【感想・ネタバレ】鋼鉄紅女のレビュー

あらすじ

巨大戦闘機械に男女ペアで乗り組み、メカ生物と戦う華夏の国。村娘の則天はそのパイロットに志願するが!? 英国SF協会賞受賞作

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Posted by ブクログ

物語の登場人物には、中国の歴史上の人物の名前が使われている。主人公の少女・則天(ゾーティエン)もその一人で、中国史上唯一の女帝・武則天から名を取っている。
この世界では、人類を滅ぼそうとする「混沌」に対抗するため、巨大ロボットで戦い続けている。そのロボットは男女ペアで操縦する仕組みで、ペアの「気」が拮抗していないと、弱い方の「気」が吸い尽くされて死亡してしまう。犠牲になるのは、ほとんどが女性。「女は弱く、男は強い」という価値観は、コックピットの中だけでなく、社会全体に浸透している。男尊女卑が根深く、巨大生物との戦いの傍ら、彼女は理不尽な社会構造にも立ち向かっている。
ロボットが登場するSF的な世界観でありながら、登場人物たちは中国の伝統的な衣装(漢服に髻)を身にまとっている。則天は幼少期に纏足を施されており、そのため足が不自由だ。彼女はその理不尽さに対して、ずっと怒りを抱えている。
最近、ケン・リュウが編集したアンソロジーを読んだばかりで、「大きな時代の流れには、仕方のない犠牲もあるのだなぁ」としんみりしていたのだけれど、この作品を読んで、「いや、怒るべきところはちゃんと怒らなきゃいけなかった!家父長制度、こら!」という気持ちになった。物語の力は、ただ自分を宥めるだけじゃないんだなと、改めて気づかされた。面白かったなぁ。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白い。
主人公の怒りは当然。どんどんやったれとい思っているうちに終わっちゃう。500ページもあるのでにあっと言う間。
人名の読み方が覚えられない!

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2023年08月07日

Posted by ブクログ

女性主人公の復讐譚でSFに恋愛に人型に変形するロボットにと要素はてんこ盛りで海外のラノベみたいだなと読んでて思った。
主人公の言動はかなり過激なので拒否反応がでる人も多そう、中盤は主人公の思い込みとか何でもかんでも噛み付く姿勢が結構続くので少し辛かった。
あまり読み慣れてないのでなんじゃこれはとなること必須な、やおい的な展開もあり。
物語の展開はスピーディーなので退屈しないし結構面白かったけど、軸になってる異星の機械生物・渾沌との戦闘が単調なこと、人類側が負けているはずがスムーズに勝ち進みラスボスでもそんなに苦戦しないのはちょっと期待はずれ。マブラヴオルタネイティヴまでは行かなくても決死の覚悟で挑むような戦闘は1つもないので、あくまでも男尊女卑の世界をひっくり返すことに重きが置かれていることは中盤までは分からないので、期待したものと違うとなる人も少なからずいそうだと思う。
でも続編は読みたい

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2023年06月05日

Posted by ブクログ

パシフィック・リム+陰陽五行+中華ファンタジーの欲張り設定でワクワクしながら読み始めました。

中国の歴史とか文化を知っていたらもっと楽しめたかな。髪形とか服装のイメージ出来なかったのが残念。

男性上位の世界観で女性はかなり辛い扱いを受けるので抵抗ある人にはオススメできないかも

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

悪習に囚われた国で生まれながらに罪人のような扱いを受けてる(女性だからというだけで)主人公があふれる才能でめちゃくちゃやるところはおもしろかった 姉の敵を暗殺するつもりがうっかり圧倒的な力の差でねじ伏せちゃったところとか

纏足って子供の頃から小さい木靴に押し込めて成長させないものだと習った気がしてたけど、作中のわざと粉砕するシーンでこわすぎだった

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は面白かった
怒れる少女が、立場の強い男達に立ち向かうというか、初っ端から殺人してしまって、男達の敵になって行く
でも結構自分の我を通すことだけを考え、周りの協力的な男達を振り回し、女子の味方は作らないのかいない
男2人と住む話になってから、だんだん詰まんなくなった
結局自分が目立ちたいだけなんじゃないだろうか
いるよなあ、こういう人

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

ひまわり御師匠が激賞されておりました一作。
メフィスト賞のような趣かと。
なかなか世界観が掴めず、苦戦しました。
ある程度繁栄していた文明が、宇宙からの侵略者渾沌(ふんどん。混沌と同意語)により壊滅。そこから2,000年。人類は、霊蛹機を使い抵抗を続けている。という設定が最後の方でようやく。

登場人物達は、それぞれ中国の歴史上の人物から引用され、その性格等も反映。
蛹は、さなぎ。パイロットの気の力で進化していくからかな。この霊蛹機に男女がペアを組まされて、その互いの気を使い変身したり戦ったり。
根底にあるのが、女性蔑視。中国の纒足をはじめ女子と生まれた子への扱いに嫌悪感が伝わります。

陰陽説かと言われると、陰と陽は同格と思っているので、そこに格差を描かれると、納得しにくい。
五行説かと言われると、相剋のみを取り上げて、相手を生かす相生を表現しないと片手落ちかなと思う。中途半端な扱いです。

ゲームとかアニメとかの世界観を満喫している方には良いかなと思う。

そして、この小説の主人公の女子パイロットが、自分を“あたし”というのが、落ち着かなかった。
英語だとわたしとあたしの違いがあるのかな?
“わたし”だと男女共に使うから、女子主張の表現と理解しておいたけれど、ジェンダーとセクシャリティを描きたいという作者の意思からズレるんのでは?文字を書けない設定だったから、そういう意味合いかな。

小野さんの「十二国記」は、五行説と九星の形状を使っていると思っていますが、この小説で男女パイロットを陰と陽としているという事は、王と麒麟を陰陽としていたかもしれない。また読みたくなってしまった。

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2023年12月11日

Posted by ブクログ

ペラっとめくったらメカのデザインがかっこよかったので手に取りました。
冒頭を読んでアニメっぽいと思ったら巻末にダリフラに影響を受けた、とありナルホドと思いました。とは言え古い話だとイクサー1とか桂正和さんの男女が一体になる漫画とかアクエリオンとかもそんな感じなのかな?モチーフは結構昔からあるのかな。イクサーワンは男女じゃなかったけど。

さらに則天武后もベースにしている、という事なので、昔の逸話をロボ作品にしたような感じなのか、それは面白いよなと思いました。纏足の時代の女性が虐げられ搾取され、それでも次世代の同性に自分と同じような人生を歩むことを願うという業のようなものも読んでいてヒリヒリしました。

金持ちお坊ちゃんがなんで彼女に入れ込むのかはよくわからなかったですが、結果として彼女は権力も好きな男も自分の力でゲットするという力業がすごかったです。

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2023年06月27日

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