あらすじ
全米で150万部を超える支持を得た本書は、マルコム・グラッドウェル著『ティッピング・ポイント』に触発されて書かれた。『ティッピング・ポイント』では、流行や社会現象を起こすものには、(1)少数の目利きに浸透する (2)記憶に粘る (3)背景が味方する──の3つの法則があることを明らかにした。本書はこの中の(2)「記憶に粘る」を掘り下げ、一度聞いたら決して忘れないメッセージについて、以下の6つの法則を明らかにした。(1)単純明快 (2)意外性がある (3)具体的 (4)信頼性がある (5)感情に訴える (6)物語性がある。勝間和代さんが「2007年に読んだ原書の中で、最もお気に入りの1冊」(勝間和代さんの本書解説より)。
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Posted by ブクログ
記憶に焼きつくアイデアの具体的な事例とともに、6つの原則を紹介している。
①単純明快である
②意外性がある
③具体的である
④信頼性がある
⑤感情に訴える
⑥物語性がある
1960-70年代にアメリカで流行になったという、「ハロウィン サディスト」というお菓子に偽装した爆弾の噂はまさしくこの原則が当てはまる。
2008年に出された本のようだが、古さは感じず面白く読めた。
Posted by ブクログ
・記憶に焼きつくアイデアは、単純明快であって、しかも重みや深みがなければならない。
「良い本だ」という評判を聞いて、ずいぶん前に手に入れてあった『アイデアのちから』だったのですが、長い間、積読になっておりました。先般、同じ著者(チップとダン兄弟)が執筆した『スイッチ』の方も手に入れたので、こっちを先に読まないと…と思い腰?を上げ読み始めたところ、なんと『ティッピング・ポイント』を補完する内容とのこと…分析よりも物語という主張の通り、記憶に粘るエピソードによって論拠が示され、やってみよう!という気にさせてくれる内容です。
本書は、チップとダン兄弟が、アイデアが記憶に焼き付くつくしくみを追求した結果から生まれたそうです。兄弟は、好きな作家、マルコム・グッドウェルの著書『ティッピング・ポイント』が示した「社会現象が流行となる理由」に加え「記憶に粘る(焼きつく)アイデアと消えて行くアイデアの違い、効果的なアイデアがどのように組み立てられるか」を突き止めようとしました。その原則は、1単純明快である。2意外性がある。3具体的である。4信頼性がある。5感情に訴える。6物語性がある。の六つとのこと、もっと具体的に知りたい方は、手に取って読んでみてくださいね。
Posted by ブクログ
フォトリーディング&高速大量回転。
この手の研究家が書いたベストセラーは、研究結果を面白く読ませるためのテクニックが用いられているので、読みやすい分読んでいて疲れた。例示が多すぎ。ゆっくり読むのには楽しめて感動的なのだろうが、速読には向かないと思った。しかしながら、人に印象を植え付けるテクニックについてはよくわかった。例示も(多すぎだが)面白かった。
単純明快に・意外性を保ち・具体的で・信じる要素(細部を調べてあったり権威づけがあったり)・感情に訴えれば、記憶に残る。それを物語的に話す。
下記に付箋を貼った個所の要約を載せる:
34:トルストイ「幸福な家庭は似通っているが、不幸な家庭はそれぞれ違う不幸を抱えている」。
同じように失敗した(忘れられる)広告には色々あるが、覚えられる広告には一定の要素がある。
43-44:5つの要素で確認するることは、他の要素を切り捨てること。
48-49:記者が戦地から電報で社に伝えるように、最も伝えたい重要事項を先に伝える。
66-67:具体的にシンプルに。
100:意外性(驚き)は、後で考え納得できるものに限る。
113:優れた文はすべて謎かけではじまっている。読者に疑問を与える。
119:興味の隙間。知らないことを知ると知りたくなる。埋め合わせたくなる。
139:生活は具体的だが言葉は抽象的。世界は寓話を求めている。具体的な話で聞く者は実感する。
145:五感で感じるものが具体的なもの。
148:具体的な「もの」は記憶しやすい。自転車、アボガドなど。
160:具体的であることは目標を分かりやすくする。行動も起こせる。
163-165:「白いもの何でも書け」というのと、「冷蔵庫にある白いものを書け」というのでは後者のほうがやりやすいのが脳の特性。限定され指示を具体的に受けると、脳は探しやすくなり行動(探す)を起こす。
190:詳細な記述(地域の描写など)は、読者の信頼性をたちまち高める。具体的に細かく書くと信じやすい。
226-227:個人の飢餓の苦しみと、国家の飢餓状態の描写では、個人についての話のほうが訴求力がある(寄附が2倍以上)。
283:物語は娯楽である。
306-311:挑戦の筋書き。ダビデとゴリアテ。
絆の筋書き。善きサマリア人。
創造性の筋書き。ニュートンが万有引力について思い出したのは、リンゴが頭に落ちてきたとき。
319:物語はほぼ例外なく具体的。感情に訴える。そして以外。知の呪縛(相手が知っていると思ってしまう知者の盲点)を軽々と打ち破る。
338:これらを意識的に実行する。
Posted by ブクログ
10年以上前に一度読んだのを、最近になって再読。
いったん何かを知ってしまうと、知らない状態が想像できなくなるため、聴き手の気持ちが理解できなくなる。それを「知の呪縛」と呼び、自分のアイデアを効果的なものに作り替えることで、この呪縛を打破することができる、というのがこの本の趣旨。
効果的なアイデアを作る6原則が、1章から6章にわたり一つずつ紹介される。
1つめは「単純明快である」こと。もっとも重要なもののために、他の要素をそぎ落とし、簡潔にすること。
2つめは「意外性がある」こと。相手が知らないことを提起すると、強烈な興味を引き起こすことができる。
3つめは「具体的である」こと。専門家は高度な洞察力があるために、高度で抽象的な話をしたがる傾向があることに注意。
4つめは「信頼性がある」こと。メッセージそのものが、メッセージの内容を裏付け、保証しなければならないことも多い。
5つめは「感情に訴える」こと。自己の利益に訴えること、メリットの大きさよりもメリットを実感させることの方が重要。
6つめは「物語性」。物語があると、人は自分の意識を潜在的な解決策に向かわせることができる。
どれか一つだけを見れば、当たり前のことのように思える要素ばかりだが、この6要素の全てをクリアするアイデアとなると、そう簡単ではない。
いいアイデアというのは、やはりそう楽には生まれてこないし、生み出せないんだな、ということが理解できる。