あらすじ
さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は――。蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。どうにかして、「姉」を手に入れたい……。僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集!
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Posted by ブクログ
私たちの常識が通じない世界に迷い込んでしまったようでした。グロさが強いけど、気味の悪さもしっかりあります。『壊れた少女を拾ったので』と差をつけたかったので★4ですがこちらもおもしろいです。
・姉飼
設定が歪。シブヤが村か…とか蚊吸豚の気持ち悪さとかもう生理的な嫌悪感に訴えてきます。「姉」と名付けられた彼女たちがなんなのか。人間の欲望に恐ろしくなります。
・ キューブ・ガールズ
性欲のはけ口とするだけでなく、最後は心まで…。少しずつ加速していくサディズムには表立ったグロよりも恐怖を感じました。自らの存在、アイデンティティが消えていく恐ろしさにぞわぞわします。
・ ジャングル・ジム
人間に恋したジャングルジムの話。なんでこの世界のひとたちは違和感なくモノとしゃべるのか。それ自体がこわい。ジャングルジムを騙された男の比喩だと思うと…それもこわい。4作の中ではいちばん好きです。
・妹の島
姉飼とタイトルが対になっているのかな。でも話に繋がりはなく、よくわからないという印象が強い。