが、建築に興味があるだけの私にも建築を中心にすえた文化論という感じですごく面白かった。

難しくて入り組んでると思われる歴史的出来事を平易に説明してくれてわかりやすいし、はやる建築の背景には特定の思想がある、というのもなるほどと思った。





0
2025年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

隈研吾さんの本だからという理由で手に取った。
この人は自分を持っている人だと思う。だから父親にも、先生、クライアントにもプレゼンし、その場数を踏む中で自分の建築を見つけ、一つ一つ形にしてきたのではないか。

著名で実績のある建築家、流行などを、客観的に見ておかしいことはおかしいと言う。自分のもった違和感を見逃さない。嫌いなものは嫌い、自分はこうしたい。他人にやれと言われたからではなく。

著者の言う「ひねくれた目」を持つことや、時代の変化を知り、人を知り、色々なことに興味を持って自分の世界を広げていくことが大切だと思った。建築家になるならないに限らず、今を生きるすべての人たちにとって。

0
2023年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

隈研吾のざっくりとした経歴とどのようにして建築と向かい合ってきたか、彼なりの考えをある程度知ることができた。印象に残ったのは建築物にはその建築家の思想や時代背景を象徴する場合が多いということ、建築だけができても意味がなく、謙虚で、好奇心旺盛、周囲に気遣える“普通の”人間であることが大事だということである。名高い著者だからこそ説得力はある一方で、著者自身が“ひねくれもの”と言っていた所以かもしれないが、他を下げて自分を高める、どうだすごいだろといわんばかりの文章が目立った。また隈氏は一部の建築家の悪い部分である芸術として建築を求めるあまりにクライアントの要望に応えられず失敗するケースを非難していたが、この本の内容も隈氏が手掛けた建築物がどのようにクライアントの要望に応えているのかという部分が少なく、結局自身も芸術としてしか見ていないのでは?と思ってしまった。建築の奥深さを知れたが、その本質は今後も考え続ける必要はあると痛感した。隈研吾のみならず他の建築家の著書も読み、深めていきたい。

0
2025年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目指すのは神ではなく。

建築家になりたい人は、どのようなきっかけで建築家を目指すのだろう。やはり何か惹きつけられる建築を見たからだろうか。とてもキャラクターの濃い建築家に出会って、あのような人になりたいと思ったからだろうか。隈研吾が語る「建築家になりたい君へ」のメッセージは、夢でも憧れでもなく、リアルな建築家になりたい人へのアドバイスである。

隈研吾の半生を辿るかたちで話は進んでいく。人生の時々で出会った建築や建築家に対するコメントは、辛辣なようで尊敬と論理性にあふれている。

自分のやりたいことを何が何でもやるような突っ走った建築家は求められていない。それぞれの時代に求められた建築があり、これからはもうコンクリートや高層建築といった大きなハコはいらない。その場所との調和、材料の選び方。ネットの時代だからこそ、評判に気を配ること。そして対話の大切さ。隈研吾は彼の考え方を建築に込め、世界にひとつひとつ作品を残していく。

オリンピックの国立競技場を思い出す。あの建築物は2020年代の空気や経済、世界の風潮を後世に伝えるひとつの遺産になるだろう。そして、あの国立競技場に何かを感じた誰かが、建築家となり、また新たな時代のための象徴的なものを建てる。建物は動かずにそこにある。しかし、それはいつまでも雄弁に語り続ける。

本も建築と似たところがある。音楽や映像と異なり、完成すると動かないように見えること。でも建築が「流れる」ように、本も「流れる」のだ。書いた人の想いを、その時代の空気を、そこに留めながら伝え続ける。だからこの本も隈研吾の建てた建築のひとつとして、彼の思想と今の時代を語り続ける。この本に出会った人が、メッセージを受け取り、建築家としての自分を考えるだろう。1964年、代々木競技場に出会った隈研吾のように。

0
2022年08月09日

「学術・語学」ランキング