【感想・ネタバレ】垂直の記憶 岩と雪の7章のレビュー

あらすじ

2002年秋、山野井泰史は、ヒマラヤの難峰ギャチュン・カンに単独登頂後、下降中嵐につかまり、妻・妙子とともに決死の脱出を試みて奇跡的に生還した。 この衝撃的な生還を機に、自らのクライミングの半生を振り返り、難ルートから挑んだ高峰への思いを綴る。 すさまじい登攀への思いと「日常」の生活も著わした、氏の再起への物語でもある。 2004年に刊行された書籍の文庫版を電子化しました。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

沢木耕太郎氏の凍を呼んでから、本人の作へという流れで読みました。
本人にしか分からない、登攀中の心境などが良く分かり引き込まれました。
特に引き込まれるのは、やはりギャチュン・カンについての章だった。
極限の状態でおきた幻覚?のような現象は、山に命をささげるかのような生き方をしてきた山野井氏にしか起こりえないことのような気がした。

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2013年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本を代表する登山家山野井さんの自伝的な作品。

正直、こんなすごい人が日本にいたのか!?とまずビックリ。数々の難峰に挑む著者の姿がひたすらリアルに描かれる。

指を何本もなくし、眼球が凍るような死線をくぐり抜けてなお山に向かう姿は尊敬を通り越して鳥肌が立つ様な思いだ。

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2012年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

体力の無い私は山登りをしているとすぐに呼吸が浅くなる。
そんなとき、深呼吸をして、なんとかいつもの自分の呼吸を取り戻そうとするが、
とにかく歩かなくては、と足をつとめて前に出そうとするときには、
呼吸にまで気を回すことができなくなっている。
結果、少ない体力がさらに奪われることになる。
厳しい山に登っているわけではないのに、あのキツさ。
本書「垂直の記憶」に出てくる山の厳しさとは比べるべくも無いだろうが、
淡々と語られている山の厳しさに、まるで自分も近くに入るような気がして、時折呼吸を忘れた。
「早く、早く安全な場所まで降りてきて」
そう祈りつつ、最後のページを終えたときは、
安堵のため息がもれた。

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2011年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世界的クライマー、山野井泰史による自著伝。
山を登る上での臨場感、まさに死の淵と呼ぶにふさわしい場所に赴いた人間だからこそ語れる本著。
過度に装飾しないからこそリアルだね。特に第7章のギャチュン・カン北壁なんかは、当人からすればなんてことない難易度のはずが、自然の気まぐれでふるい落とされるという残酷さをはらんでいる。

何故山に登るのか?───そこに山にあるからだ。
というやり取りは有名だけど、山野井氏は「山で死んでも仕方がない」と別口で語る。いや、もしかしたら自分の往くべき道を見つけた人というのは、実際そういう心持ちなのかもしれないなあ。

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2025年03月31日

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