【感想・ネタバレ】シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだのレビュー

あらすじ

ロシア文学の研究者であり翻訳者である著者が、自身の留学体験や文芸翻訳の実例をふまえながら、他言語に身をゆだねる魅力や迷いや醍醐味について語り届ける。「異文化」の概念を解きほぐしながら、読書体験という魔法を翻訳することの奥深さを読者と一緒に“クエスト方式”で考える。読書の溢れんばかりの喜びに満ちた一冊。(装画:小林マキ)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

あなたとわたしをつなぐことばの魔法。

「はじめに」を読むと何の本なのかわからなくなって面食らう。読み始めて、ああ、言語学習の本かな、と思う。そしてだんだんと翻訳の話だとわかってくる。著者の読書体験に似たものを自分も持っているし、言語学を学んで翻訳を面白く思っていたこともあるので、楽しく読めた。

本を読む文化というのは、共通するところと違うところを見つけて喜ぶ文化だと思う。本著でも紹介されていたように、生活習慣の細かいところや植物の名前などは何を指す言葉かわかってもどういう意味があるのかわからないこともある。原語で読んだ感覚まで伝えようとするのであれば、翻訳の腕の見せ所となる。子どもの頃に読んだ「りんご酒」もロマンティックな思い出だし、シードルを後から知ったのも(そして飲んだのも)新たな出会いとして嬉しかった。

さまざまな言葉で書かれた本に出会える環境はとても幸せなこと。そして平和なこと。ありがたいこと。これからもたくさんの翻訳に出会いたい。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母語ではない言語を学ぶ面白さ、翻訳の醍醐味、ロシアの文化(衣食住や迷信など)について楽しく読める本。
翻訳で大事なことは、母語の読者が味わう読書体験を届けること。異文化の異は人間の意識がつくりだす恣意的な線引きで、異などという考え方は忘れてしまおう。この2つについて書かれたクエスト(章)は特にお気に入り。

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2024年02月25日

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