あらすじ
日本は、いつまでアメリカの言いなりになり続けるのか。なぜ欧米の価値観に振り回され、古きよき心と習慣を捨ててしまうのか。一体、いつまで謝罪外交を続けるのか。そして、若者は何を目指せばいいのか――。日本人には、先人の勤勉な血が流れている。現代日本に過去の栄光を取り戻させるのは、強いリーダーと愛国心だ! マレーシアの哲人宰相が辞任を期に贈る、叱咤激励のメッセージ。
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Posted by ブクログ
〈要約〉
日本は自信を取り戻し世界に向けてリーダーシップを発揮してほしい。欧米方式の不平等な利益分配は、貧しさによる争いを引き起こす。地球を1つの共同体として考え、公平に利益を生むようにするべきだ。それができるのは経済規模と富があり、世界水準の技術力を持っている日本だけなのだ。
※140字前後で要約しているため、内容が抽象的になっています。
〈感想〉
どんな本か。
例えば、あくまで例えるなら。
僕のお爺ちゃんが昔、会社の社長をやっていて、著者はお爺ちゃんの会社に世話になっていた取引先会社の現社長さんである「マハ爺ちゃん」だとする。
マハ爺ちゃんは必死に努力して、会社を大きくしていった。
僕のじいちゃんとマハ爺ちゃんは家族ぐるみのお付き合いをしていた関係で、僕も小さな頃からマハ爺ちゃんに可愛がられていた。
僕も大人になり、家業とは別な会社に就職。
社会人を10数年経験し、改めて自分の人生を振り返り始める。
今の仕事を続けていいのか、本当は何がしたいのか、何が不安なのか、何が不満なのか、僕はこれからどこへ行くのか。
そんな時に、十数年間ぶりにマハ爺ちゃんと飲みに行くことに。
立派な会社の社長であるマハ爺ちゃんとの2人きりの食事。
こちらはといえば、なんとなく心が定まらず、霞みがかった焦りに苛まれた僕。
お酒を進めながら、とりとめのない世間話の中で、仕事の話になる。
マハ爺ちゃん「どうなんだ、仕事の方は。」
僕「うーん、いや、実は。最近いろいろ悩んじゃっててさ。迷子中なんだよね。こんな感じでさ・・・」
一通り話を聞いてくれた上で、
マハ爺ちゃん「なるほどな。いいか、お前な?おれが若い頃は、お前の爺ちゃんにこんなことを教えてもらって、そのおかげでおれは今こうして1つの会社を経営しててだな、お前にもお前の爺ちゃんの血が流れてるんだよ。うだうだ考えてる暇があったら、まず行動してみろよ。」
と言われ、改めて自分のことを見つめ直す。
そんな本です。例えるなら。
昔お手本としてお世話になった日本の、現在の若者に向けたメッセージとして金言が並びます。
国を経営しているお爺ちゃんからのメッセージなので、当然小言が多い。家族を大事にしろ、国を大事にしろ、茶髪、ピアスなんてもっての外だ、アジアよりも欧米が優れてるだと?ふざけんな!そんな堅苦しく、反骨精神満載な言葉が散りばめられていますが、私達日本人に対しての愛情と、将来に対する期待を持って発破をかけてくれる。
頑固なだけではなく、きちんと話を聞いてくれた上で真剣に言葉を投げかけてくれる、そんな愛すべきお爺ちゃんが書いてくれた本です。
(不敬な表現ですみません)
2003年初版の本のため、書かれている国際情勢(特に中国や北朝鮮について)は2019年1月現在と乖離している点はあります。
ただ、行動力と不屈の精神を以って長い間一国のトップを務めた(現在は返り咲いていますが)1人の人間の言葉には計り知れない重みがある。
私達が暮らしている現代は、欧米文化が中心であり、メディアで目にする海外のニュースも欧米式の考え方というフィルターを通した情報を真実として受け止めるという土壌の上に成り立っています。
その思考回路が偏ったものであることを、アジアの視点、イスラムの視点、国のトップの視点からの批判を読むことで気付かせてくれました。
ただ、中国・北朝鮮に対する見込みの甘さや、欧米に対して批判のみであり公平になりきれていない点など、そこに偏りを感じます。
また、貧困からのテロなどの問題解決の方法を地球税(マハティール氏の例えなのでしょうが)による富の分配などでまとめていることから、即実現できる対処法ではなく理想論に近く、それを日本に求める理由も根拠としては抽象的なものでした。
この点から⭐️をマイナス1しています。
ただ、国のトップは理想を語るべきだと思いますし、地政学や経済学の参考書でもないので、この点についてはほとんど気になりません。
何よりも、熱意を以って世の中のことを教えてくれ、お説教してくださるマハティール氏に感謝することができる一冊です。
良書だと思います。
Posted by ブクログ
マレーシア、マハティール元首相からのメッセージ。
冒頭文がかなり熱くて素敵。勇気をもらえる。
<メモ>
・軍国主義はよくないが、愛国主義は悪いことでない。愛国主義は困難を乗り越えるために助けになる。
・イスラム教は非イスラム教に対して「あなたに平和が訪れますように(アッサラーム・アライクム)」と挨拶する。なぜなら砂漠地帯に平和はほとんど訪れたことがなかったから。平和は彼らにとって最も大事なことだった。
・挨拶には人々の願いが込められているもの。中国では「もう食事はしましたか」という挨拶が買わされる。これは過去飢えで国が苦しんでいた時代が長かったから。
・世界で 対立やレジスタンスが起きたりしているのは、異なる宗教間であっても、基本的には土地の没収や政治的抑圧に原因があるもの。