あらすじ
だから今日も、
うちに帰ろう。
猫の肉球、ポトフ、あいまい弁当。
幸せのにおいがつまった、兄妹物語。
十年前、陽一の母とユカリの父が結婚し、二人は兄妹になったが、五年前に両親は他界。中三のユカリは義母のレシピ帳を参考に料理し、陽一は仕事で生活費を稼ぎ、支えあいながらの二人暮らし。
ある日、庭先に猫が現れる。二人は猫を飼い主らしき人へ届けに行くのだが――。
のんびり屋の兄と、しっかり者の妹が織りなす、陽の光差すような、猫もまどろむほのぼのあったかストーリー。
その一 猫と兄妹
その二 あいまい弁当
その三 空色の傘
その四 夏のきらめき
その五 ポトフにご飯
その六 きみと暮らせば
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
八木沢さんの作品でこれだけ読めてなかったので、新装版として発売してもらえ嬉しい。
題名と表紙から、猫との暮らしを描いているのかと思い込んでいたが、血の繋がらない兄妹の暮らしがメインの話。
少し抜けているところがあるが憎めない兄と、しっかりしているようでもやっぱり中3でオボコイ妹。二人の日常を見守る感覚で優しく読める。
陽一が本音を漏らすシーン、
ユカリを生きる目的にできた、いい加減な生き方から脱却できた。というようなことをシカちゃんに言うところと、
最後、絶対に来る二人の別れに迫られる時まで一緒に暮らしたい、っていう場面には陽一とユカリとの生活を大切にしたい気持ちがガッツリ伝わってきた。
頼りないと思っていた陽一の男を上げた名セリフだと思います。
旧作も素晴らしいのだけど、八木沢さんの新作も読みたいな。