【感想・ネタバレ】始祖鳥記のレビュー

あらすじ

全日本人必読!数多の書評家が唸った稀代の歴史巨編

空前の災厄続きに、人心が絶望に打ちひしがれた暗黒の天明期、大空を飛ぶことに己のすべてを賭けた男がいた。その“鳥人”幸吉の生きざまに人々は奮い立ち、腐りきった公儀の悪政に敢然と立ち向かった――。 構想十三年、執筆二年。伝説の著者が心血を注いで書き上げ、発表当時には、朝日・読売・毎日・共同通信・週刊文春ほか、40にも上る媒体で大絶賛された傑作中の傑作が、遂に電子版で登場!
「本書の素晴らしさには感服しました。 このような本に出会えて幸せです。」 直木賞作家・山本一力

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ネタバレ

江戸時代に空を飛ぶ事に取り憑かれた男
器用で、仕事でも対価を得ているのに・と思うのは一般人の考え。幸吉はただただ飛びたいという己れの思いで行動するのが良い。皮肉な事に彼の行動は腐った世の中ではヒーロー扱いされてしまうが、ブレることなく自分の欲望を叶えていく姿は清々しい。中々大凧が想像し難いのでドラマ化して見てみたい

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2021年07月04日

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ネタバレ

 ライト兄弟の人類初の飛行機による初飛行よりも120年も前の江戸時代後期、人は空を飛べると確信した男がいた。

 備前屋幸吉は表具師としての腕を持ち、その腕で己を乗せた大凧を作った。
 職人としての最高位の銀払いの身であったが、空を飛んだことで人心を惑わした罪で岡山から追放された。

 幕政に苦しむ民は幸吉の行為を、お上に対する反発だと喜んだ。
 武士階級への反発心は、また別の男たちの心にも火をつけた。

 江戸衆が独占する下り塩に苦しんでいた行徳の塩問屋、巴屋伊兵衛と、起死回生に手を貸す児島廻船衆たち。
 そして幕府直轄で独占していた商人たちから、商いを奪い返す。

 ところ変わって、幸吉は駿府で商いを興して成功していた。しかし、このままで人生を終わらせていいのか悩み始める。
 やり残したことは一つ。再び空を目指す。


 お上に逆らえず、ただうなだれるだけの毎日を過ごしていた男たちが立ち上がる。

 その中心に幸吉がいた。本人は、ただ空を飛びたかっただけだが、周り放っておかなかった。

 確かに、備前屋幸吉は実在した人物らしい。空を飛ぼうとした男が200年以上前にいた。

 それを飛べる。そのためには何が必要か。鳥の羽を調べ、竹組の翼を技術で完成させる。

 そんな技術者の魂にとても惹かれた。人が思いもしなかった何か、それを生み出し完成させるまでのプロセスは昔から変わらない技術者の基本だ。

 そんな技術者になりたい。

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2016年07月16日

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ネタバレ

江戸後期の天明年間に日本で初めて空を飛んだ備前屋幸吉を描いた歴史小説。背景には一部商人による独占を許す、幕藩の悪政を批判も。
全く意識していなかったのに、たまたま並行して読んでいる、司馬遼太郎の「菜の花の沖」とほぼ同時代の話で、兵庫の北風家や松右衛門帆といった共通の用語も出て来る偶然性に驚き。

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2014年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本で始めて空を飛んだとされる浮田幸吉と
その偶像や実像に関わった人々の群像劇。

静かで、それでいて相当な熱量を持った小説だ。

浮田幸吉はとにかく完璧である。
手先も器用、先見の明もある、どんな困難にもめげない。
困難がなくなれば自らつくり出してでもそこに向かう。
彼にとって困難だったのは、
んの困難も挑戦もない、安寧な生活を送ること、
この一点に尽きるのだろう。
この小説では幸吉はまるで人では無いかのように描かれ
強い意志の象徴として描かれている。

そんな幸吉よりも私は、人間として描かれた巴屋伊兵衛が好きだ。
問屋と糞侍の腐敗に自身の故郷を潰されないために立ち上がり

怒りに当初の目的をすっかり忘れたときに、
「空飛ぶ表具師」の噂を聞き改心したり

塩が手に入らなくて絶望していたときに槖駝丸が入港して
歓喜、感謝するしたり

その時の手紙を紙がすり切れる程何度となく見返して、
多忙な日々を生きた。

そうして若くして死に、地域の人々の行動規範となる。

伊兵衛の意志が地域に息づいたことを表すシーンでは涙がでた。

因みに幸吉はアイドルなので、死にませんし。うんこしません。

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2012年02月18日

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ネタバレ

 うおー!すごい!「全日本人必読!」と書くだけはある!
 ものすごい急展開もない。すさまじいオチもない。派手な名ゼリフがあるわけではないし、現実離れした濃いキャラクターが出てくるわけでもない。それなのに、とても胸が熱くなるのだ。第一部では天才表具師でありながら、空を飛ばずはにいられない幸吉の心中に共感し、第二部では「××が来た!」と伊兵衛と一緒になって叫んでしまった(笑)そして第三部では……と、それは読んでのお楽しみ。
 それじゃあ、この小説はどんな小説だったんだ、と振り返ってみる。ものすごくざっくりした言い方だが、ただ出会うべき人物が出会い、為すべきことを為し、淡々と、しかし着実に、物語が展開していき、辿り着くべき結果へ辿り着く。
 そこで、ああそうか、とはたと気づく。それが歴史というものなのだ。それは人間の営為の積み重ねなのだ。同作者の「出星前夜」に井上ひさし氏が寄せた賛辞と重なってしまうが、そこにはたしかに歴史があった。

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2012年06月24日

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ネタバレ

一万円選書の二冊目。
私にはちょっと難しかったかも…
幸吉の人となりはわかったし、物語的にも面白かったけど、細かい設定があまり頭に入らず流し読みしてしまった。歴史小説は好きな方なんだけど、わかりやすく没入できる司馬遼太郎はすごいなと思ってしまった。ただただ私の読解力の問題だけど。

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2024年01月03日

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ネタバレ

陸軍大佐の竹内正虎が日本航空発達史の中で取り上げている、備前屋幸吉の話で、凧が好きで、遂には、自分がその凧に乗って空を飛んで、世間を騒がせた話だ。当時は、飢饉などへの幕府の対応が悪く、世間は不満の塊であり、凧に乗って飛んだ幸吉が、鵺になぞらえられて、『イツマデ、イツマデ』と、幕府の失策がいつまで続くのか揶揄したと言ったように、間違って世間に捉えられ、幸吉は備前を追われる。
封印していた凧作りがひょんなことから、再びすることになり、また、大空を飛びたいという欲望に駆られ、とんでしまう。

幸吉は人間が空を飛んだ最初の人である。ライト兄弟より100年以上も前の話である。

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2014年11月01日

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