【感想・ネタバレ】この気持ちもいつか忘れる(新潮文庫)のレビュー

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ネタバレ

主人公のカヤはチカとの出会いを奇跡だと考え、それに縋って生きていたわけだが、このような生き方をしている人は現実にもいると思う。

異世界と繋がるというわけにはいかなくとも、大切な人を亡くしたとか、難病を克服したとか、なんでもいいのだが他人には起こりにくいことが自分に起こると、その出来事と自分の人生をまとめて、それを特別視して縋って生きているような人は少なからずいる。


そういう人って「あいつはこんな経験したことないんだよな」って人のことを見下したりすることがある。

そのような人へ、
須能沙苗からの言葉
「自分の情けなさを全部チカのせいにして、彼女を汚しているだけだからね」
この言葉を胸に刻んでほしい。

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2023年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大衆受けしなさそうな作品。

住野さんは読後に余白があるので読んでて楽しいですね‥
本書は会話中心の長編恋愛もの?であり、安直に書くと、今の若い世代に刺さりそうな印象です。
個人的には場面を想像しながら読める作品が好きなので楽しめました!!
恋愛もので「好き」という言葉が少ないのもらしさがあって良いですね

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2023年11月23日

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ネタバレ

最初から中盤は恋を知らない相手との恋模様を書いたものかと思って、主人公のカヤがチカのことで頭一杯になって、説明に狼狽えている所でキュンキュンしてた。でも読み進めていくにつれて、この作品はカヤの自身の感情や考えへの気付きが大切な作品なのだと思った。チカがカヤに対して「ふりだったんだね」と言った所で、エーミールがなぜか思い浮かんだ。自身のこれまで気づいてなかった決して美しくはない感情を相手に宣告される事は、どの作品でも主人公に大きなショックを与えるのだと感じた。大切な事を忘れないのではなく、忘れる、けれどそれも許すことが大切だと言いたいのだと思った。

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2023年08月10日

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ネタバレ

いた。
したかった。
なりたかった。
信じられた。
心の中に湧いたもの全て。
全て、過去の想いだ。
その想いを現在の形ですくい取ろうとすれば、
それらは砂のように崩れ指の間をすり抜けていく。
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住野よるの作品は良くも悪くも強烈な読後感が残る。
そして、微妙に共感できそうでできない主人公も特徴の一つだと思う。
でも、何故か共感できないはずの主人公の感情に、引き込まれるだけの勢いがある。

タイトル回収が気持ちいい。これも特徴の一つかも。
『この気持ちもいつか忘れる』
「記憶」を忘れることと、「気持ち」を忘れることを分けて描写しているように感じられた。
後者は、引用箇所のように想いが過去形になった時に「忘れる」という表現をしていてすごく納得がいった。
思えば、自分だって「気持ち」を忘れながら生きている。
忘れなければ自分の気持ちがいつまでも居座り続けてしまう。新しく気持ちが生まれくなってしまう。
何も感じられなくなってしまう。
「気持ち」を忘れるという機能は、「今」を生きていくためにあるのだと感じた。

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2024年03月05日

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正直言えば怖い。「田中」「斉藤」も正式名称じゃなくあだ名みたいたもんで、本名が別にあるって分かった時は心底怖かった。
後、いってらしゃい、気をつけてね、見つからないように。ってあるけど見つからないようにってどういう意味?最後まで意味わからんかった。

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2024年01月30日

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生きることも死ぬことも諦めたように無意味な人生をただ消費していくカヤ。退屈だった。
そんな時に出会う異世界の存在チカ。
お互いの秘密を共有していくうちに変化する感情と、お互いがお互いを通して、相手の世界に何かしらの影響を及ぼしているということを知る。
カヤは実態のない、けど光りほんの少し触れることのできるチカを確かに感じ、恋をしていた。
でもどれもただつまらない自分の人生に特別が欲しかっただけなのか、それとも“ふり”をしていただけなのか。
きっと違う、と思いたい、確かに大切だったんだと思う。

忘れてもいい。
きっと誰かを大切に思ったり何かを大事に思ったりする感情って、事実として記憶しておくことはできるけど、その時感じる感情はその時のもので、その感情をそのまま覚えていることはきっと出来ない。
それが忘れるってことなら、きっとそれでいい。
許したくないかもしれないし、認めたくなかもしれない。
でも、忘れてもいい、そういうものだ。

心にしまっている大切な人との記憶がある方には何かしらの共感があるかもしれない。

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2023年09月13日

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良かった点は忘れたくない気持ちの描写が良かったところ。
大事な特別な気持ちということがよく分かって良かった。あと2人だけの特別な関係というのも好きだった。
悪かった点は何も分からなかったところ。
モヤモヤしたまま終わってしまったし、タイトル回収がせっかく今まで読み進めてきた大切な気持ちをそんなのいつか忘れるんだよという意味で言っているのでじゃあ今までの壮大なストーリーは何やってんと思った。
タイトルに惹かれて購入したので、蔑ろにしてる感じがしてして嫌だった。
でも気持ちの描写はすごく良かったので星3かな〜

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2024年02月10日

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こんな自分の世界に引きこもり、世界をつまらないと思ってる主人公初めて見た。そこまで世界を、人生を諦められるものなのか、高校生にして。その諦め自体厨二病感もあるけども。
最初の方はザファンタジーで夢中になって読めた。展開にドキドキした。
けど最後爆展開があるかと思いきやそうではなかった。今までの住野さんの作品で、ファンタジーとしての期待をしすぎた。
あと、「見つからないように」って何か意味があるのかと思ってたけど、なかったぽい?
そこもちょっとモヤっとしている。

でも確かに、この気持ちもいつか忘れるな、とは本当に思う。
前に好きだった人のこと、好きだったことは覚えているけど、どんな気持ちで好きだったか、どんな感情だったかは思い出せない。
今好きな人もそうなのかもな。切ないけど、それが事実で、その気持ちがこれからの自分を作っていくのも事実。

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2023年12月27日

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相変わらず綺麗な言葉遣いをする。
このかたの小説はその言葉を楽しむために読んでいる。ストーリー自体は私はそこまで入り込める様なものではなかったが、美しくは感じた。
特に終盤、主人公が 忘れたくないと溢すシーンはとても良かったと思う。擦り切れそうな心情が伝わってくる描写だった。

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2023年11月10日

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住野よるさんの過去の作品が好きで
久々に小説が読みたくて手に取った。
主人公は自分は特別であり他人とは分かり合えない
というような傲慢な考えの持ち主で
読んでいると共感性羞恥のような、
自分も自分自身を特別視している時期が確かにあって、今思うと何か恥ずかしいような気持ちになってしまった。しかし同時に懐かしさも感じた。
主人公と違って中学生になった時にはもう
夢から覚めてそんな考えも何処かにいってしまったな。
この作品は異文化との交流が面白く、
自分の生活の中にある当たり前のものが
他の世界では当たり前ではないかもしれないという
当たり前の事実を知った。
住野さんの作品で1番好きなところでもある
会話のテンポや言葉の選択がこの作品も面白かった。
前半はファンタジーだったのに対し、後半は現実の話で全く違う物語を読んでるような感覚になった。
過去のことは過去として消化してしまう現実。
楽しかった事、覚えていたい事もいつかは風化してしまうんだなあと思った。
でも過去を無かった事にするのでは無く
過去の続きの今をどう生きるか。
自分の人生を決めつけるにはまだ早いので
主人公のように受け止めてこれからもっといろんな事を感じていきたい。

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2023年09月04日

Posted by ブクログ

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ほぼ全編通してカヤに対して「イテテテテ」と感じてしまうが、自分自身も同じようなこと考えたことがあるからなのでしょう
ただ31歳まで拗らせ続けてたはかなりエグい
田中と斎藤の件は本当にドン引いてしまった
どんなに顔が良くても許されないでしょうこれは

最終的に強い女に救われたようなのでカヤは運が良くて良かったと思います

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2023年08月21日

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