あらすじ
落ちこぼれの聖女見習いであるリシーは、ほとんど神殿を追い出されるかたちで、ある難しい命令を受けることになった。それは救国の英雄、魔術師ヴェロスを王都へ連れ戻せということ。ヴェロスは人を寄せ付けない森の奥深くにこもっており、わずかな人間しか彼の元へはたどりつけない。リシーはなんとかヴェロスの元へたどりつき、交渉によってヴェロスを王都へ連れ戻そうとするが、ヴェロスはまったく聞く耳を持たなかった。恩人のため、リシーはなんとしてもヴェロスを連れ戻さなければならない。しばらくヴェロスの元に居座ることにするが、やがて、英雄とまで呼ばれたヴェロスがなぜ突然人々の前から去ったのか疑問を抱くようになり……?
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泣いた
作家さん買いです。
すさまじく優しくて切ないお話で、ついつい何度もじわっと涙が出ました。
リシーという生き方とヴェルの生き方と、2人につながった運命とが美しい描写と時にコミカルに描かれていて、終盤はもう切なさの嵐。
リシーの異能の力がとっても意外で、すっごく重要な鍵を握っていました。
それだけではなく、リシーという女性の話を聴く力がすごくよくて、異能だけではなく、無力な人間であっても元気になるためにするべき小さな工夫に満ちた優しいお話でした。
アミナの率直さや優しさ、のんびりとした様子も大変よかったです。
そして2人がとても素晴らしい旅をしていることがラストに語られるのですが、そこはもうついニコニコしてしまうし、涙も出ちゃう素敵なラストになっています。
ウィステリアとロイドのシリーズも好きだけど、こういう単発のものも色々読めると嬉しいです。
次回作も楽しみ!